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最終章 世界の理は変わらない

私が魔王?……っ、そんなわけないでしょ……!

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「それで、インクプス。今は、どんな状況なの?勇者はどんな感じ......?」

 私は、できるだけ冷静に話を進める。

「勇者は女の子でした。ですが、その勇者は片手に魔王を倒すとされている聖剣を持っていました。勇者を城の精鋭部隊でなんとか抑えてます」

「そっ、か......。勇者の他には誰かいたりした?」

「勇者の他に、二人ほど女の子がいました」

「精鋭部隊は、どれくらいもつかわかる?」

「勇者一人相手でしたら、十分はもつと思いますが、そこに二人となると五分もつかどうか......。とにかく、時間の問題です」

 そこで、私は一回頭を悩ます。

 なにが、最善なのか?

 どうすることが、一番いいのか?

 そんなの、私と勇者が戦うことだ。
 勇者の目的は私を倒すことで、魔族を根絶することじゃない。

「ねえ、インクプス。一回、私を勇者のところに連れてってよ」

「それは、正気ですか、魔王様......?」

 インクプスはとても嫌そうな顔をしていた。
 そりゃそうだ。

 だって、自分から勇者に首をあげに行くと言ってるようにしか聞こえない。

 でも、インクプスは私の真剣な眼差しを見て、何かを察したのか、渋々頷いてくれた。

「マオちゃん。なにかあったら、私が守ってあげますわ」

 私は、そんな頼りになるロノアの言葉を受け、インクプスとロノアと一緒にその場所に向かうのだった。
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