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最終章 世界の理は変わらない

私はインクプスです!!9

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「ヴァイオレット、無理だったらいいからね?相手はあの勇者なんだから、魔王でもないのに勝てないよ。ヴァイオレットが帰ってくるの、待ってるから!」

 あのあと、私たちは一通り泣いた。
 ヴァイオレット会うのは、たぶんこれが最後になる。
 そう思うと、泣かないでいることなんてできなかった。
 私たちは城に、ヴァイオレットは勇者を最後に見たという場所に行くことになった。
 私たちが見ることができるヴァイオレットの姿は、たぶんこれで最後になる。

「はい、必ず帰ってきます。待っていてください。これでも私は、学年の中では最強でしたから」

 ヴァイオレットは最後にそう言い残して行ってしまった。

 ある程度準備を終えてから、私たちも城に行くことにする。


「魔王様のお荷物なら、このインクプスが持ちます!サキュバスのあなたなんかにもたせたら、臭くなりますよ!」

「インクプスさんが持つ必要はありませんわ!臭くなるというのがなんのことかわかりませんし、最近のマオちゃんのことを知ってる私が持つ方がいいに決まってますわ!最近のマオちゃんのことを知らないインクプスさんなんかが持っていいものではありませんわよ!」

 さっきまでの雰囲気を完全にぶち壊すように、そんな争いが起きていた。
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