上 下
122 / 179
六章 私の『学園生活』……

お泊り会がしたいって、冗談だよね?(その日になるまで)2

しおりを挟む
「マオちゃん、今日はどうしましたの?あんなこと、いつもはないですのに」

「えっ?いや、ちょっと、考えごとしてだけ~」

 なんとなく誤魔化す。

「まあ、別にいいですわ。貴重な機会ですし。それより、お泊まり会、とっても楽しみですわね!」

 そんなロノアの言葉を聞き、「その、お泊まり会のせいであんなことになったんだよ」と、ぼそっとつぶやく。ロノアは「なんか言いましたの?」と、全然聞いてなかったようだった。
 よかった。
 と、私はふと疑問に感じたことを聞いてみることにする。

「ねえ、ロノア。なんで、いつも昼ごはんのときはヴァイオレットいないの?」

「それは、マオちゃんと二人きりの時間が過ごしたい──わけではないですわ。えっと、その、ヴァイオレットはヴァイオレットのご学友がいますの。だから、それを優先してもらってるだけですの」

 なるほど、本音が前者で、後者が建前ってことか。
 でも、建前ってほど、建前ってわけじゃないとは思うけどね。
 ロノアって、以外と優しいし。

「マオちゃん?どうしましたの?そんな、楽しそうな笑みを浮かべらして」

 やばい、今の私の顔をロノアに見られた。
 やばい、ちょっと恥ずかしいかも。
 いや、かなり恥ずかしい!もう!
 上がりかけていたロノアの評価は、元に戻ったのだった。
しおりを挟む

処理中です...