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光の中の歪んだ愛

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「儚い夢だったな」

 王は消し炭になった男に、冷淡な声をかけて吐き捨てた。
 ルシードは裸のまま我が王に抱きついて、泣きながら叫ぶ。

「や、やはり! 貴方が、私の王です!!」
「当然だ! お前が俺の伴侶だ!」

 唇を塞がれて舌を絡められる。
 彼の魔法の炎のように熱い。
 しばし裸体のまま抱きしめあって、お互いの熱を感じあった。

 ――ああ……私の、王……!

 ルシードは、魂が喜ぶのを感じて、とめどなく流れ落ちていく涙を止められなかった。

 二人は絹の衣を纏い、部屋を出ていく。

 泣き止まないルシードは王に宥められながら、部屋の外にでると、騒々しい声が聞こえてくるが、衛兵達が近寄る気配はない。
 それどころか、二人に道を明け渡す。

「これは?」

 ルシードが王に訊ねると、口元を吊り上げて「王間にいくぞ」とだけ告げた。

 王間には、驚くべき光景が広がっていた。
 膝をついて並んでいる臣下達に切っ先をつきつけているのは、かつて我が王に仕えていた臣下達である。
 とっくに逃げ出したかと思っていたが、まさか、こうして戻ってくるとは。

 そして、何より驚くべきことは……。

 ルシードは、一人の騎士の背中に声をかける。

「ブライト?」

 呼びかけに答えた騎士が振り向くと破顔した。

 ――間違いない。処刑された筈のブライトだ!

 ブライトはルシードに抱きつかんばかりに詰め寄り、手を握りしめてなんども振る。

「ルシード様!! こ無事でよかった!!」
「な、なぜ、陛下に処刑されたのでは?」
「既の所で臣下共に説得されてな。裏で手を回すように命令していた」
「そうでしたか!」

 ブライトが処刑された場を、見た者がいたのかを、確認していなかった己を恥じた。

 王は魔力を行使して、力を示し、件の大臣や臣下達は民の前で処刑された。
 恐れおののく民衆に、王は宣言する。

「私は、己の愚かさを皆に詫びよう! これからは、我が伴侶となったルシードと共に、民達が安心して暮らせるよう尽力すると約束する!」
「陛下の強き想いに応えよ!!」

 ルシードは、民衆に向かって声を張り上げた。
 戸惑いつつも、民達は徐々に歓声をあげると、王を指示する言葉を発した。
 興奮に包まれた民衆を見据えた王は、満足そうに笑い声を上げた。
 その姿は陽に照らされ、ルシードの目には、光の神のように見えたのだった。


 その夜、王の寝室にて――睦み合う王とルシードの傍らには、男根を勃起させたブライトが息を荒げ、眼の前で自慰をしていた。

 王がブライトの望みを、褒美として叶えてやったのである。
 本当は、ブライトはルシードを抱きたかったのだが、二人共承諾はできず、乱れるルシードを見せるという事で落ちついた。

 尻穴に肉棒を突き入れられ、獣のように喘ぐルシードをオカズにして、ブライトはひいひい言いながら、自らの肉棒に指を這わせて自慰にふける。

「あううっルシードさまあっ」  
「はっまるでさかる犬だな、いや熊か?」
「……ジェレンスさまあっ」
「ん……」

 腹奥を容赦なく穿つ、愛する王の肉槍を肉壁でぐぶぐぶとしめつけながら、口づけをねだれば、舌を絡めて情熱的にこたえてくれる。

 ――ジェレンス、さまあっ。

 脳内に舌をからめあう唾液の音がひびき、腹奥を穿つ肉の楔に夢中になって身悶えた。
 寝台が激しく軋む。

「はあっ……んあっあふう……っ」
「はっ……ルシード、ルシード……!」
「あっああっジェレンスさまっジェレンスさまあああっ」
「ルシードさまあああっ」

 狂った男達の熱が混ざりあい、白濁が飛び散る。
 ルシードは、王と愛しあえる悦びに咽び泣いた。
 王は、力いっぱい抱きしめてくれて、愛の言葉を囁いてくれた。

 ――ああ、もっとはやく、貴方の愛に気づきたかった……!

 この幸せをいつまでも二人で分かち合いたいと、切に願って微笑んだ。
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みんなの感想(2件)

ゆき
2024.07.21 ゆき

最初から最後まで、めちゃくちゃ楽しかった!
特にブライトが好みです。こういう盛り上げ役が1番ゾクゾクします。投稿ありがとうございます。

解除
鹿の子🦌
2022.01.17 鹿の子🦌
ネタバレ含む
彩月野生
2022.01.17 彩月野生

お読み頂きありがとうございます!
大丈夫ですよ、このお話なりにハッピーエンドにさせますので、お付き合いくださると嬉しいです😄

解除

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