1 / 9
罪人ルシード
しおりを挟む
王を殺しかけた罪人ルシードは、王都周辺を彷徨い続けていた。
ルシードはもともと王の側近であり、齢は既に四十を超えていたが、歳が十も下の王に焦がれてついに媚薬を盛り、ある夜にそれが混じった酒を飲ませた。
王はすぐに異変に気づいて、ルシードに怒鳴りつけたが、椅子からくずおれて立っていられず、すかさず寝室に背負って寝台に押し倒し、衣服を脱がせた。
ルシードも衣服を脱ぐと、下半身だけを晒して、自らの尻穴を指で解す。
あらかじめ綺麗にして準備をしていたので、なんなく柔らかくなり、王にまたがり、男根をゆっくりと尻穴の肉壁でしめつけ、堪能しながら腹奥までずぶりと埋めた。
己の口から感極まった吐息がもれだし、心臓は爆ぜそうな程に脈打つ。
王の逞しい胸板に両手を押し付けて腰を淫らにふれば、尻穴にくわえこんだ肉槍が、腹奥の感じる場所を擦り上げ、じんわりと快感が熱いあそこから全身に広がった。
肉穴を穿つ王の男根の卑猥な水音と、肌がぶつかりあう乾いた音が寝室に響き、己の甘い吐息が溶け合う。
涙でにじむ視界には、王の怒りと憎しみに満ちた顔が見えた。
「陛下ああああっ」
絶頂した瞬間、ルシードは叫び、甲高い声音で喘いで射精して、脱力した。
追憶から現実に意識を戻し、寂れた宿屋の裏口の戸を叩く。
中から暗号を投げかけられ、囁きかえせば、そっと開かれる。
招き入れられたルシードは、店主に無言で金貨を与えた。
店主は中年太りがひどい酒飲みの男だが、何かと世話になっていた。
この宿屋で、ルシードは様々な男と一夜を過ごしてきたのだ。
叶わぬ王への想いを慰めるために。
酒と煙のニオイに咽て、手のひらで顔を覆いつつ、いつもの隠し部屋に向かう。
扉を開けた先に、誰かが佇んでいるのが見えて心臓が止まりかけた。
長い銀髪に切れ長の翡翠の瞳。
するどい目つきで睨みつけられ、金縛りのように身動きが取れず、冷や汗をかいて呼吸が乱れる。
この美しく気高い王の上に跨がり、腰を振り乱して痴態を晒したのだ。
羞恥と罪悪感に目眩がしてふらついた。
王は無言のまま部屋の隅から進み出てきて、胸ぐらを掴まれる。
勢いよく寝台に叩きつけられて、一瞬頭が真っ白になり、全身の痛みに呻く。
王は乱暴な足取りで近づき、両手を掴まれ、寝台に押し付けられた。
顔を見る勇気などなく、俯いていると、顎をくだかんばかりに掴まれ、無理矢理見つめさせられる。
王の翡翠の目は、怒りとも落胆とも言えぬ複雑な感情をあらわにしていた。
ルシードは息を呑み、口にするべき言葉に悩んだ。
――私は罪人だ、できるならば王の手にかけられたい。
計画を実行する時に、その願いを胸に秘めていのだが、こうして逃げてきたのは何故だろうか。
まだ生きていたいと思っていたからだろうか……理由は、王の姿をまだ見たいと願っていたからだ。
明白だ。なんて浅ましく単純な己よ。
こうして、王が己を見つけ出して傍に来てくれたら……と、どこかで祈っていた。
ルシードは軋む顎の痛みに耐えながら、声を絞り出し、王に訴える。
「陛下、申し訳ありませんでした……どうか、首を跳ねてください……!」
震える声音は子供のような涙声であり、王は呆れた様子で顎から手を放し、憤慨した。
腕を組み、憎悪に満ちた目で低い声を吐き出す。
「いいか! 貴様は王の命を狙った罪人だ! 今日からは貴様は俺の奴隷として見せしめとして仕えろ!」
その異様な言葉に、衝撃を受ける。
――奴隷、見せしめ……なんの話であろう。
ぼんやりと王の翡翠の目を見つめていると、口元を歪ませて覆いかぶさってくる。
「今から突っ込んでかき回してやろう……俺を怒らせたらどうなるか思い知るがいい!」
「……陛下」
耳元で熱く囁かれて、唾を呑む。
罪人な故に、止めてくれと懇願などできるはずもなく、意識を手放す程に、王の男根を尻穴に突き入れられ、腹奥を突き上げられた。
寝台が壊れそうな程に軋む音と、己が泣き叫ぶ声が、幻聴のように鼓膜をはげしく震わせた。
事が済み、全身が白濁まみれとなったが、どれがお互いに放った精液なのかはもはや判断はできない。
雄のニオイが部屋中に充満し、寝台の上で荒い呼吸を繰り返し、むせて指先さえ動かせなった。
王が振り返ると、冷たく言い放つ。
「外に兵士を待たせている。貴様は素っ裸で鎖で引かれるがいい」
ルシードは、王と入れ替わりに入ってきた兵士に拘束されても、声一つ上げられなった。
ただ、内心で“当然の報いである”と納得していた。
罪人ルシードは、寒空の下、裸で王都中を鎖に繋がれて引きずり回された。
途中で転ぼうがお構いなしに兵士達や馬に引きずられるので、城に着く頃には、全身擦りむけて血まみれだった。
やがて地下部屋に放り込まれると、王が再び姿をあらわし、ルシードの首を掴み上げて嗤う。
その笑みはまるで魔王のように思えた。
唇が震えて全身の感覚が麻痺している。
ルシードは、王が今度こそ己を殺すのだと期待をしたが、残酷にも、部屋の奥に備えつけられていた癒やしの水風呂に沈められ、見事に治癒されたのだった。
水から引きずりだされたルシードは、王に力なく頭を垂れて問うた。
「……なぜ、殺して下さらないのです」
見せしめならば、もう充分ではないか。
ルシードの気持ちを知ってか知らずか、王は息を吐き出して、声を張り上げた。
「俺はお前を楽にさせてやる気はない! 残りの生涯、存分に可愛がってやろう」
王の低い声に、ぞくぞくと背中が震える。
まるで天からの宣告のようにも思え、泣き笑う。
「陛下の傍にいられるなら、どんな形でも本望です」
心の底からの言葉である。
王は鼻を鳴らすと、ルシードのむき出しの胸を一蹴りし、怒鳴りつけた。
「貴様はこの先、死ぬまで国中の者から笑い者にされ、俺の道具として生きていくのだ!! 生き地獄を味わうがいい!!」
「……は、はい」
蹴られた勢いで背中から床に倒れていたルシードは、どうにか起き上がると丁寧に頭を垂れて見せた。
それは、かつて王の側近であった時に見せた、誇り高い仕草である。
裸の今は、さぞかし滑稽な姿をしているであろう。
「奴隷の証として印をつけてやろう」
腕を掴まれ、引っ張られると、王が突き出した手の先が首筋に触れて、肌を焼かれた。
「――っ!」
ルシードは絶叫して、印を受け入れたのだった。
ルシードはもともと王の側近であり、齢は既に四十を超えていたが、歳が十も下の王に焦がれてついに媚薬を盛り、ある夜にそれが混じった酒を飲ませた。
王はすぐに異変に気づいて、ルシードに怒鳴りつけたが、椅子からくずおれて立っていられず、すかさず寝室に背負って寝台に押し倒し、衣服を脱がせた。
ルシードも衣服を脱ぐと、下半身だけを晒して、自らの尻穴を指で解す。
あらかじめ綺麗にして準備をしていたので、なんなく柔らかくなり、王にまたがり、男根をゆっくりと尻穴の肉壁でしめつけ、堪能しながら腹奥までずぶりと埋めた。
己の口から感極まった吐息がもれだし、心臓は爆ぜそうな程に脈打つ。
王の逞しい胸板に両手を押し付けて腰を淫らにふれば、尻穴にくわえこんだ肉槍が、腹奥の感じる場所を擦り上げ、じんわりと快感が熱いあそこから全身に広がった。
肉穴を穿つ王の男根の卑猥な水音と、肌がぶつかりあう乾いた音が寝室に響き、己の甘い吐息が溶け合う。
涙でにじむ視界には、王の怒りと憎しみに満ちた顔が見えた。
「陛下ああああっ」
絶頂した瞬間、ルシードは叫び、甲高い声音で喘いで射精して、脱力した。
追憶から現実に意識を戻し、寂れた宿屋の裏口の戸を叩く。
中から暗号を投げかけられ、囁きかえせば、そっと開かれる。
招き入れられたルシードは、店主に無言で金貨を与えた。
店主は中年太りがひどい酒飲みの男だが、何かと世話になっていた。
この宿屋で、ルシードは様々な男と一夜を過ごしてきたのだ。
叶わぬ王への想いを慰めるために。
酒と煙のニオイに咽て、手のひらで顔を覆いつつ、いつもの隠し部屋に向かう。
扉を開けた先に、誰かが佇んでいるのが見えて心臓が止まりかけた。
長い銀髪に切れ長の翡翠の瞳。
するどい目つきで睨みつけられ、金縛りのように身動きが取れず、冷や汗をかいて呼吸が乱れる。
この美しく気高い王の上に跨がり、腰を振り乱して痴態を晒したのだ。
羞恥と罪悪感に目眩がしてふらついた。
王は無言のまま部屋の隅から進み出てきて、胸ぐらを掴まれる。
勢いよく寝台に叩きつけられて、一瞬頭が真っ白になり、全身の痛みに呻く。
王は乱暴な足取りで近づき、両手を掴まれ、寝台に押し付けられた。
顔を見る勇気などなく、俯いていると、顎をくだかんばかりに掴まれ、無理矢理見つめさせられる。
王の翡翠の目は、怒りとも落胆とも言えぬ複雑な感情をあらわにしていた。
ルシードは息を呑み、口にするべき言葉に悩んだ。
――私は罪人だ、できるならば王の手にかけられたい。
計画を実行する時に、その願いを胸に秘めていのだが、こうして逃げてきたのは何故だろうか。
まだ生きていたいと思っていたからだろうか……理由は、王の姿をまだ見たいと願っていたからだ。
明白だ。なんて浅ましく単純な己よ。
こうして、王が己を見つけ出して傍に来てくれたら……と、どこかで祈っていた。
ルシードは軋む顎の痛みに耐えながら、声を絞り出し、王に訴える。
「陛下、申し訳ありませんでした……どうか、首を跳ねてください……!」
震える声音は子供のような涙声であり、王は呆れた様子で顎から手を放し、憤慨した。
腕を組み、憎悪に満ちた目で低い声を吐き出す。
「いいか! 貴様は王の命を狙った罪人だ! 今日からは貴様は俺の奴隷として見せしめとして仕えろ!」
その異様な言葉に、衝撃を受ける。
――奴隷、見せしめ……なんの話であろう。
ぼんやりと王の翡翠の目を見つめていると、口元を歪ませて覆いかぶさってくる。
「今から突っ込んでかき回してやろう……俺を怒らせたらどうなるか思い知るがいい!」
「……陛下」
耳元で熱く囁かれて、唾を呑む。
罪人な故に、止めてくれと懇願などできるはずもなく、意識を手放す程に、王の男根を尻穴に突き入れられ、腹奥を突き上げられた。
寝台が壊れそうな程に軋む音と、己が泣き叫ぶ声が、幻聴のように鼓膜をはげしく震わせた。
事が済み、全身が白濁まみれとなったが、どれがお互いに放った精液なのかはもはや判断はできない。
雄のニオイが部屋中に充満し、寝台の上で荒い呼吸を繰り返し、むせて指先さえ動かせなった。
王が振り返ると、冷たく言い放つ。
「外に兵士を待たせている。貴様は素っ裸で鎖で引かれるがいい」
ルシードは、王と入れ替わりに入ってきた兵士に拘束されても、声一つ上げられなった。
ただ、内心で“当然の報いである”と納得していた。
罪人ルシードは、寒空の下、裸で王都中を鎖に繋がれて引きずり回された。
途中で転ぼうがお構いなしに兵士達や馬に引きずられるので、城に着く頃には、全身擦りむけて血まみれだった。
やがて地下部屋に放り込まれると、王が再び姿をあらわし、ルシードの首を掴み上げて嗤う。
その笑みはまるで魔王のように思えた。
唇が震えて全身の感覚が麻痺している。
ルシードは、王が今度こそ己を殺すのだと期待をしたが、残酷にも、部屋の奥に備えつけられていた癒やしの水風呂に沈められ、見事に治癒されたのだった。
水から引きずりだされたルシードは、王に力なく頭を垂れて問うた。
「……なぜ、殺して下さらないのです」
見せしめならば、もう充分ではないか。
ルシードの気持ちを知ってか知らずか、王は息を吐き出して、声を張り上げた。
「俺はお前を楽にさせてやる気はない! 残りの生涯、存分に可愛がってやろう」
王の低い声に、ぞくぞくと背中が震える。
まるで天からの宣告のようにも思え、泣き笑う。
「陛下の傍にいられるなら、どんな形でも本望です」
心の底からの言葉である。
王は鼻を鳴らすと、ルシードのむき出しの胸を一蹴りし、怒鳴りつけた。
「貴様はこの先、死ぬまで国中の者から笑い者にされ、俺の道具として生きていくのだ!! 生き地獄を味わうがいい!!」
「……は、はい」
蹴られた勢いで背中から床に倒れていたルシードは、どうにか起き上がると丁寧に頭を垂れて見せた。
それは、かつて王の側近であった時に見せた、誇り高い仕草である。
裸の今は、さぞかし滑稽な姿をしているであろう。
「奴隷の証として印をつけてやろう」
腕を掴まれ、引っ張られると、王が突き出した手の先が首筋に触れて、肌を焼かれた。
「――っ!」
ルシードは絶叫して、印を受け入れたのだった。
1
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
悩ましき騎士団長のひとりごと
きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。
ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。
『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。
ムーンライト様にも掲載しております。
よろしくお願いします。
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)
妖精王の双剣-愛する兄弟のために身売りした呪われは妖精王に溺愛される
大田ネクロマンサー
BL
想いを寄せる異母兄弟と再び暮らすことを夢見て、領地を切り盛りしていた辺境の領主リノール・シュトラウス。ある日、他の領地で従騎士として支えていた異母兄弟アンドリューを帰省させる。
リノールは領地の借金や因縁を精算すべく、大金と引き換えに国の招集要請に応え、アンドリューに領地を明け渡すこと決意していた。
リノールの決意も知らず、辛辣な態度で接するアンドリュー。国の招集要請が婚姻と知らされないまま、彼と破れた夢に後ろ髪を引かれながら領地を後にするリノール。
王宮で待ち構えていたのは、かつての幼馴染みで——。
次期国王、シルヴァル皇の寵愛に、シュトラウス家の「魅了」という呪い。リノールは襲いかかる試練を乗り越え、アンドリューへの想いを断ち切れるのか?
R18は※がついております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる