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こんな姿を見られたくなかった

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ダラスにソファに押し倒された。
ゼルフォン様が助けようとしてくれて駆けよって来てくれたが、ダラスは何故か余裕な笑みを浮かべている。

「ラハンを放せ、彼は私の伴侶になる者だ」
「ほう? ラハンは承諾しているのですか?」
「なんだと?」

やばい、なんか険悪な空気だ。
ゼルフォン様のこんな険しい表情初めて見たぞ!
 
「どうなんだ? ラハン」
「ひぇ?」

ダラスを見上げながらゼルフォン様について考える。
……俺が、ゼルフォン様を好きかって事だよな?

視線だけ、ゼルフォン様に向けた。 
真剣な蒼の瞳に見つめられて、心臓は早く脈打つ。

「ラハン、お前は婚姻を受け入れているのか」
「あ、えっと」

あれ、やっぱり俺、迷ってるんだ。

「ラハン」
「ゼルフォン様……」

視線をそらせない。
それどころか、目の前に来られた。
ダラスにヤられそうになってるのに、恥ずかしい。

「ラハン?」
「どうしたラハン、俺が嫌なら暴れればいいだろう?」
「あ、あ……」

首筋に吸い付かれ、敏感になった体が跳ねる。
俺は、ダラスに抱かれた時の快楽をどうしても思いだしてしまって、突き飛ばすことができない。

「ははははっ! やはり淫乱な男だ! お前には男娼の素質があるな!」

そんな気持ちを見抜かれて盛大に笑われる。
こいつ、本当にムカつくな!

「ラハン……」
「う」

ゼルフォン様むずかしい顔をしてる。
ごめんなさい。

「何か盛られたのだろう?」
「え」
「特殊な媚薬か? お前から最近花のような強い香りがしている」
「香りが?」

自分じゃ気づかなかったな。
花ってどんな……まさか。

「あの、もしかして薔薇の香り?」
「ああ、そうだ」

やっぱりそうか。
ダラスの奴……睨み付けると口の端を吊り上げた。
俺が想像している通りみたいだな。

「お前が手にいれた媚薬に手を加えたものだ」
「媚薬だと?」
「おや、心当たりがありそうですな騎士殿」
「……」

押し黙るゼルフォン様のわずかな表情の変化に気づいたか。
まあ、俺がゼルフォン様に目をつけられたきっかけだしなあ。

「私のは特別製でな、これを飲んで始めに抱かれた相手の肉体の虜になるのだ」

「は?」

そんな、馬鹿な。
いくらなんでも、そんな効能を付加できるなんてあり得ないだろ。

すり。

ダラスが頬をさすってくると、いきなり体が疼いて中心が熱くなる。
おさまったかもなんて甘い考えだった。

「すぐによくしてやる」
「ひゃ」

下着ごとずりおろされていく。
嫌なのに……ダラスから離れられない。
どうしよう。
俺、本当にダラスの体を欲してる。

「何をする!」
「痛くないようにします、安心して下さい」
「そういう話をしているのではない!」

怒り顔のゼルフォン様をダラスが嗤うのがムカつく。
ダラスが懐から小瓶を取り出すと、中身を俺の太ももにたらす。
ひやりとしてびくんと体が跳ねた。

「ん、う!」

もう見慣れたその青い液体は、性交用に使うスライムだ。
するすると尻孔に入り込んでいく。
蠢く感触がゆるく中を刺激して、自然と腰を動かしてしまう。

「あ、ああんっ♡」

妙な声が出た。恥ずかしい。

「気持ちいいか? 素直に身を預けろ」
「ん、くううんっ♡」

スライムが、俺の尻の奥を解して綺麗にしていくのが分かる。

じゅぽっと飛び出て蒸発した。
ダラスが自分の股間をまさぐって、そのイチモツを取り出すと、俺の両足を広げて尻孔に擦りつけてくる。

「あ……」

イれられる。

目を瞑ってゼルフォン様が見えないようにした。

「待て」

ゼルフォン様の声に、そっと目を開ける。
俺を覗き込む蒼い目と視線が会う。

心臓がうるさくなる。

「ぜ、ゼルフォン様?」
「このままこの男に、お前を抱かせるわけにはいかない」

強い口調なのに、どこか余裕のない表情だな。
頬を指でなぞられて背筋がぞくりと震えた。

「ならば、一緒にこの商人を可愛がってやりましょう」
「な?」

ダラスのとんでもない言葉に俺は間抜けな声を出す。
まさか、そんなことをゼルフォン様が了承するわけが。

「媚薬のせいでこやつは私の体から逃れられない、今は快楽を与えてやる事を優先しませんか」
「だ、ダラスお前」

ふざけた事言いやがって!
そう叫びたいのに、俺はすっかり欲情していて、ダラスの反り返った男根に釘付けになっていた。




                     
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