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隷属神官の快楽記録シリーズ《神に祈る聖なる夜に》
しおりを挟む蝋燭に火を灯して、水晶の前に用意した食べ物を供える。
ユーディアを守護すると言われている神が水晶に宿るとされており、今日はその誕生を祝う日なのだ。
クロヴィスと出会う前の年までは、毎年きちんと神殿で祈りを捧げていたのだが、この穢れた身では、たとえ神官としての力を取り戻していても、神殿には足を踏み入れる事は憚られた。
お供えものは何でも良かったが、神官自ら作る祝い用の焼き菓子が定番である。
まるで雪のような砂糖をまぶした甘い菓子は、表面はカリっと焼けて中身はしっとりしており、今回はうまく焼けたと満足していた。
クロヴィスに与えられた自室で祈っていたのだが、そろそろ切り上げなければならない時刻だ。
クロヴィスが帰ってくる。
城の門に迎えにいこうと考えていたが遅かった。
「何をしている」
「クロヴィス!?」
背中にかけられた声に振り返ると、今しがた帰ってきたばかりのクロヴィスが部屋の入り口で腕を組み、リアムの様子を伺っている。
視線があうとおもむろに歩みより小さな祭壇を見据えた。
「水晶?」
「うん。ユーディアの守護神様の誕生日だからお祈りを」
「それはわかるが、そんなものを供えるのか」
指さしたのは、リアムが焼いたお菓子だ。
どうやらこのようなお菓子は珍しいようで興味を示してくる。
お供えした後に食べる習慣だったのでちょうど良かった。
小皿に取り分けて向かい合わせで卓につく。
リアムは正直料理の腕に自信がない。
まず自ら口にしてみる。
「うっ」
あまりの甘さに舌が痺れたような気がした。
思わずクロヴィスの分を引っ込める。
「おい?」
「ご、ごめん」
詳しくは説明せずに下げたのが悪かったのか、眉間に皺を寄せてしまう。
さらに、立ち上がり凄まれた。
「よこせ」
「……あの」
普通にまずいから、だとか伝えれば良かったのに口が回らない。
しばし気まずい雰囲気が流れ、やがてクロヴィスが入り口に歩いて何かを手にして戻って来る。
「それは」
リアムが調理場に戻し忘れていた砂糖が入っている袋だった。
その袋の中身がリアムめがけてふりかけられる。
頭から砂糖をひっかけられて、鼻と口に入ってしまい盛大にむせた。
「ごほっげほっくしゅっ」
しまいにはくしゃみまで出てその場に膝をつく。
視界まで悪くなった。
だから、いつの間にかクロヴィスに抱き寄せられているのに気づいて驚く。
頬や首筋に口づけをされてくすぐったい。
「や、やめ」
無言で襲って来るので相当機嫌をそこねたようだ。
まさかリアム自身をお菓子がわりに食べるというつもりなのだろうか。
――砂糖、貴重なのに。
こんなことになるなら、早く戻しておくべきだった。
後悔しても仕方ない。
自分はクロヴィスの妻であり性奴隷であるのだから、従うだけだ。
胸元をはだけられ、肌を舌でなぶられる。
ねっとりとして湿っている感触に背筋が震えた。
「あ、あっ」
小さな悲鳴があがり膝まで震えだす。
ゆっくり尻餅をつくと下半身にまで顔を近づけられて、布越しに舌を這わせられた。
「ひぃい」
甲高い声が出てしまい腰が痺れる。
欲情した視線が交わった。
このままだと、いつまでも先に進んではくれないだろう。
リアムは自ら下着をずり下ろし、勃起した性器を晒すと懇願した。
「し、してください」
「いい子だ」
甘い微笑みを向けられて、心臓がいっそう高鳴り呼吸が苦しくなる。
とうとう直接口腔内に含まれ、しゃぶられ、あっというまに果てた。
「はあぁうっんっ♡ はああっ♡」
射精の余韻に浸る暇もなく、今度は唇にそそりたつ男根を押しつけられてしまう。
「うむうっ♡」
「さっさとしゃぶれ」
「ふぁ、ふあいっ♡」
素直に口に含みしゃぶり、舌を精一杯動かして奉仕する。
どんどん硬くなり膨らむのを感じた。
さらに喉奥に突っ込まれると白濁を注がれて四肢が跳ねた。
「ふほおおっ♡ ぶほおっ♡」
「全部飲めよ」
「うぅうっぶうっ♡」
ごくごくと飲み下し、胸や胃が熱くて瞳を閉じる。
「あっあっ♡ ううっ♡」
さらに尻孔に突っ込まれ、結局気絶するまで犯され泣かされた。
本当は守護神様の前で痴態を晒したくはなかった。
風呂場に連れ込まれお互いに体を洗いあう間、リアムは沈黙を貫いていた。
「不機嫌だな」
「……」
今さら神の前で敬虔な神官のふりをしても無意味だろう。
わかってはいるが、それなりに悩んでしまう。
ふいに頭を撫でられ、額に口づけをされて声をあげる。
「く、クロヴィス?」
「嫌なことは嫌だっていえ」
「え」
「菓子のことといい、お前は俺に遠慮しすぎなんだよ」
「あ……」
もっと甘えてもいいのだろうか。
「あの、得意じゃないけど……こんど、何か作るから」
もっといろんな感情をぶつけてもいいのかも知れない。
リアムはクロヴィスの頬に口づけて微笑んだ。
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