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残酷な真実と羞辱に震える

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 アロルフはルネリクスを連れて神殿に戻った。
 真新しい質素な白い布を全身に巻かれ、馬に乗るアロルフの前に座らされて、支えられながら神殿への道中を耐えた。

 神殿には何故か多数の兵士が集まっている。
 アロルフに気付いた彼らは丁寧な口調で、神殿の中へと導く。
 歩く力もないルネリクスは、またもやアロルフに担がれてずんずんと奥に連れて行かれた。

 人を物のように扱うこの男を、やはり好きになれない。

 やがて足を止めたアロルフに肩から降ろされ、ふらつく足をどうにか力を入れて倒れないようにと、壁に手をついて深い呼吸を繰り返す。

「ルネリクス!!」
「この声は……大神官様」

 大神官が兵士達に囲まれて、喉元に剣の切っ先をつきつけられている。
 長い黒髪はボサボサで、青ざめて瞳を見開き、唇を噛んで震えていた。
 ルネリクスは、隣で腕を組み、口元を吊り上げた将軍を見やる。

「いい加減覚悟を決めたか? 大神官殿?」
「な、なぜ私がこのような目に!?」

 一体何の話なのだろう。
 困惑した気持ちで二人の様子を伺う事にする。
 アロルフが大神官の目の前に進み出ると声を張り上げた。

「当然だ! 大神官殿は偽の神託をルネリクスに聞かせて、貶めようと目論んだのだからな!」
「――えっ?」

 とんでもない事を言い出したアロルフに、ルネリクスは釘付けになる。
 一体どういう意味なのだろう。
 アロルフは言葉を続けて張り上げた。

「私がルネリクスを預かると伝えた際、処刑すると言い出した時には驚きましたぞ!! 貴方は民に慕われているルネリクスを妬み、神官の資格を剥奪する為に画作したのだ!!」
「……そ、それは」
「この話の裏付けは取れているのです。観念することですな!!」
「い、いったい誰が裏切った……?」

 ぶつぶつ呟いて項垂れた大神官を見て、ルネリクスは胸が痛むのを隠せず、涙が頬を伝う。

「そ、そんな大神官様……」
「こんな奴の為に泣く必要はないぞ、ルネリクス……そいつから神官の資格を奪えお前ら!!」
「はっ!!」

 将軍の命令に兵士達が一斉に動き出す。
 数十人の兵士達が大神官に手を伸ばした。

「な、なにを」
「へへへへ」
「いいニオイすんな~」
「可愛がってやるから楽しませてくれよ!!」
「や、やめ、やあああああ!!」

 大神官の絶叫にルネリクスは呆然と立ち尽くし、声も出せなかった。

 目の前で繰り広げられる凌辱劇に打ち震えて、口元を両手で覆う。
 アロルフにやめるように伝えなければと思っているのに、どうしても言葉を発せない。

「ルネリクス、オマエの主人はこの俺だ。たっぷりと調教して身も心も犯しつくしてやる!!」
「な……!」
 
 伸ばされた手を振り払おうとしても、身体がだるくて抵抗できず、結局捕まってしまう。

 神殿から連れ出されたルネリクスは、今度は馬車に乗せられて山の麓にある町に連れていかれた。
 数時間は揺られていたのですっかり寝入ってしまい、目を覚ますとすでに屋敷の前で馬車が停められていた。

 アロルフに抱きかかえられ、馬車から降ろされると屋敷の中へと歩を進める。
 
「お帰りなさいませ! アロルフ様!」
「ああ。久しぶりだな変わりはないか?」
「はっ! 問題ございません。すぐに風呂と食事の用意を致します!」
「ああ、頼む」

 出迎えたのはこの屋敷の使用人らしい。白髪交じりの中年男性だが、衣服越しにでも分かる引き締まった肉体ときびきびした動きを見るに、昔は戦場で戦っていたと連想させた。

 風呂の準備が整うまで、広大な入り口の間のソファに座り、アロルフはルネリクスを膝の上に乗せて髪を梳いたり、唇で頬に触れたりして遊んでいる。
 
 ――この男が何を考えているのか分からない。

 こんな所に連れてきてどうするつもりなのだろう。
 力の入らない四肢を獣同然の男に預けるしかなくて、歯がみする。

 程なくして使用人が、風呂の準備が整った旨を伝えに来たので、抱えられたまま屋敷の奥へと向かって進んでいく。
 
 大浴場に驚いている暇もなく、身体を泡で包まれた後、アロルフの節くれ立つ手指でねちっこく全身を洗われた後、アロルフの部屋に連れ込まれて軽食を取らされた。
 どうせ食欲がないのだろうと決めつけていたようだ。
 確かにパンを一囓りくらいしかできなかったので、文句は言えない。
 その後、たっぷりと水分をとらされ、寝着への着替えや歯磨きなど何故かアロルフが全て面倒をみて、寝床に引きずり込まれた。

 逞しい腕の中で息をひそめていると、寝息が聞こえてきて、ふと逃げ出すなら今だと気付いたが……怠くしてしかたない肉体は温もりから離れる事などできなかった。

 翌朝、ルネリクスを待っていたのは羞辱の極みとも言える仕打ちであった。

 アロルフの故郷であるこの町は、将軍である彼は英雄扱いであり、どんな振る舞いをしようと陛下さえも目を瞑るほどの功績を残しているのだ。

 だから、町の人々は将軍のどんな行動も言葉も、絶対的に信頼している。

 大広場に集められた民衆の前に、ルネリクスは卑猥な格好で立たされた。
 背後からアロルフに胴体を腕でがっちりと拘束されている。
 ルネリクスは踊り子のような薄地の衣装を着せられており、裸体は透けて見えてて、性器も見えている状態だ。

 おまけに両方の乳首と尻孔には触手に張り付かれ、尻奥を穿たれている。
 アロルフが例の触手を斬った際に、その欠片を拾っていたようで、突っこまれたのだ。

「あ、あれはルネリクス様じゃないのか?」
「だよな!」
「聞け!! この神官は触手と交わり、淫欲に溺れた愚かな一匹の雄だ!! だが、全ては民を思い、治癒の水を作り出すための術であったのだ!!」


 アロルフは話し続ける。民衆は傾聴している様子だ。
 
「大神官により、偽の神託を受けての行為であり、純粋な気持ちからの行動なのだ!! 寛大な心を持ち許してやろうではないか!!」
「おお!!」
「アロルフ様の言う通りです!!」

 民衆はすっかり将軍の演説まがいの振る舞いに夢中だ。

「しかし!! 身体に染みこんだ快楽への渇望は生涯癒えぬ事はない!! そこで、我が身を持ってこの神官を癒やしてやると決意した!! 我がこの哀れな神官を癒やす姿を見届けよ!!」
「――ひ」

 何を言い始めたのだと驚愕に震えていると、尻孔からぐぼっと触手を引き抜かれ、入れ替わりで熱い肉棒を突き入れられた。

 ズンッ!! ズブブッ!!

「んほおぉお~っ!? おおおおお~っ♡」

 立ったままなので、つま先立ちになり、舌を突き出して喘ぎ叫ぶ。
 民衆のどよめく声が聞こえてきて四肢が羞恥に火照る。
 まだ自分にも恥ずかしさという感情が残っていた事実に戸惑った。

 ぶるんぶるん揺れるペニスを見知らぬ人達に見られている。
 口を閉じて声を止めたいのに、アロルフが腰を激しく突き上げるので、四肢ががくがく揺さぶられてしまい、甘ったるい喘ぎ声を止められない。
 髪の毛を引っ張られ、乳首をこねくり回され、尻奥を剛直で穿たれる感触に口を閉じることは叶わない。

 どぢゅっ!! ぐちゅっ!! ぢゅちゅっ!! ぢゅちゅっ!! ぐりゅっ!! ぐちゅっ!!

「おんっ♡ おんっ♡ おんっ♡ おっほおおおおおうううう~~っ♡」
「さあ!! 愚かな神官よ!! 俺のモノで存分にイけええ!!」

 ――あうん!! しょーぐんちんぽにいいい~~っ♡ かてにゃああいいいい~~っ♡」

 ドズンッ!! ドズッ!! ドズッ!!

「おっひいいいいい~~~!! いぐうっ♡ いぎましゅううう~っ♡」

 どぶっ!! どぶんっ!! どぶぶぶっ!! びゅるるるるう~~っ!!

 ほぼ同時に奥に注がれる白濁の熱さと勢いを感じながら、ルネリクスはあへあへと泣き叫びながら盛大にザーメンを飛び散らせた。

 目前の観衆の目が、欲情と侮蔑の意志に彩られているのを見つめて、胸の痛みと何ともいえない高揚感に頬を緩めた。
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