39 / 46
第3部 変人令嬢のお陰で辺境編成は大激変! 周辺に生息しているメルヘンなもふもふたちよりも可愛いがすぎる新妻に、辺境伯の偏愛が大変です!
うちのこと離さんといて
しおりを挟む……くそ……。自分で招いたとはいえ、私はなんと愚かなことをしたのだ。
「アビス様、それやったら、球根とちゃいますやろか……」
「あっ、そうそう、これだ! ほら、見て下さい、この植物図鑑にも載ってますね」
「ほんまや。デェマルカンムリスイセン言うんどすなぁ。うちはまだ見たことあらしまへん」
「春間近の雪山でよく見かけますよ。群生しているとそれは見事で」
「うわぁ、早よ会いたい」
「くすっ、マーガレット様は本当に自然がお好きなんですねぇ」
「へえ。アビス様、珍しい図鑑を見せてくらはっておおきに」
「たまたま遠縁のおじが道楽で自分で図鑑を出すほど植物が好きでして。まあ、このデェマル山脈の植物に限った事なんですけどね」
「うちが知らんかった植物が全部載っとりましたなぁ。ほんますごいお人どす」
「ふふっ、会ったこともないおじとはいえ、褒められると嬉しいものですね。よろしかったら、これはマーガレット様に進呈致します」
「ええんどすか?」
「はい、お近づきのしるしに」
「おおきに!」
それ以上近づかなくていい! いや近づくな!
喜んでいるマーガレットの手前口には出せぬが、私の怒気にいよいよアビスが気が付いたようだ。
へらっと笑い、戦意のないところを示すのはいいが、正直、私よりマーガレットと話が合っているのが、本当に腹立たしい……!
どうしてアビスがいる席にマーガレットを呼んでしまったのだ、私は!
こうなることが予想できたろうに。
「だんさん、うち、こないな素晴らし図鑑貰うてしもうた」
「よかったな、マーガレット……」
「だんさん、アビス様を紹介してくれはって、ほんまおおきに!」
き、君がそういうのなら、やぶさかではない……。
大事そうに図鑑を抱きしめる君も、可愛いな……。
「ほんならうち、お邪魔にならへんようこれで下がらせてもらいます。
アビス様ほんまにおおきに。ゆっくりしていってぉくれやす」
「お言葉に甘えさせて頂きます」
マーガレットが丁寧な仕草で礼をして部屋を後にしていった。
すかさずアビスが口を開いた。
「そう睨まないでくれよ、クリスチャン。君たちの間に水を差すつもりは……」
アビスはここからほど近い海沿いの平地を領とするオコナー男爵の第一令息。
魔物討伐の際から何かと顔をあわせることが多く、年若く性格もさっぱりとして気さくなので、貴族では数少ない心やすい友人となっている。
「それで、なんの用なんだ! 私の前で散々私の妻の関心を奪っておいて」
「うぅ……、き、厳しいなぁ。植物図鑑はたまたまおじが……」
「遠洋海峡のように広く波打ち際のように浅い縁でも遠縁と言うのだな、貴族の世界では」
「ク、クリスチャン……、これ以上いじめないでくれ。俺の立場も考えてくれよ……」
アビスが言う事には……。
西側の辺境タルカット連邦を治めるクラークネス辺境伯が、警備兵団の派遣を要請している。
これまでも何度か派遣しているが、出れば叩くという対処しかできておらず、抜本的な解決までに至っていない。
我がデコラム領の魔物鎮圧が成功したので、その力を貸して欲しいということのようだ。
クラークネス伯爵はデコラム家と違い、長い間西の辺境地を守ってきた一族。
その権威と誇りがあるにもかかわらず、兵士上がりの私に協力を仰がなくてはならないことが面白くない。
それでわざわざ仲介にアビスを立て、どうにか体裁を保ちつつ丸く収まるように話を進めたいのだろう。
しかし……、デコラム領の魔物発生要因が川の流れを変えてしまったことであるならば、タルカット連邦でも同じようなことが起こっているとも考えられる。
もしそうなら、むやみに魔物を切り捨てることも、兵士たちを疲弊させることもせずに、タルカット連邦を沈静化できるかもしれない。
だが、それには、マーガレットの力がいる……。
「クリスチャン、どうか俺の顔を立ててくれよ。これまでのよしみで」
「少し考えさせてくれ」
「ク、クリスゥ……」
「考えると言っている。そんな間抜けた声を出すな!」
「……あっ、そ、そうだった! うまい酒を持ってきたんだった、忘れてたよ!」
「はあ……。わかった、泊まっていけ。ただし、すぐに答えが出るとは思わないでくれ」
「わ、わかったよ……」
まったく、クラークネス辺境伯がそうしてくれと、ただ普通にと言ってくれれば、私もアビスも面倒なやりとりをせずにすむのだが。
まあ、それが権威社会のしがらみか。
窓の外から声がして、私は席を立った。
窓の向こうで、マーガレットが図鑑を手にリントと植物を見ていた。
ぬう……、リントのやつ、距離が近すぎるのではないか……?
「若奥様、これですよね? 本当だ図鑑に載ってますねぇ」
「デェマル山脈の植物がぎょうさん載ってるんや。こないに詳しい本は初めてや」
「へぇ~、どれどれ……」
リント……ッ!!
図鑑を開いているマーガレットにリントが顔を寄せたところで、私は一も二もなく窓を開け放っていた。
私の視線に気づいたリントが慌てて身を引いた。
「あっ、だんさん。もうお話すんだんどすか?」
「ああ、私もその図鑑とやらを見せてらおうかな」
「ほんま? うち嬉しい!」
ふっ……! これまでは仕事が忙しいせいもあってマーガレットの趣味にあまりつき合ってやることができなかったが、これからはリントに代わって私が植物採集に付き合うとしよう。
窓辺から離れてアビスを見た。
「一応聞くが、お前も来るか?」
すかさず首を横に振るアビス。
「俺のことはお構いなく。……まだ死にたくないし……」
お互いそれが賢明だな、アビス。
私も殺したくない。
今日はだんさんとぎょうさん過ごせて嬉しかったわぁ。
うちの好いとることに興味もってくれはるから、ほんま優しいなぁ……。
……だんさん。
大好きや……。
そやけど、お客はんが来とったのに、放っといてよかったんやろか……。
節々になんや考えこんどった様子やったし……。
大事な仕事のこと考えてるんやろな……。
今夜はきっとアビス様とお酒をお召しになるはずや。
邪魔にならへんうちに、お休みの挨拶しとこか。
「うちどす。入ってもええどすか?」
だんさんの部屋を訪ねたら、すでにシャツを着崩してくつろいではった。
お酒が回ってほんのり色づいてはる。
大人っぽいわぁ……。
「おくつろぎのとこ申し訳あらしまへん。お休みの挨拶だけさしてもらいに来たんやけど」
「マーガレット……。ちょうどよかった。少し話があるんだ。部屋で待っていてくれないか?」
「へえ……」
一旦部屋に戻ってしばらくすると、きちんと服を整えただんさんがうちの部屋へやってきた。
えらい顔赤いなあ。お水でも差し上げたほうがええやろか……。
水差しからコップに注いで、だんさんに手渡した。
「ありがとう……」
「それでお話ってなんどすやろか」
だんさんがしばらくじっとコップを見つめた後、うちを見た。
「アビスに……、君の力の話をしても、構わないだろうか?」
え……っ?
だ、だんさん、なに言うて……。
「実は今日アビスが来たのは――……」
……だんさんが……、言うてること、は、わかる……。
そ、そやけど、うち……。
だんさんやから、話ししよ思うたのに……。
そやのに、そない……、そない簡単に……。
……はあ、あかん……!
気ついたら、涙で、前が……。
なんも、なんも見えへん……!
「マ、マーガレット……!」
うち、つらいわ……!
思わず、部屋を飛び出した。
後ろからだんさんの声聞こえたけど、よう振り向けへん。
わき目もふらずに屋敷を飛び出して、暗い森の中に駆けこんだ。
うちの気持ち、伝わらへんのやろか……。
だんさんだけが特別言う気持ち……。
思ってるんうちだけやったんやろか……?
「マーガレット、待ちや!」
声がして振り向いたら赤はんやった。
「なんで泣いてんねん。なにがあったんや」
「赤はん……」
「こないなとき、うちは役に立てへんのや。待っとき、今黒はん呼んだるさかい」
赤はんが呼んでくれたお陰で、黒はんがすぐに来てくれた。
うちはすぐさま黒はんに抱きついて、……縋り付いてしもうた。
「ううっ、黒はん……っ」
「どないしたんや。おまえ泣かしたんは誰や。クリスチャンは何してんねん!」
「ほんましばくで! そやさかい赤はんには任せられへんねん!」
「なんや、白はん、来とったんか」
気が付くと、白はんが隣に立っていた。
うちの袖を口でつかんで、ぐいぐい引っ張ってくる……。
「今からでも遅ないから、こっち来なはれ。こないに泣かす知っとったら、是が非でもわい納得せーへんかったで」
「身勝手はよしてくれやす。マーガレットはもうクリスチャンの嫁なんや」
「だぁほが! そのチャンチャラチャンとやらはどこにおんねん! こんな可愛らしい妻放っといてどこでなにしくさってんねん!」
「ほんま口が悪おすなぁ。口悪いのんは頭悪いからやて知らんのかいな」
「言うたな、煌々と輝くこの雲をも貫く一角で、一思いに串刺しにしたろか!」
「やれるもんならやってみなはれ。その瞬間あんさん液状化やのうて蒸散しますえ!」
「そのへんにしとかんかい。本人来よったで」
「――マーガレット!」
声の方を振り向いたら、だんさんがランプ片手に走ってくるんが見えた。
白はんを見て驚いてはる……。
「ま、まさか……、ユ、ユニコーン……!」
「チントンシャンに呼び捨てされる覚えあらへんわ! マーガレット泣かすてなにしてくれてんねん!
返答によっては今すぐわいの白角がチンチロリンの血で真っ赤に染まることになるで。よう覚悟決めてから答えんかい!」
白はんがだんさんに向かってドスドスて蹄を鳴らしてる。怖い顔して耳後ろにぴったり伏せてはった。
あかん、えらい怒ってはる……。
だんさん……。
うちのこと心配そうな顔してこと見てはる。
「……マーガレット……。すまなかった……。君をこんなに悲しませるなんて思わなかったんだ……」
「このスカポンタンのキンコンカンがぁ! 何しよったんじゃあ!」
「やかましぃてかなわんなぁ、黙らな溶かしますえ!」
「白はん、赤はん、話し聞こうや。ためにならんで」
だんさん……。
まだ、うちのこと大事思うてくれるんやろか……。
「話をしたいんだ……。そっちへ行ってもいいだろうか……?」
うちかて、そばに行きたい……。
だんさんのそばにおりたいんや……。
「……うちは……。うちはだんさんやから話しましたんや……」
「……ああ」
「だんさんやったら他の誰にも話さへん思うたさかい……。約束守ってくれる思うたさかい……」
「マーガレット……」
「だんさんがこのこと、誰かに話してしもうたら、うち、もうここにはいられまへんのや」
「えっ……!?」
「せや。わしら、そういう約束やねん」
驚いて目を見張るだんさんに、黒はんが続きを話してくれた。
「約束したんは、わしの森でマーガレット助けたときや。わしらんことは、誰にも話さへん。話してもうたら、こっちの世界に来てもらうで言うてな」
「そやから、うち、ここへ嫁ぐことなって、だんさんのこといっちゃん好きやさかい、みんなに聞いたんや。
だんさんにだけは知って欲しいから、話してええかて……。ほんで……」
「ほんでそれも知らんと、このアンポンタンのコンコンチキが喋りくさったんかいな! 串刺しや!」
「ちょい待ちや。クリスチャン、もう誰ぞ話してもうたんか?
あんさん、ちゃんと約束守うてくれたさかい、串刺し言うんはちょい可哀想思うわ」
「いや、ついさっき話してもいいかとマーガレットに尋ねたところで……。
……そうだったのか。
マーガレット、すまなかった……。
知らなかったこととはいえ、君をこんなに動揺させて傷つけてしまった……。
私を許してほしい……」
「今さら何言うとんねん、このトンチンカンのピンポンパンがぁ!」
「ほんまやかましぃな! トンチンカンはあんさんやで! 愚弄してるつもりかも知らへんけど、言うてること半分違うとりますえ!」
「はあぁ? なんやてぇ!? どれが間違うてるんや、言うてみい!」
「ああしんど! あほに言うたかて意味ないわ!」
「あほ言うほうがあほや言うこと知らんのか! このどあほ!」
「あんさんみたいなんを、セッセッセのヨイヨイヨイ言うんや!」
「ばっ……! ばかにしくさってからに! 今日こそは許さんでぇ!」
「うわ、意味わかってへん。ほんま正真正銘のあほや!」
――ぶふっ! て、噴き出す声が聞こえた思うたら、だんさんが顔背けて肩震わしてはる……。
あ、あかん……。うちも何言おうとしとったんか忘れてしもうた……。
と、とりあえず、白はん大人しゅう宥めとこか……。
「白はん……、うちのためにそない言うてくれはっておおきにな。お陰で、うち涙止まったわ」
「そ、そうか……。ほんなら、まあ、ええわ……!」
白はんがうちに顔を頬をすりすりとこすりつけてきた。こないして大人しゅうしてたら、白はんも可愛らしゅうおますのになぁ。
白はんの鼻筋をなでなでしていたら、黒はんが話を戻してくれはった。
「とにかく、まだ話してへん言うことやったし、今回はええんちゃう? クリスチャンも大事や思うから、こうしてマーガレットんこと追いかけて来たんやろ?」
「ああ。……マーガレット、黒はん、それに赤はん、白はん。理由も知らずに勝手なことを言ってしまってすまなかった。
私はこの秘密を守っていくと誓う。だから、マーガレットを連れて行かないでくれ。
マーガレット、君がいない人生なんて、私にはもう考えられないんだ。
君の信頼を取り戻せるなら、どんなことだってする。だからどうか、私を許してもらえないだろうか?」
だんさん……!
うちもや……!
駆けだして、だんさんの腕の中に飛び込んだ。
温ったかい、だんさんの手、大好きや……!
だんさんがすかさず、ぎゅう、してくれはった……。
うち……、うち、だんさんが大好きや!
「なんでデコラム家やねん。わいんとこかてクラークネス家言うんがあるんやで。わいが先マーガレットを欲しい言うたやんか」
「そらよう話おうて全員納得済みやろ。二人見てみ。蒸し返すなんて野暮やで。白はんも赤はんも、もう言いっこなしや」
「……マーガレット不幸にしたら、一族もろとも滅ぼしたるさかい、覚悟しとき」
「うちのなわばりに手出したら許しまへんえ。
ユニコーンの処女好きは、ほんま気色悪うてかなわんわ。このご時世や言うんに、思考が完全にオッサンや。
ああくさいくさい」
「はあ!? わいのどこが臭いんや? いつでも全身おしゃれなフローラルの香りやで!」
――ぶはっ! て、だんさんがまた肩震わしとる。
なんや、だんさんが笑ろうてると、うちも明るい気分になる……。
心、軽うなる気ぃするなぁ……。
「……帰ってもしばらく思い出し笑いしそうだ」
「なんでチョンチョロリンは笑うとるんや。
せやけど、事あるごとにほんま思い出さなあかんで。わいらとの約束は絶対なんやで」
「そんこと関してはうちも同意見や。約束言うんは必ず守らなあかん。それが《信頼》や」
「せやで。《信頼》は違えたらあかんもんや。せやけど《信頼》さえあったら、種が違うてもわしらとマーガレットみたいに心と心で繋がれるんや。クリスチャンとマーガレットもそうならなあかんいうこっちゃ」
黒はん……。そやな、うち、だんさんのこと心から《信頼》する。
そう決めた。
だんさんが、真剣な目して、うちの手を取らはった。
「君が駆け出して行ってしまったとき、本当にショックだった。君を失うかと思うと辛くて、胸が苦しくてたまらなかった。
今度何かあったときには、ためらわず私に話してほしい。どんなことも、一緒に解決しよう。
私は君と、君との約束を生涯守り続けるから」
「へえ……、うちもだんさんのこと、ずっとずっと信じる。ずっとずっと、そばにおる」
「……ああ……! 一緒に帰ろう……」
「へえ、うち帰る。もう絶対、うちのことを離さんといて」
「……ああ!」
だんさんが、優しゅう、ぎゅうぅて、抱きしめてくれはった。
嬉しい……。ほんま嬉しい……!
言葉と言葉で確かめて、心と心で繋がるて、ほんま泣きたいくらい嬉しいわぁ……!
* お知らせ * こちらも公開中! ぜひお楽しみください!
10
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
もふもふ令嬢マーガレットと偏愛辺境伯クリスチャンの後日譚 part2 Please eat me
丹斗大巴
恋愛
ご令嬢はいつでもシリーズ第3部 特別篇SS- part2
(本作は本編からお読みいただくことをお勧めします)
** ** ** ** ** ** ** ** **
もふもふ令嬢マーガレットと偏愛辺境伯クリスチャンの後日譚 です。少し成長した歳の差カップルのほのぼの&きゅんなラブストーリー。
▶本編はこちら
【ご令嬢はいつでも笑みを心に太陽を】変人令嬢のお陰で辺境編成は大激変! もふもふよりメルヘンな新妻に辺境伯の偏愛が大変です!
novel/114456200/131868244/episode/8419854 @アルファポリス
** ** ** ** ** ** ** ** **
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ヤンデレ悪役令嬢の前世は喪女でした。反省して婚約者へのストーキングを止めたら何故か向こうから近寄ってきます。
砂礫レキ
恋愛
伯爵令嬢リコリスは嫌われていると知りながら婚約者であるルシウスに常日頃からしつこく付き纏っていた。
ある日我慢の限界が来たルシウスに突き飛ばされリコリスは後頭部を強打する。
その結果自分の前世が20代後半喪女の乙女ゲーマーだったことと、
この世界が女性向け恋愛ゲーム『花ざかりスクールライフ』に酷似していることに気づく。
顔がほぼ見えない長い髪、血走った赤い目と青紫の唇で婚約者に執着する黒衣の悪役令嬢。
前世の記憶が戻ったことで自らのストーカー行為を反省した彼女は婚約解消と不気味過ぎる外見のイメージチェンジを決心するが……?
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
余命わずかな私は家族にとって邪魔なので死を選びますが、どうか気にしないでくださいね?
日々埋没。
恋愛
昔から病弱だった侯爵令嬢のカミラは、そのせいで婚約者からは婚約破棄をされ、世継ぎどころか貴族の長女として何の義務も果たせない自分は役立たずだと思い悩んでいた。
しかし寝たきり生活を送るカミラが出来ることといえば、家の恥である彼女を疎んでいるであろう家族のために自らの死を願うことだった。
そんなある日願いが通じたのか、突然の熱病で静かに息を引き取ったカミラ。
彼女の意識が途切れる最後の瞬間、これで残された家族は皆喜んでくれるだろう……と思いきや、ある男性のおかげでカミラに新たな人生が始まり――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる