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第1部 婚約破棄&処刑されて転生しましたけれど、家族と再会し仲間もできて今はとっても幸せです

ラルフの来訪(ラルフ視点)

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 ――セントライト王国、王宮、王の寝室には、影がふたつ。



「わしはもう長くない……。ラルフ、これが最後の願いと思って聞いてほしい」

「なんなりと、父上……」

「メゾシニシスタ王国の新五大伯爵家の話を聞き及んでいよう」

「はい。サーフォネス伯爵は、今はプレモロジータを名乗り、渡った先で迎えた養女に『誓い』の光を保持させることに成功したとか」

「はい……」

「しかも、その娘が他の四家に『誓い』の言葉を授け、それぞれに聖なる光を宿したとか」

「そのようです……」

「行ってその目で確かめてくるのだ。ラルフ、この国を救う手立てはもはや、その娘しかおるまい」

「し、しかし……」

「行くのだ! わしが潰えたとき、この国も潰える。わしの命があるうちに、この国になんとしても『誓い』の光を取り戻すのだ」

「は……!」



 ***



 国境を超えた。

 メゾシニシスタ国領に入ったとたん、――なんだ……?

 まるで、空気が違う……。

 豊かな実り、澄んだ空、心を癒すせせらぎ、胸を洗う風……!

 以前来たときよりも、遥かに穏やかな気配に満ち満ちている。

 驚きを癒せぬままに着いた王都。

 正直、目を見張った。

 かつてとは比べ物にならないほどに豊かになった人々の暮らし。

 まるで、我が国の全盛期を見ているようだ。

 その晩開かれた夜会の様。

 在りし日我が国の興隆を彷彿とさせる華々しさ……。



「お待ち申し上げておりました、ラルフ・アブソルート皇子殿下」

「プレモロジータ伯は来ているか?」

「はい、あちらにございます」



 ――ああ、あれは確かに!

 懐かしい顔ぶれ! ああ、伯爵と夫人の笑い顔。

 年へ経ても、昔と変わっていない!

 見ているだけで、心が和らぐ。

 あの人を包みこむ温かな微笑み……。

 まるで、吸い寄せられるように足が向いていた。



 一家の全貌が視界に映し出されたとき、私の足はびたりと止まった。

 ――ミ、ミラ……?

 孤児の娘を養女にしたと聞いていた。

 髪の色からして容姿は全く異なった。

 それなのに、かつて手にかけたあの女性がひらめきのように脳裏に浮かんでいた。

 あの、声……。

 あの、笑い顔……。

 あの、身のこなし……。



「ミラ……!」



 思わず呼びかけていた。

 その瞬間、彼女の表情が一変した。

 顔色を失い、まるで崩れるように震えて、両側の令嬢たちに抱かれた。

 ミ、ミラ……、まさか、ミラなのか……!?

 い、いや、ばかな……!

 私はなにを血迷っている。

 ミラは死んだ。

 私が、この手で……!

 あの娘は、この地で生まれ国を出たこともない孤児の少女。

 例え雰囲気が似ていようとミラのはずがないのだ。

 私はどうかしたのか……。



「久しぶりだな、サーフォネス伯いや、今はプレモロジータ伯であるな」



 そう声をかけた途端、ばっとその場にいた全員が私を射抜いた。

 ぞっ、と背筋を貫く。

 全方位からの……、これは、敵意。

 決して歓迎はされぬとわかっていたはずなのに、うかつに近づき過ぎたか。

 まるで少女をかばう様に何人もが立ちはだかり、姿が隠された。

 プレモロジータ伯がすっと前に来た。



「これは、ラルフ殿下、御無沙汰しております……」

「ああ、久しいな。息災であったか」

「ええ。殿下も息災でなによりです」

「……息災なものか……。我が国の窮地は貴殿も知っていよう」



 プレモロジータ伯はちらっと後ろを振り返った。

 娘のことが気になるらしい。

 早く話を切り上げたい雰囲気が滲んでいる。

 だが、ここで糸口をつかんでおかねば、これ以上敬遠……いや警戒か。されては少女に近づくことができない。

 私は焦った。



「新天地で新しい家族を迎えたそうだな。私にも紹介してくれぬか」

「申し訳ありませんが……」



 そのとき、ドンッと背中を強くはじかれた。

 誰かが私の背後から抜き去り、素早く人の壁の中に入っていった。



「ミラ! 大丈夫か!? いいから、俺が運ぶ!」



 濃茶の髪の青年が、ミラと呼ばれた少女を抱き上げ、あっという間に連れ去っていった。

 あれは……、ヴァレンティーノ皇子。

 皇子がプレモロジータ家の黒バラに執心しているというのは本当だったか。

 これでは交渉はますます困難になる。しかし、我が国にためらっている余裕はない。

 気が付くと、プレモロジータ伯の隣にヒューが立っていた。



「ヒュー……。久しいな」

「どの面下げて挨拶に来たんですか?」

「……」

「ここにあなたを歓迎する者はひとりもいませんよ。行きましょう、父上」

「失礼します、殿下」



 あっという間に人の波が引いていく。

 ぽっかりと空いたなにもない空間にひとり取り残された……。

 明るく華やかな大広間に、私はただひとり……。

 これが、私の、我が国の受ける対応であるか……。

 ……堪えるな……。

 いや、うつむくな……。

 私には、やらねばならないことがある。




***



 く、苦しい……っ!

 息が、息ができない……!

 体中が冷たい。

 手が氷のように冷え切って、あのときのようにがくがくと震える。

 爪が食い込んで、赤い色が皮膚の上に浮かんだ。

 ああ、まるで、同じ色……。

 怖い、怖い……!

 お願い、誰か、私をここから、連れ出して……!



「ミラ! 大丈夫か!? いいから、俺が運ぶ!」



 ヴァレンティーノ様……!

 その腕が私を抱き上げたとき、ようやく息ができた……。

 風のように流れていく人の波。

 恐怖と苦痛で判断できない頭の中に、声だけが響く。



「ミラ、しっかりしろよ! 今すぐ医者を呼ぶ! しっかりしろ!」



 連れていかれた部屋でカウチに寝かされた。

 ヴァレンティーノ様がずっと傍らで手を握ってくれているのがわかった。

 でも震えが止まらない。

 視界が定まらない。

 医師が私を診察しながらあれこれしているのはわかる。

 でも、わからない。

 ヴァレンティーノ様の声しか判断できない。



「しっかりしろ、ミラ! 俺を見ろ! 俺を見るんだ!」



 ヴァレンティーノ様と天井がみえる。

 ぶるぶると体中が震えて、視界がグラグラ歪んでいる。



「息を吸え! 息を吸うんだ、ミラ!」



 息、息……。

 息ってどうやって吸うんだっけ……。

 苦しいのに、体が全然いうことを聞かない。

 息の吸い方が、わからない。

 その瞬間、がはっと何かが私を覆った。

 唇に温かいものが触れ、空気が押し込まれてくる。

 息、息……。

 ああ、これが、息……!



「はあっ……!」

「よし! 呼吸が戻った!」



 震えはまだ収まらない。

 だけど、息はできる……!

 私は揺れる視界の中、人影を数えた。

 ヴァレンティーノ様……、アルベルティーナ……、ジュスティーナ……。

 バルトロメーオ……、カロージェロ……。

 お父様……、お兄様……、お姉様……。



「お……、お母様……わ、私……い、生きて、いる……の……?」

「生きてるわ! 生きているのよ、ミラ!」



 お母様が涙を流しながら、私の頬を両手で包んだ。

 あ、温かい……!

 その瞬間、氷が溶けだしたみたいに、涙が流れた。

 ――ああ……っ!

 生きてる……!

 私、生きている!

 震えが治まるで、お母様がずっと抱きしめてくださった。

 ああ、お母様……。

 今、改めてわかる。

 私に命をくださったお母様。

 命のつながり、血の温かさ、確かな手の平の感触。

 言葉にならないほどの深遠な絆。

 なんてありがたいの……。

 呼吸と体温がいつものように安定してくると、周りの声に耳を傾ける余裕が出てきた。

 ヴァレンティーノ様が必死な顔つきで見渡している。



「一体なにが!? ミラはあいつを見た途端に苦しみ出しように見えた」

「それは……」

「ミラは生きているのかと聞いた。それはつまり、死ぬかもしれないと思ったということではないのか?」

「……」

「黙っていないで教えてくれ! ミラが死にかけたんだぞ!」



 ヴァレンティーノ様……。

 アルベルティーナとジュスティーナが私の額の脂汗を拭いてくれていた。

 ふたりの手を借りて、ゆっくりと起き上がる。



「ミラ……! 大丈夫なのか!?」

「ヴァレンティーノ様……」

「ミラ、なにも心配するな。隣国の皇子だろうと、もはや風前の灯火の弱小国だ。あいつは俺が始末してやる!」

「ヴァレンティーノ様、落ち着いて……」

「あいつがミラになにをしたのか知らないが、ミラを苦しめる奴を野放しにしてたまるか!」

「聞いて……、ヴァレンティーノ様……」



 ラルフ様を見て、どうしてああなったのか。

 それを説明する手立ては他にない……。

 覚悟を決めて、前世の記憶があることを打ち明けた。



「な、なんだと……。ラルフ皇子がミラを……!?」



 困惑したまま黙り込んでしまった。

 しばらくして、ヴァレンティーノ様がなにもいわずに私を抱きしめた。



「ヴァレンティーノ様……」

「……ミラ、よくぞ蘇ってくれた。君は俺と出会うために、生まれ変わってきたんだ……」



 ヴァレンティーノ様……。
 
 その体温、重さや厚さ。吐息の湿度や熱さ。腕と胸からなる抱擁の強さ……。

 この方、こんな人だったの……。

 なぜか、初めてヴァレンティーノ様という人を知ったような気がする……。



「もう心配するな。君のことは俺が必ず守ってみせる」



 その言葉が……。不思議と私の体に染み渡っていく……。

 あの日の恐怖が、今溶け始めていく……。



「ヴァレンティーノ様……!」



 思いが溢れた。

 あの日、どれほど祈っても届かないとわかった絶望。

 受け入れるしかない、死という現実。

 今、ようやく手放せる時が来た……。

 声を上げて泣いた……。家族以外の男性の体にしがみついて。

 ここならば安全、この人ならば受け止めてくれる。

 理解じゃなくて本能でわかった……。

 声が枯れ果てるのと同時に、気が付くと感情も枯れ果てていた……。

 泣き疲れるなんて、子どもの時ですらなかったのに。

 ヴァレンティーノ様の腕の中で安心しきって眠り込んでしまった……。



***



 その翌日から、ヴァレンティーノ様は欠かさずユニコーン邸に顔を出してくれた。



「もうすっかり顔色を取り戻したみたいだな」

「ええ、おかげさまで」

「昨日送ったチョコレートは食べたか?」

「いただきました」

「どれが好きだった?」

「ミルクのつぶつぶの表面の」

「あれか! 次はあれを一ダース買って来よう!」

「まだたくさん残っていますから……。それに、国庫は……」

「わかっている、無駄遣いはしていない。俺のポケットマネーだ」



 それだって国庫からの捻出なんですけれど。

 でも、ありがたくちょうだいします……。

 今は心の回復に、少し余分に甘いものを頼りたい気分なので……。



「お、怒っているか……?」

「え? なんのことでございますか?」

「あの時……、く、口移ししたのを」



 口移し……? あ、息ができなかったときの……。ああ、空気の口移し。

 ヴァレンティーノ様がじっと慎重な目をして私の返事を待っていた。

 いつもの顔ぶれの中から、アルベルティーナがちょっぴり、うっとりとした声音。



「あれには驚きましたわ!  まあ、それなりに内々だけということで、なんとかことは収まりましたけれど。本当なら私とジュスティーナの張り手をくらわしているところですわね」

「けれど既成事実となってしまったからには、ミラ、残念だけれど覚悟するしかないわ」

「残念とはなんだ!  ふたりとも最近とみに遠慮がないぞ!」



 ふふっ……。いつもの光景にホッとする。

 あの日を境に私には心境には変化があった。

 今までは家族が第一で、大切な友人がいて、それこそが人生の拠り所だと思ってきた。

 けれど……。

 ああして両腕で抱き留めて、強い気持ちで守るといってくれる男性がそばにいてくれることって、なんだかとっても素敵なことに思えたの……。



「ヴァレンティーノ様」

「うむ……」

「今回は大変助けていただきましたわ。私もいつかヴァレンティーノ様がお困りのときにはきっとお役に立ちたいと存じます」

「そ、そうか……!」



 ヴァレンティーノ様がのホッとした顔つき。

 バルトロメーオがその後ろでぼそっとつぶやいた。



「ヴァレンティーノ様は本当に顔に出ないんだよなぁ」

「うん、代わりに耳が真っ赤だけどね」

「お、おいっ、そこのふたり、うるさいぞ!」



 あら……、本当に……。

 ひょっとして、今までもそうだったのかしら……?



「ミラ、少しふたりで歩かないか」

「はい」

「ミラはまだ全快しておりませんわ」

「私たちがついて行きます」

「アルベルティーナ、ジュスティーナ、少しだけふたりにして差し上げろよ」

「そうだよ……、ヴァレンティーノ様だって無理に歩かせたりしないよ」

「それじゃあ……」

「……仕方ありませんわね」



 ヴァレンティーノ様と歩くユニコーン邸の庭。



「ご覧ください。秋のバラの一番乗りですわ。きれいに咲いています……」

「ミラのほうが百倍きれいだ」

「あら……」

「……あれから考えてみた。一度目の人生を終えて、二度目の人生を生きるというのはどんな気持ちなのかと……。

 正直、俺にはわからなかった。きっと、経験してないことを想像するのが俺は苦手なんだ。

 だがミラを失うかもしれないと思ったことは、俺の中に色濃く強く刻まれた。だから、これから先の未来、ミラの側には絶対に俺がいようと心に決めた。

 いつか必ず、ミラの『誓い』を正々堂々と受け取れる王に俺はなる。

 それまで、待っていてくれるだろうか?」



 ……なんてまっすぐな……真剣な瞳。

 心臓が今目覚めたみたいに、コトコト動き出した……。

 どうしてかしら。

 今、とてもヴァレンティーノ様の側に行きたい。

 今この胸にある素直な気持ちで……。

 この一歩を、踏み出してみたい。



「ええ、待っています……」

「ほ、本当か……!?」



 かっと、ヴァレンティーノ様の耳が染まった。

 まあ……、なんて素直な方。



「……キ……」

「……え?」

「き……、きす……し……い………」

「え……?」

「……キスしてもいいかっ!?」



 あ、あら……!

 今度は顔まで真っ赤に……。

 本当になんて素直な方なの。

 なんだか、胸に、きゅんと来ましたわ……。

 ここは、私も……。

 心から、素直になってみたいですわ……。



「はい」



 そう答えると、ヴァレンティーノ様がとても優しくわたしに触れて。

 次の瞬間、とても優しい感触が唇に振ってきた……。



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