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第1部 婚約破棄&処刑されて転生しましたけれど、家族と再会し仲間もできて今はとっても幸せです

明日の来る家(4)

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「さあ、話はここまでだ! 今夜は盛大にお祝いしよう!」

「父上、折角ですから今までで一番出来のいいの八年物のワインを開けませんか?」

「先月仕込んだハムを、使用人たちにも一切れずつ振舞いましょう! 

 幸せはみなで分け合うとそれ以上の喜びになるものですもの!」

「それなら私パンを焼きたいですわ! この前ダーチャさんに習ったから、一度自分でやってみたくて」

「あらまあ、あなたはもう使用人じゃないのよ? それに、使用人をさんづけで呼んではいけないわ」

「あの、だから今夜だけ……。いけませんか? お父様とお母様とお兄様に食べて欲しくて……」

「でもねぇ……」

「ニーナ、いいじゃないか。ミラの手作りのパンなら、私は食べてみたいよ」

「そうですよ、母上。かっちかちの石みたいなパンが出てきたら、金槌の代わりになりますし。北側の柵の修理にちょうどいい」

「くすっ、酷いのね、お兄様……! お兄様のだけわざと失敗してしまおうかしら」

「ははっ! いいとも。形はこうで、大きさはこのくらいだぞ?」

「くすっ! もうっ、本当に意地悪~!」 



 幸いにも金槌の形に作ったパンは、ふっくら上手に焼けた。

 もちろん、ダーチャさんが快く手を貸してくれたから。

 この夜は本当に夢のような宴だった。

 今まで見てきた記憶の中で、どんな煌びやかな宮殿も、どんなに豪華な食事も、どんなに華やかな演奏も、敵わない。

 愛と真心と思いやりに満ちたプレモロジータ伯爵邸。ここが私の家。

 眠りにつくとき、胸には『誓い』を唱えたときのようなぬくもりが、ずっと留まっていた。

 神様に心からの感謝を……。

 これが、私の第二の人生。

 ここで家族と共に助け合って一生懸命生きていきます。

 神様に頂いたこの命、この幸せを大切にします。

 ああ、明日が来るのが楽しみ……!

 子どもみたいにワクワクして。

 ああ、今夜は眠れるかしら?


* お知らせ * こちらも公開中! ぜひお楽しみください!#
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