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第二章 天使時間の歯車
2-13 黒い魔法
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「黒魔法?」
俺は馴染みのない言葉に耳を傾ける。
「うん……、あまり教えたくはない概念の魔法なんだけれどね。なんなら君以外のあの子たちにも教えてはいない」
立花は苦しそうに呟いた。
「……あいつらにも隠している魔法とか、俺に教えてもいいんですか?……というか、そこまでして俺に教える必要とかあります?」
「うーん。どうなんだろうね。僕はここまで行ってはいるけれど、実際に君に使ってもらいたいかどうかで言えば、確実に使ってもらいたくはない」
なんか、やばそうな雰囲気を感じる。立花がここまで言うということは、相当なものだと想像できるからだ。
「……そんなにヤバいんですか。その、黒魔法とかいうやつ」
「ああ、ヤバいよ。超やばい。世界が終わる可能性もあるかもしれないからね」
「──え」
俺は冗談のような言葉に疑問を抱くことしかできなかった。
「冗談だと思っているかもしれないけれど、これに関しては真実だ。教えたくないというのは、世界の改変性を持っているということもあるけれども、それ以上に捧げる代償が重すぎるから、本当に教えたくはない」
「……代償?」
「そう、代償」
立花は言葉を続ける。
「普通の魔法であるなら、当たり前だけれども血液を代償に捧げて非現実的事象を発動する。それは概念に触れる魔法使いの血液だからこそ、という話をしたのは覚えているかい?」
確かにそんな話を前に聞いたことがあるような気がする。
魔法使いの血液には、巻き戻る概念がいつだって作用している。だからこそ、その概念が非現実的事象を起こすことができるのだと、あの時立花は語っていた。
「でもね、黒魔法は違うんだよ。非現実的事象を行う上では概念に触れるようなものを使わなければいけない。だからこそ、概念に触れる性質のあるものを代償に捧げるんだ。
ここまで言えば、環くんにもわかるかな?」
「……いえ、全く」
想像も及ばない。どうでもいいという感情が先ほどからわだかまってはいるけれど、それでも適切な考えをしたうえで、きちんとわからない。
「それじゃあ、結論を言おうか」
立花は、また躊躇うようにため息を吐きながら、そうして言葉を紡いだ。
「──黒魔法に捧げる代償は、『精神』だよ」
◇
「非現実的事象を発動する上で、代償となるものには概念性のあるものに限られる。でも、その代償となるものはあまりにも現実には少ない。そもそも魔法使いしか魔法が使えない時点で察することはできるだろうけれども」
「まあ、はい」
俺は適当にうなずいた。
「前、君には魔法使いでなければ魔法が使えない、よっぽどの奇跡でもなければ、とは言ったけれども、その奇跡の答えは、この黒魔法だ。それがなぜだかわかるかな」
「……人間にも、精神は存在するから?」
「まさにその通りだ」
立花は言葉を続ける。
いつもだったら、魔法についてのことを話すときは嬉しそうにしているのに、今日に関しては特に大きなリアクションを取ることはなく、いたって真剣に話し続けている。
「人間にも精神は存在する。というか、あらゆるものには精神が宿ると言われている。日本の文化で表すならば『付喪神』と言われるようなものだね。でも、実際、そういった精神やら魂というのは人間と比べてあまりにも希薄すぎるが故に、代償には向かないだろう。
でも、人間の精神は違う。ただでさえ意志を明確に孕んでいて、そうして言葉で意志を示すことができる。そんなあからさまな精神をもつ人間だからこそ、意志的な生物であるからこそ、人間であろうとも黒魔法は発動できるんだ」
「……はあ、なるほど」
言っている意味がわかるような、わからないような。
「そもそも黒魔法というものは魔法使いの上でも禁忌の禁忌とされている。なぜかといえば、先ほど言った通りに世界を改変してしまう可能性さえ孕んでいるからだ。
魔法使いの血液の概念は巻き戻る性質、というだけにとどまるからこそ、そこそこに現実を上書きする魔法しか発動できない。
だが、精神についてはどうだ。そもそも概念的なものでしか存在しないものが代償であるからこそ、現実世界に対しての上書きの規模はあまりに違う。やりたいことがやれるようになるほどに、あり得ないレベルに世界を上書きする。それが、黒魔法だよ」
「……なんというか、本当にレベルが違うんですね」
そういうしかない。そもそもそこまで理解を示すことができないのだから仕方がない。
「……確かに、そこまで聞けばその魔法を使うのが危険なのはわかりますけれど、別にそれだけなのでは?
例えば誰かがその黒魔法とやらを使ったとして、またほかの誰かが修正するように黒魔法を使えば……」
「そんな簡単な風にはいかないんだよ。そもそも、代償が重すぎるから、世界を修正するために犠牲になる魔法使いなんていやしないさ」
……そこまで重い代償なのだろうか。
「君、そこまで代償が重くなさそうだとか思考したろ」
「うっす」
「……なんて例えればいいのかな。
そもそも精神なんて物を犠牲にするうえで、その人の人格は半分ほど削られて、使った当人に関しては廃人みたいになりえてしまうのが黒魔法なんだ。
魔法使いの場合はいくら血を出したところで貧血になるくらい、更に血を出してようやく死ぬくらいだけれども、精神を代償にする魔法に関して言えば『生きながら死ぬ』と言えるようなものだ。なんせ、人格が破綻してるだけで、身体は健在だからね」
「……つまり、精神を犠牲にするとイカれるってことですか?」
「端的に言えばそう。別に捧げる精神を調整すればいいだろうって思うかもしれないけれど、そんな簡単に調整できるものでもない。
例えば電子マネーとかクレジットカードとかで想像してみな。現金だったら、どれくらい所持しているかを把握することはできるけれど、そういった仮想的通貨を使うときは、使うまではどこまで使っているかわからないようなものだろう?精神なんて目にも見えないし、他人に客観視されて初めてわかるようなものだから、代償にする大きさとしても調整することはできないんだよ」
「……はあ」
……言いたいことは分かるけれども、そこまで言われれば使いたいという気持ちにはなりえない。俺でさえそうなのだから、アイツだってそうなるに決まっているだろう。
「それなら俺は使わないですよ。そこまでして生きていても仕方がないじゃないですか」
「うん、そうだろうね。でも、なんで君にだけ教えたのか、と言えばきちんと理由はある。
そもそもこの黒魔法は禁忌的な禁忌だからこそ、魔法使いの間であっても使い方を知らないのが大半ではある。だが、稀に奇跡で発動する人間もいるという。それで何度か世界も改変されたことがあると聞いたことがある。だから、もしかしたら元人間である君には黒魔法を使う適正なるものがあるのかもしれないって、そう思ったんだ」
……そうだろうか。
「……というか、そもそもそんな秘匿にされている魔法なのに、たかが一般人が発動できるんですか?」
「うーん。そこは僕も疑わしいところではあるよ。実際にその現場を目撃したことはないけれど、言い伝えられてはいる。言い伝えが嘘という可能性も十二分にあるけれど、僕の世代にまでそれが語られるということはある種の信ぴょう性があると思った方がいい」
「……なるほど?」
昔話に起源が存在するような話なんだろう。知らないけど。
「後は、何より君のその左手の紋章が一番の理由だ」
「紋章?」
俺はそうして左手にある紋章を見た。黒色の、刺す又みたいな形をした象徴。
「君の紋章は、前も言った通りほかの魔法使いとは異なって黒色だ。その黒色は、もしかしたら黒魔法の適性を証明するようなものではないかって、僕はそう思っているんだ」
俺は馴染みのない言葉に耳を傾ける。
「うん……、あまり教えたくはない概念の魔法なんだけれどね。なんなら君以外のあの子たちにも教えてはいない」
立花は苦しそうに呟いた。
「……あいつらにも隠している魔法とか、俺に教えてもいいんですか?……というか、そこまでして俺に教える必要とかあります?」
「うーん。どうなんだろうね。僕はここまで行ってはいるけれど、実際に君に使ってもらいたいかどうかで言えば、確実に使ってもらいたくはない」
なんか、やばそうな雰囲気を感じる。立花がここまで言うということは、相当なものだと想像できるからだ。
「……そんなにヤバいんですか。その、黒魔法とかいうやつ」
「ああ、ヤバいよ。超やばい。世界が終わる可能性もあるかもしれないからね」
「──え」
俺は冗談のような言葉に疑問を抱くことしかできなかった。
「冗談だと思っているかもしれないけれど、これに関しては真実だ。教えたくないというのは、世界の改変性を持っているということもあるけれども、それ以上に捧げる代償が重すぎるから、本当に教えたくはない」
「……代償?」
「そう、代償」
立花は言葉を続ける。
「普通の魔法であるなら、当たり前だけれども血液を代償に捧げて非現実的事象を発動する。それは概念に触れる魔法使いの血液だからこそ、という話をしたのは覚えているかい?」
確かにそんな話を前に聞いたことがあるような気がする。
魔法使いの血液には、巻き戻る概念がいつだって作用している。だからこそ、その概念が非現実的事象を起こすことができるのだと、あの時立花は語っていた。
「でもね、黒魔法は違うんだよ。非現実的事象を行う上では概念に触れるようなものを使わなければいけない。だからこそ、概念に触れる性質のあるものを代償に捧げるんだ。
ここまで言えば、環くんにもわかるかな?」
「……いえ、全く」
想像も及ばない。どうでもいいという感情が先ほどからわだかまってはいるけれど、それでも適切な考えをしたうえで、きちんとわからない。
「それじゃあ、結論を言おうか」
立花は、また躊躇うようにため息を吐きながら、そうして言葉を紡いだ。
「──黒魔法に捧げる代償は、『精神』だよ」
◇
「非現実的事象を発動する上で、代償となるものには概念性のあるものに限られる。でも、その代償となるものはあまりにも現実には少ない。そもそも魔法使いしか魔法が使えない時点で察することはできるだろうけれども」
「まあ、はい」
俺は適当にうなずいた。
「前、君には魔法使いでなければ魔法が使えない、よっぽどの奇跡でもなければ、とは言ったけれども、その奇跡の答えは、この黒魔法だ。それがなぜだかわかるかな」
「……人間にも、精神は存在するから?」
「まさにその通りだ」
立花は言葉を続ける。
いつもだったら、魔法についてのことを話すときは嬉しそうにしているのに、今日に関しては特に大きなリアクションを取ることはなく、いたって真剣に話し続けている。
「人間にも精神は存在する。というか、あらゆるものには精神が宿ると言われている。日本の文化で表すならば『付喪神』と言われるようなものだね。でも、実際、そういった精神やら魂というのは人間と比べてあまりにも希薄すぎるが故に、代償には向かないだろう。
でも、人間の精神は違う。ただでさえ意志を明確に孕んでいて、そうして言葉で意志を示すことができる。そんなあからさまな精神をもつ人間だからこそ、意志的な生物であるからこそ、人間であろうとも黒魔法は発動できるんだ」
「……はあ、なるほど」
言っている意味がわかるような、わからないような。
「そもそも黒魔法というものは魔法使いの上でも禁忌の禁忌とされている。なぜかといえば、先ほど言った通りに世界を改変してしまう可能性さえ孕んでいるからだ。
魔法使いの血液の概念は巻き戻る性質、というだけにとどまるからこそ、そこそこに現実を上書きする魔法しか発動できない。
だが、精神についてはどうだ。そもそも概念的なものでしか存在しないものが代償であるからこそ、現実世界に対しての上書きの規模はあまりに違う。やりたいことがやれるようになるほどに、あり得ないレベルに世界を上書きする。それが、黒魔法だよ」
「……なんというか、本当にレベルが違うんですね」
そういうしかない。そもそもそこまで理解を示すことができないのだから仕方がない。
「……確かに、そこまで聞けばその魔法を使うのが危険なのはわかりますけれど、別にそれだけなのでは?
例えば誰かがその黒魔法とやらを使ったとして、またほかの誰かが修正するように黒魔法を使えば……」
「そんな簡単な風にはいかないんだよ。そもそも、代償が重すぎるから、世界を修正するために犠牲になる魔法使いなんていやしないさ」
……そこまで重い代償なのだろうか。
「君、そこまで代償が重くなさそうだとか思考したろ」
「うっす」
「……なんて例えればいいのかな。
そもそも精神なんて物を犠牲にするうえで、その人の人格は半分ほど削られて、使った当人に関しては廃人みたいになりえてしまうのが黒魔法なんだ。
魔法使いの場合はいくら血を出したところで貧血になるくらい、更に血を出してようやく死ぬくらいだけれども、精神を代償にする魔法に関して言えば『生きながら死ぬ』と言えるようなものだ。なんせ、人格が破綻してるだけで、身体は健在だからね」
「……つまり、精神を犠牲にするとイカれるってことですか?」
「端的に言えばそう。別に捧げる精神を調整すればいいだろうって思うかもしれないけれど、そんな簡単に調整できるものでもない。
例えば電子マネーとかクレジットカードとかで想像してみな。現金だったら、どれくらい所持しているかを把握することはできるけれど、そういった仮想的通貨を使うときは、使うまではどこまで使っているかわからないようなものだろう?精神なんて目にも見えないし、他人に客観視されて初めてわかるようなものだから、代償にする大きさとしても調整することはできないんだよ」
「……はあ」
……言いたいことは分かるけれども、そこまで言われれば使いたいという気持ちにはなりえない。俺でさえそうなのだから、アイツだってそうなるに決まっているだろう。
「それなら俺は使わないですよ。そこまでして生きていても仕方がないじゃないですか」
「うん、そうだろうね。でも、なんで君にだけ教えたのか、と言えばきちんと理由はある。
そもそもこの黒魔法は禁忌的な禁忌だからこそ、魔法使いの間であっても使い方を知らないのが大半ではある。だが、稀に奇跡で発動する人間もいるという。それで何度か世界も改変されたことがあると聞いたことがある。だから、もしかしたら元人間である君には黒魔法を使う適正なるものがあるのかもしれないって、そう思ったんだ」
……そうだろうか。
「……というか、そもそもそんな秘匿にされている魔法なのに、たかが一般人が発動できるんですか?」
「うーん。そこは僕も疑わしいところではあるよ。実際にその現場を目撃したことはないけれど、言い伝えられてはいる。言い伝えが嘘という可能性も十二分にあるけれど、僕の世代にまでそれが語られるということはある種の信ぴょう性があると思った方がいい」
「……なるほど?」
昔話に起源が存在するような話なんだろう。知らないけど。
「後は、何より君のその左手の紋章が一番の理由だ」
「紋章?」
俺はそうして左手にある紋章を見た。黒色の、刺す又みたいな形をした象徴。
「君の紋章は、前も言った通りほかの魔法使いとは異なって黒色だ。その黒色は、もしかしたら黒魔法の適性を証明するようなものではないかって、僕はそう思っているんだ」
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2024/02/23
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