上 下
80 / 154

第80話 別れ②

しおりを挟む
城島さんは苦しんでいた。
報われない恋をして、すべてを投げ出してその想いに賭けようとしているのに、オレのせいでさらに苦しんでる。

――これ以上オレがすがりついちゃいけない。

「城島さん、もうここには来ない。連絡もしない。
だから、最後にオレを抱いて。いや、オレを犯して。
……オレに、痛みをちょうだい」


もともとそうされたかったんだ。
城島さんが言ったようにオレも、灰谷に執着する自分を罰したかったんだ。
痛い目にあって、こんなことやめなきゃいけないって思いたかったんだ。
でも出会ったのは城島さんで。

城島さんはオレを甘やかす。
灰谷へのこの想いや執着はしょうがないのだと思わせる。


城島さんのズボンのチャックに手をかける。

「ちょっと真島くん」

オレは城島さんのモノを取り出し、こする。
先をくわえて舌を這わせて吸う。
深くくわえて唾液を絡めてしゃぶる。

オレは何度も何度もくり返す。
なかなか反応しない。

城島さんはそうしているオレの髪をずっと撫でてくれていた。



「真島くん。もういいから」

くわえたまま目を上げれば城島さんが言う。

「わかったから」

その顔はとても悲しそうな顔だった。



城島さんは床に膝をついて立ち、オレの頭を股間に持ってきた。
オレが城島さんのモノをくわえると、オレの頭を持ち、グイッと腰を押しつけてきた。
喉の奥まで突っこまれる。
城島さんはオレの舌に、こすりつけるようにしながら乱暴に腰を振る。

苦しいし、顎が外れそうだし、吐きそうだった。
目から涙がポロポロと落ちた。

しばらくして、城島さんが止まった。
オレと城島さんは見つめ合う。

城島さんは「はぁ」と小さくため息をついて言った。

「後ろ、自分で用意して」

そして、目を閉じて集中するように腰を振った。
オレはパンツの間から手を入れて自分のそれをほぐす。

ニチニチニチニチ。

涙が頬を伝い、口の周りが唾液でベタベタになった。
くり返しているうちに口の中のソレが少しづつ大きく固くなってきた。

口の中から引き抜かれた。
オレのカラダはクルリと向きを返され床に手をつかさせられた。
尻をぐいっと上げさせられたと思ったら、いきなり城島さんが入ってきた。

二週間も使っておらず、開ききっていないそこは十分に広がっていない。
激しい痛みが突き上げた。


「あっ、い、痛ッ……イタッ……あ……」

痛い。
つま先から頭のてっぺんまで痺れるように痛い。
痛みで頭が真っ白になる。

痛い。痛い。痛い。
あるのはそれだけ。


一番奥まで無理やり突っこむと城島さんはオレの腰を持ち、前後に動き始めた。
また違う痛みが、かけ抜ける。

痛い。痛い。

痛みでカラダを起こそうとするオレの頭を城島さんの手が床に強く押しつける。
オレはうめき声を押し殺す。
押さえつけられる首の付け根にも痛みが走る。

痛い痛い痛い。

痛みが頂点に達した時、城島さんがイった。 

城島さんはしばらくそのまま、オレの上に乗ったまま動かなかった。
はあはあと息遣いだけが部屋に響く。

オレの中から城島さんが出ていく。
また痛みが、かけ上る。


視線を感じる。
多分、城島さんがオレを見つめている。
でも痛みで目を開けることができない。


そうこうするうちに、しばらく気を失ったようだった。
目を開けるとカラダの上に布団がかけられていて、城島さんの姿はなかった。


シャワー。
とりあえずシャワーを浴びないと帰れない。
立ち上がろうとするけれど、膝がカクカクして足がプルプル震える。
オレはハイハイしたままバスルームに向かう。
腿を精液が伝った。


うしろが痛い。
もしかしたら出血しているかもしれない。

シャワーのお湯が染みる。

痛みの感覚。
生きている感覚?


乱暴にされてはじめて、今までどんなに大事に扱ってもらっていたかを知る。
城島さんはオレが嫌がることを一度もしなかった。
いつでもじっくり時間をかけてカラダを開いてくれた。


なんとかシャワーを浴びて出てくると机の上に水のペットボトルと軟膏のチューブと痛み止めだろう、錠剤が置いてあるのに気がついた。
城島さんが用意してくれたのだろう。

オレは薬を飲んで、軟膏を塗った。


城島さんは優しかった。
それなのに、最後にヒドイ事をさせてしまった。


でも、こうでもしないと、オレも城島さんも、きっとお互いから離れられない。
そんな気がした。


オレは泣いた。
そして思った。


城島さんの想いが、どんな形であれ、成就しますように。
城島さんが心から笑える日が。
あの人、本物の城島さんが言ったように、生きてることが愛しいと思える日が来ますように。


オレは初めて、他人のために心から、本当に心から祈った。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】奴隷に堕ちた騎士

蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。 ※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。 誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。 ※無事に完結しました!

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

壊れた番の直し方

おはぎのあんこ
BL
Ωである栗栖灯(くりす あかり)は訳もわからず、山の中の邸宅の檻に入れられ、複数のαと性行為をする。 顔に火傷をしたΩの男の指示のままに…… やがて、灯は真実を知る。 火傷のΩの男の正体は、2年前に死んだはずの元番だったのだ。 番が解消されたのは響一郎が死んだからではなく、Ωの体に変わっていたからだった。 ある理由でαからΩになった元番の男、上天神響一郎(かみてんじん きょういちろう)と灯は暮らし始める。 しかし、2年前とは色々なことが違っている。 そのため、灯と険悪な雰囲気になることも… それでも、2人はαとΩとは違う、2人の関係を深めていく。 発情期のときには、お互いに慰め合う。 灯は響一郎を抱くことで、見たことのない一面を知る。 日本にいれば、2人は敵対者に追われる運命… 2人は安住の地を探す。 ☆前半はホラー風味、中盤〜後半は壊れた番である2人の関係修復メインの地味な話になります。 注意点 ①序盤、主人公が元番ではないαたちとセックスします。元番の男も、別の女とセックスします ②レイプ、近親相姦の描写があります ③リバ描写があります ④独自解釈ありのオメガバースです。薬でα→Ωの性転換ができる世界観です。 表紙のイラストは、なと様(@tatatatawawawaw)に描いていただきました。

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

彼の人達と狂詩曲

つちやながる
BL
転生を繰り返してる元日本人とペットを溺愛するおっさんの話。ほのぼのネタに最後はじんわりするらしい…BLよりローファンタジー寄り仕様。癒され愛されキャラ目標。本編10話完。のつもりが以後追加章。そして番外編のあと、その後の第二章38話追加。魔物転生エロ無し残念BL完結話。甘々が好きな自己満足作品。ムーン様掲載番外編追加。

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

二十歳の同人女子と十七歳の女装男子

クナリ
恋愛
同人誌でマンガを描いている三織は、二十歳の大学生。 ある日、一人の男子高校生と出会い、危ないところを助けられる。 後日、友人と一緒にある女装コンカフェに行ってみると、そこにはあの男子高校生、壮弥が女装して働いていた。 しかも彼は、三織のマンガのファンだという。 思わぬ出会いをした同人作家と読者だったが、三織を大切にしながら世話を焼いてくれる壮弥に、「女装していても男は男。安全のため、警戒を緩めてはいけません」と忠告されつつも、だんだんと三織は心を惹かれていく。 自己評価の低い三織は、壮弥の迷惑になるからと具体的な行動まではなかなか起こせずにいたが、やがて二人の関係はただの作家と読者のものとは変わっていった。

処理中です...