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第39話 雨のコンビニ⑤
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「と…友樹…あの……オレ……」オレの声が震えている。
と、その時、ふいに友樹が下を向いた。
友樹のつむじが見える。
そして肩が小刻みに震えはじめた。
え?泣いてる?……。
え?え?
「……くッツクククク。アハハハハッ」友樹が腹を抱えて笑い始めた。
「マコ先輩のこまった顔…。クククク。カ~ワイ~」
!
友樹、こいつ!
からかいやがったな……。
「アハハハハッ」友樹は目尻から小さく涙をながしている。
それを見た途端オレの顔は火がついたみたいに熱くなった。
な、なんか言わなくちゃ。
オレはなんとか言葉をふりしぼる。
「……もう~オマエ……キライ」
そんな言葉しか出てこない。恥ずか死ぬ~~~。
オレの言葉に友樹はさらに顔をほころばせる。
「なんなんですかその言い方~。やっぱカワイイなあマコ先輩は」とまるで子供にするみたいに頭をなでなでしてきやがった。
「マコ言うな!」オレは友樹の手を払いながら叫んだ。
「ウソウソ、ごめんなさい」
「もう、ホント、マコ言うな」
顔をそむけるオレの前にわざわざ自分の顔を突き出しながら「いやいやスネないでマコ先輩」と友樹が言う。
「だからマコ言うなって」
訂正するのがさすがにめんどくさくなって最近放置してた「マコ言うな」をオレはくり返した。
自意識過剰恥ずかしい~。
背をむけるオレの背中に友樹が抱きついてくる。
「んもう~機嫌直してくださいよ~」
「やだ」
引き剥がそうとするオレの背を友樹がさらにギュウッと抱きしめてくる。
「お願いしますよ~」
「やだ」
「なんでも言うこと聞きますから~」
「知らん」
「ね? ね? ね?」とオレの顔を肩越しにのぞきこむ。
つうかこいつ距離感近い。恥ずかしいから離れてほしい。
「…んじゃあ…帰りマックおごって」と言えば「いいですよ」と返した。
よし、離れてくれ。離れた良かった。
「あ、ごめんなさ~い」と友樹がまた抱きついてくる。
いやいやいいから離れて離れて。なんだよもう。
「今日はちょっとまっすぐ帰らないとダメなんです~」と友樹が申しわけなさそうな顔をする。
「え~なんだよ」
「今日、おばあちゃんのお誕生日で」
「…あ~そりゃあ。しょうがねえな」
両親と離れ、じいちゃんばあちゃんと暮らしている友樹。
「すいません」
「いいよいいよ、ばあちゃん大事にしてやれよ」
「は~い」
チュッ。
え?友樹がオレの首の後ろにキスをした?!
ギャー!!
オレは思わず立ち上がる。
「やめろって~」
「アハハハ。マコ先輩ビンカーン」
「オマエなあ……」
さすがに悪ふざけがすぎるぞと思ったその時、♪ピーンポーンと入店のチャイムが鳴り、カサ置いてる~と全身ずぶ濡れのおじさんが入ってきた。
「はーい。ありますよ」友樹がすばやく立ち上がった。
はあ~もう……。
なんかもう完全に友樹に甘く見られてんな。
ふ~とオレの口から深くて長いため息がもれた。
と、その時、ふいに友樹が下を向いた。
友樹のつむじが見える。
そして肩が小刻みに震えはじめた。
え?泣いてる?……。
え?え?
「……くッツクククク。アハハハハッ」友樹が腹を抱えて笑い始めた。
「マコ先輩のこまった顔…。クククク。カ~ワイ~」
!
友樹、こいつ!
からかいやがったな……。
「アハハハハッ」友樹は目尻から小さく涙をながしている。
それを見た途端オレの顔は火がついたみたいに熱くなった。
な、なんか言わなくちゃ。
オレはなんとか言葉をふりしぼる。
「……もう~オマエ……キライ」
そんな言葉しか出てこない。恥ずか死ぬ~~~。
オレの言葉に友樹はさらに顔をほころばせる。
「なんなんですかその言い方~。やっぱカワイイなあマコ先輩は」とまるで子供にするみたいに頭をなでなでしてきやがった。
「マコ言うな!」オレは友樹の手を払いながら叫んだ。
「ウソウソ、ごめんなさい」
「もう、ホント、マコ言うな」
顔をそむけるオレの前にわざわざ自分の顔を突き出しながら「いやいやスネないでマコ先輩」と友樹が言う。
「だからマコ言うなって」
訂正するのがさすがにめんどくさくなって最近放置してた「マコ言うな」をオレはくり返した。
自意識過剰恥ずかしい~。
背をむけるオレの背中に友樹が抱きついてくる。
「んもう~機嫌直してくださいよ~」
「やだ」
引き剥がそうとするオレの背を友樹がさらにギュウッと抱きしめてくる。
「お願いしますよ~」
「やだ」
「なんでも言うこと聞きますから~」
「知らん」
「ね? ね? ね?」とオレの顔を肩越しにのぞきこむ。
つうかこいつ距離感近い。恥ずかしいから離れてほしい。
「…んじゃあ…帰りマックおごって」と言えば「いいですよ」と返した。
よし、離れてくれ。離れた良かった。
「あ、ごめんなさ~い」と友樹がまた抱きついてくる。
いやいやいいから離れて離れて。なんだよもう。
「今日はちょっとまっすぐ帰らないとダメなんです~」と友樹が申しわけなさそうな顔をする。
「え~なんだよ」
「今日、おばあちゃんのお誕生日で」
「…あ~そりゃあ。しょうがねえな」
両親と離れ、じいちゃんばあちゃんと暮らしている友樹。
「すいません」
「いいよいいよ、ばあちゃん大事にしてやれよ」
「は~い」
チュッ。
え?友樹がオレの首の後ろにキスをした?!
ギャー!!
オレは思わず立ち上がる。
「やめろって~」
「アハハハ。マコ先輩ビンカーン」
「オマエなあ……」
さすがに悪ふざけがすぎるぞと思ったその時、♪ピーンポーンと入店のチャイムが鳴り、カサ置いてる~と全身ずぶ濡れのおじさんが入ってきた。
「はーい。ありますよ」友樹がすばやく立ち上がった。
はあ~もう……。
なんかもう完全に友樹に甘く見られてんな。
ふ~とオレの口から深くて長いため息がもれた。
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