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44 誠心誠意
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天佑は意識のない雪玲を抱きかかえながら、北極殿の中を私室へと早足で向かっていた。
その後ろには関係各所へ指示を出す影狼と一角が続く。途中、羽林から『暗器を持った女官が見つかった』と耳打ちされた影狼は、決して自死させぬよう念を押して下がらせた。
潘充儀の容態が安定し、天佑が落ち着いてから伝えた方が良さそうだと、影狼と一角はどちらともなく目を合わせ小さく頷く。まずは治療が先だ。
執務の間を過ぎると官吏や宦官、女官の姿はほぼなくなり、立ち入りが禁止されている皇帝の私的な空間に入った。天佑は自分の寝殿へ連れて行くと、雪玲を寝牀へそっと横たわらせた。
顔からは血の気が引き、呼吸も浅いようだ。温かく柔らかな光が手のひらから零れ落ちていくような心地に、天佑は恐怖を感じた。
「……医官は、……医官はまだかっ!!」
「陛下っ! 連れてまいりました!」
太監が医官を連れてやってきた。皇帝の寝牀へ寝かされている雪玲に一瞬驚いた顔をしたが、太監も既に天佑への苦言は諦めた様子。一刻を争う事態なのだ。
医官は周囲の圧を感じて緊張しながらも脈を取り、針を刺して雪玲の血を慎重に調べた。やがて、一通りの確認を終えると銀の皇帝へ報告した。
「陛下、楽観はできませんが、潘充儀は毒の耐性が強く、命に別状はないかと。恐らく今夜あたり高熱が出ると思いますが、熱が下がれば峠は越えると思われます」
「……毒の種類は特定できるか?」
「はい。少々お時間をいただきますが……複数の強い毒が用いられたようです。それにしても、他の者でしたら即死だったかもしれません。潘充儀の特異な体質で乗り切れたのだと思われますが、……とりあえず、煎じ薬を作ってまいります」
「……ああ、頼む」
天佑は医官が退出するのを見届けると、天に向かって長く息を吐き、目を閉じて安堵した。
周囲も命に別条がないことにほっとし、室内の空気が幾分和らぐ。太監が天佑の顔色を窺いながら尋ねた。
「……陛下。潘充儀の看病をさせる者を寄こしましょうか?」
「いや、いい。俺がやる」
雪玲が銀の皇帝と関わったことで命の危険に晒されるのは、これで二度目。贖罪のつもりで自ら看病したい気持ちもわからなくもない。
一度目の襲撃の際は一カ月もの間、行方不明だったのだ。今回こそは片時も離さず手元に置くつもりなのだろう。太監をはじめ影狼たち側近も、貞節云々を持ち出すことは諦めることにした。
「……そうしましたら、陛下。さすがに着替えなどを陛下が手伝われるのは潘充儀も目覚めた時にお困りになるでしょう。五虹を外に控えさせておきます」
「……ああ、そうしてもらえると助かる」
お湯や布巾、火鉢など必要と思われる物がいくつか運び込まれると、太監や影狼も静かに部屋を退室した。
「雪玲、少し苦いが薬を飲もう」
匙で煎じ薬を口元へ運んでいく。飲み込めず零れる方が多いが、医官は少しでも飲んでいるようならそれでもいいと言っていた。天佑は根気よく口元に運んでは零れた薬湯を布巾で拭う。
「偉いぞ、雪玲。……起きていれば薬の褒美に菓子を用意するんだが、さすがに今は難しいな……」
以前として顔色は悪いまま。集中しなければ聞き取れないほどのか細い呼吸は天佑を不安にさせた。
「……雪玲、まだおまえに話していないことがたくさんあるんだ。……頼むから早く良くなって、いつものように笑ってくれ。指切りした約束だってまだ果たしていないじゃないか」
◇ ◇ ◇
数刻の間に三度、雪玲に薬を飲ませたが、夜になるといよいよ熱が出始めた。医官に容態を見せると良い兆候とのこと。確かに、白んでいた顔には生気が戻り、熱で赤みが指してきたようだ。
「毒を出すために身体が闘っていると申しましょうか……。一晩の間、熱が出ると思われます」
医官の言葉通り、雪玲の熱はみるみる上がっていった。赤い顔をして苦しそうに荒い呼吸をし、額には玉のような汗が浮かぶ。
布巾で汗を拭き、水差しで水分を取らせるなど、天佑はかいがいしく看病を行った。
「……雪玲、つらいよな。でも、これはおまえの身体が毒と闘っているからだそうだ。もう少しで勝てるから頑張れよ。俺がついている」
額や首筋の汗を拭き、冷たい水で絞った布巾で額を冷やす。だが、布はすぐに温まってしまい、雪玲の熱が高いことを感じさせた。
何度も汗を拭き、冷たい布巾で冷やし続けて一刻。
滝のようだった汗もようやく落ち着き、熱が下がってきたことを思わせた。
汗で湿った衣服や敷布では、身体を冷やして風邪を引かせてしまいそうだ。
「……五虹、いるか? 雪玲を着替えさせてやってくれ」
「はい」
五虹に着替えを任せる間、天佑は寝殿の外に出て影狼や一角から報告を受けることにした。
「暗器を使った女官はまだ口を割りませんが……身元から胡家と関連が深いことが判明しました」
「また、胡修儀なのか……? 冷宮に入れたからと油断した俺のせいだ……」
「天佑さまのせいではありません。あの女は潘充儀を逆恨みしたのでしょう」
「……あいつを確実に死刑にしたい。確固たる証拠が必要だ。口を割っても、たった一人の女官の供述だけでは足りない。暗器と毒の出所、女官の周辺も洗ってくれ」
「「承知いたしました」」
話が終わった頃を見計らい、五虹が天佑へ声を掛ける。
「天佑さま、お着替えが終わりました」
「……ああ。それでは影狼、一角、後は頼んだ」
寝牀で眠る雪玲は頬の赤みも和らぎ、苦しそうな表情も消えた。額に手を当てると未だ微熱はあるようだが、一刻前よりは確実に下がってきた。規則正しくなった吐息に安堵する。
敷布や衣服の肌あたりが良いのか、雪玲も穏やかな顔で眠っている。汗をかいた衣服は五虹が持っていったが、簪や腰佩が寝牀の横に置かれていた。見覚えのある腰佩だ。
(……これは雪玲と初めて会った我楽多屋で預けた岫岩玉の腰佩か。身に着けている姿は見たことがなかったが、懐にでも入れていたのか?)
肌身離さず、自分の腰佩を持っていたのかと思うとじわじわ胸にくる。
「ん……、あつい……」
はっとして寝牀を見ると、雪玲が掛布を蹴り飛ばしていた。足が出てしまっている。
「……寝言か。雪玲、身体が熱いだろうが冷えた布巾を頭に充ててやる。だから足を冷やすのは駄目だ」
寝牀に近づき掛布から出た雪玲の素足を見て、天佑の手が止まった。
「……この足首に巻かれたのは菫青石と蒼玉……凛凛ものじゃないか? どういうことだ?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※誠心誠意・・・真心を尽くすこと。
その後ろには関係各所へ指示を出す影狼と一角が続く。途中、羽林から『暗器を持った女官が見つかった』と耳打ちされた影狼は、決して自死させぬよう念を押して下がらせた。
潘充儀の容態が安定し、天佑が落ち着いてから伝えた方が良さそうだと、影狼と一角はどちらともなく目を合わせ小さく頷く。まずは治療が先だ。
執務の間を過ぎると官吏や宦官、女官の姿はほぼなくなり、立ち入りが禁止されている皇帝の私的な空間に入った。天佑は自分の寝殿へ連れて行くと、雪玲を寝牀へそっと横たわらせた。
顔からは血の気が引き、呼吸も浅いようだ。温かく柔らかな光が手のひらから零れ落ちていくような心地に、天佑は恐怖を感じた。
「……医官は、……医官はまだかっ!!」
「陛下っ! 連れてまいりました!」
太監が医官を連れてやってきた。皇帝の寝牀へ寝かされている雪玲に一瞬驚いた顔をしたが、太監も既に天佑への苦言は諦めた様子。一刻を争う事態なのだ。
医官は周囲の圧を感じて緊張しながらも脈を取り、針を刺して雪玲の血を慎重に調べた。やがて、一通りの確認を終えると銀の皇帝へ報告した。
「陛下、楽観はできませんが、潘充儀は毒の耐性が強く、命に別状はないかと。恐らく今夜あたり高熱が出ると思いますが、熱が下がれば峠は越えると思われます」
「……毒の種類は特定できるか?」
「はい。少々お時間をいただきますが……複数の強い毒が用いられたようです。それにしても、他の者でしたら即死だったかもしれません。潘充儀の特異な体質で乗り切れたのだと思われますが、……とりあえず、煎じ薬を作ってまいります」
「……ああ、頼む」
天佑は医官が退出するのを見届けると、天に向かって長く息を吐き、目を閉じて安堵した。
周囲も命に別条がないことにほっとし、室内の空気が幾分和らぐ。太監が天佑の顔色を窺いながら尋ねた。
「……陛下。潘充儀の看病をさせる者を寄こしましょうか?」
「いや、いい。俺がやる」
雪玲が銀の皇帝と関わったことで命の危険に晒されるのは、これで二度目。贖罪のつもりで自ら看病したい気持ちもわからなくもない。
一度目の襲撃の際は一カ月もの間、行方不明だったのだ。今回こそは片時も離さず手元に置くつもりなのだろう。太監をはじめ影狼たち側近も、貞節云々を持ち出すことは諦めることにした。
「……そうしましたら、陛下。さすがに着替えなどを陛下が手伝われるのは潘充儀も目覚めた時にお困りになるでしょう。五虹を外に控えさせておきます」
「……ああ、そうしてもらえると助かる」
お湯や布巾、火鉢など必要と思われる物がいくつか運び込まれると、太監や影狼も静かに部屋を退室した。
「雪玲、少し苦いが薬を飲もう」
匙で煎じ薬を口元へ運んでいく。飲み込めず零れる方が多いが、医官は少しでも飲んでいるようならそれでもいいと言っていた。天佑は根気よく口元に運んでは零れた薬湯を布巾で拭う。
「偉いぞ、雪玲。……起きていれば薬の褒美に菓子を用意するんだが、さすがに今は難しいな……」
以前として顔色は悪いまま。集中しなければ聞き取れないほどのか細い呼吸は天佑を不安にさせた。
「……雪玲、まだおまえに話していないことがたくさんあるんだ。……頼むから早く良くなって、いつものように笑ってくれ。指切りした約束だってまだ果たしていないじゃないか」
◇ ◇ ◇
数刻の間に三度、雪玲に薬を飲ませたが、夜になるといよいよ熱が出始めた。医官に容態を見せると良い兆候とのこと。確かに、白んでいた顔には生気が戻り、熱で赤みが指してきたようだ。
「毒を出すために身体が闘っていると申しましょうか……。一晩の間、熱が出ると思われます」
医官の言葉通り、雪玲の熱はみるみる上がっていった。赤い顔をして苦しそうに荒い呼吸をし、額には玉のような汗が浮かぶ。
布巾で汗を拭き、水差しで水分を取らせるなど、天佑はかいがいしく看病を行った。
「……雪玲、つらいよな。でも、これはおまえの身体が毒と闘っているからだそうだ。もう少しで勝てるから頑張れよ。俺がついている」
額や首筋の汗を拭き、冷たい水で絞った布巾で額を冷やす。だが、布はすぐに温まってしまい、雪玲の熱が高いことを感じさせた。
何度も汗を拭き、冷たい布巾で冷やし続けて一刻。
滝のようだった汗もようやく落ち着き、熱が下がってきたことを思わせた。
汗で湿った衣服や敷布では、身体を冷やして風邪を引かせてしまいそうだ。
「……五虹、いるか? 雪玲を着替えさせてやってくれ」
「はい」
五虹に着替えを任せる間、天佑は寝殿の外に出て影狼や一角から報告を受けることにした。
「暗器を使った女官はまだ口を割りませんが……身元から胡家と関連が深いことが判明しました」
「また、胡修儀なのか……? 冷宮に入れたからと油断した俺のせいだ……」
「天佑さまのせいではありません。あの女は潘充儀を逆恨みしたのでしょう」
「……あいつを確実に死刑にしたい。確固たる証拠が必要だ。口を割っても、たった一人の女官の供述だけでは足りない。暗器と毒の出所、女官の周辺も洗ってくれ」
「「承知いたしました」」
話が終わった頃を見計らい、五虹が天佑へ声を掛ける。
「天佑さま、お着替えが終わりました」
「……ああ。それでは影狼、一角、後は頼んだ」
寝牀で眠る雪玲は頬の赤みも和らぎ、苦しそうな表情も消えた。額に手を当てると未だ微熱はあるようだが、一刻前よりは確実に下がってきた。規則正しくなった吐息に安堵する。
敷布や衣服の肌あたりが良いのか、雪玲も穏やかな顔で眠っている。汗をかいた衣服は五虹が持っていったが、簪や腰佩が寝牀の横に置かれていた。見覚えのある腰佩だ。
(……これは雪玲と初めて会った我楽多屋で預けた岫岩玉の腰佩か。身に着けている姿は見たことがなかったが、懐にでも入れていたのか?)
肌身離さず、自分の腰佩を持っていたのかと思うとじわじわ胸にくる。
「ん……、あつい……」
はっとして寝牀を見ると、雪玲が掛布を蹴り飛ばしていた。足が出てしまっている。
「……寝言か。雪玲、身体が熱いだろうが冷えた布巾を頭に充ててやる。だから足を冷やすのは駄目だ」
寝牀に近づき掛布から出た雪玲の素足を見て、天佑の手が止まった。
「……この足首に巻かれたのは菫青石と蒼玉……凛凛ものじゃないか? どういうことだ?」
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※誠心誠意・・・真心を尽くすこと。
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