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37 魑魅魍魎
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夢のような剣舞の共演からすっかり機嫌がいい天佑。
雪玲も無事に戻り、昏睡状態の天誠の治療にも希望が見えたのだ。疲れ切っていた以前とは比べ物にならないほど生き生きとしている。銀の皇帝こと天佑を支える影狼をはじめ、事情を知る太傅や太監、一角たち隠密もその様子を喜んでいた。
「あとは霊力を持つ神医を探すのみだが……」
今のところ、隠密や地方へ出向かせている部下からもめぼしい報告は上がってきていない。
そして、とうとう古書の解読が終わってしまったのだ。
雪玲と共に過ごす口実が欲しいものの、ちょうどいい名目がなかなか思い浮かばない。
「はぁ、凛凛がいれば誘わなくても毎日来てくれただろうに……」
「天佑さま、可愛らしい小動物を探してきましょうか?」
影狼の提案も悪くないと思ったのだが。
「……いや、神医探しに集中しよう。天誠が目覚めれば万事解決なんだ。まどろっこしい状態を早く整えたい。今は伝書鳩のやり取りで耐え忍ぶことにする……」
執務室の机には黒塗りの箱が用意されていた。蓋を開ければ指先ほどの紙が並んでいる。……雪玲からの文だ。
毎日会うことは叶わぬものの、毎日伝書鳩を通してやり取りをしている。これなら下手に北極殿に呼んで、他の妃嬪に攻撃材料を与える心配もない。
天佑はことあるごとに蓋を開けては文を眺めていた。
一枚一枚丁寧に皺を伸ばした文には、惚れ惚れする達筆でたわいもない報告が書かれている。
『今日は石婕妤と齐美人と琴を弾きました』
『明美人と仲良くなって白磁の器をもらいました。皇帝にはより高価な白磁を献上するそうです』
他の者にとってはつまらない内容でも、常に神経を尖らせている天佑の癒しになっていた。
「陛下、今日の文が届きました」
「……あぁ」
平静を装いつつ、明らかにそわそわしている天佑を皆が温かく見守る。
太監から受け取った文を開くなり、天佑の顔が崩れていった。
『五虹が剣舞を一緒にやりたいと言って試してみたのですが、饗宴のようにうまくできませんでした』
「くっ……五虹、いい仕事をしたな」
文の内容を知っている太監は知らぬ顔をしながらも内心ではほくほく顔だ。
(やれやれ、純真な潘充儀の手練手管には恐れ入る)
だが、そんな穏やかな日々は嵐が起こる前触れに過ぎず。
後宮を揺るがす大事件が起ころうとしていた。
◇ ◇ ◇
それは朝議でのことだった。いつものように上訴を聞きながら銀の皇帝が適時采配を執り、その日も問題なく終了の時刻を迎える頃――
「陛下! 申し上げたいことがございます!!」
「兵部尚書か。申すがよい」
腹に一物を抱えた狸のような男だ。軍を統括する立場にありながら軍用品の流用や火薬の談合を行うなど悪しき噂が絶えず、私腹を肥やしては家門の力を蓄えているという。
羽林軍は独立した組織のため天佑は影響を受けていないが、兵部尚書とは敬遠の仲。もちろん、そんな彼が銀の皇帝を天佑が務めていることを知る由もない。
「私の娘である崔昭媛さまから文をいただき、大変胸を痛めていらっしゃいましたのでお調べしたのです。昭媛さまは勘違いならよろしいのですがと何度もおっしゃっていましたが、まかりなりにもそんなことがあったとしたら一大事だと言うことで」
「兵部尚書。要点を言え」
平身低頭ぺこぺことしていた兵部尚書はにやりと笑うと顔を上げ、絶望的な顔で陛下へ訴えた。
「潘充儀は潘家の娘ではありません! 五男一女の潘家の娘は朱亞という名前でございます! 裳州より美姫をという令旨を受け、麗容に向かっていたのは潘朱亞でございます!!」
百官たちがざわざわとする中、兵部尚書が声を張り上げる。
「ここに証人を呼んでおります! おいっ、お連れしろ!!」
侍女らしき女性に手を添えながら百官の間を進んできたのは美しい娘。白地に金の刺繍を施した衫襦に色鮮やかな緋色の裙。豪奢な金の歩揺を挿す娘は随分と豪華な衣装に身を包んでいた。垂れ目がちな大きな目は長い睫毛に縁取られ、額には赤い花鈿が描かれている。
壇上の前まで進み出ると膝をつき、皇帝へ頭を下げた。
「参見陛下、万歳、万歳、万々歳」
「……こやつは誰だ」
顔を上げてもいいと言われていないのにも関わらず、銀の仮面を見つめながら女はしゃなりと名を口にした。
「潘、朱亞でございます」
「なんと? では後宮にいる潘充儀とは一体誰なのだ?」
「どういうことだ? この娘が本当の潘才人だったと?」
百官たちが混乱する中、天佑は静かにその状況を眺めていた。
「静まれ」
霊力を載せた低く冷たい声に皆が固まり、沈黙が落ちる。
最前列にいた潘朱亞は驚き、目を見開いていた。
「……潘朱亞に尋ねる。仮におまえが妃嬪になる予定の娘だったとして、なぜ今頃になってのこのこやってきた?」
「朱亞が本当は来るはずだったんだけど……途中で雪麗とかいう女が現れて監禁されていたの」
しくしくと鳴きまねをする朱亞に対し、百官の意見は二分されているよう。その様子を見ながら天佑は勢力を把握する。
(ほう……兵部尚書と右丞相が組んだか。娘たちの利害一致だな……雪玲を追い出したい一心か。反対勢力の筆頭は……左丞相か。さもありなん。こんな礼儀のない娘、美姫だろうが後宮に入れられるわけがない)
まるで将棋でも行うかのように、娘たちを駒として戦略を立てていく重鎮たちに辟易する。
潘朱亞の資質について天佑が問おうとしたその時だった。
「陛下! これは後宮を揺るがす一大事でございます! 身元がわからぬ潘雪玲を招き入れてしまったばかりでなく、才人から充儀にまで上り詰めるなど、強力な呪術の類に陛下も翻弄されたのやもしれません! 仮に黒蛇国の間者であれば由々しき事態でございます!!」
「陛下。私たちは陛下を心配してこそ、こうして進言しているのです……! それに、後宮は皇后さまが未だおらず、現在四妃には郭貴妃さましかおられません。事態を重く見た昭媛さまが何度も相談しましたが、全く動いてくださらなかったとのこと。そこで……」
兵部尚書は右丞相に目配せすると銀の皇帝に報告した。
「九嬪の中で一番位の高い唐昭容と二番目に位が高い崔昭媛さまが協力し、女官たちに指示を出してくださいました。潘充儀とその侍女、巫水を皇族を欺いた罪で捕縛して投獄済みでございます! ご安心くださいませ」
朝議の場に、一瞬にして殺気が満ちた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※魑魅魍魎・・・山林の気から生じる山の化け物「魑魅」と山川の気から生じる水の化け物「魍魎」のこと。人に害を与える化け物や、悪だくみをする人を指す。
雪玲も無事に戻り、昏睡状態の天誠の治療にも希望が見えたのだ。疲れ切っていた以前とは比べ物にならないほど生き生きとしている。銀の皇帝こと天佑を支える影狼をはじめ、事情を知る太傅や太監、一角たち隠密もその様子を喜んでいた。
「あとは霊力を持つ神医を探すのみだが……」
今のところ、隠密や地方へ出向かせている部下からもめぼしい報告は上がってきていない。
そして、とうとう古書の解読が終わってしまったのだ。
雪玲と共に過ごす口実が欲しいものの、ちょうどいい名目がなかなか思い浮かばない。
「はぁ、凛凛がいれば誘わなくても毎日来てくれただろうに……」
「天佑さま、可愛らしい小動物を探してきましょうか?」
影狼の提案も悪くないと思ったのだが。
「……いや、神医探しに集中しよう。天誠が目覚めれば万事解決なんだ。まどろっこしい状態を早く整えたい。今は伝書鳩のやり取りで耐え忍ぶことにする……」
執務室の机には黒塗りの箱が用意されていた。蓋を開ければ指先ほどの紙が並んでいる。……雪玲からの文だ。
毎日会うことは叶わぬものの、毎日伝書鳩を通してやり取りをしている。これなら下手に北極殿に呼んで、他の妃嬪に攻撃材料を与える心配もない。
天佑はことあるごとに蓋を開けては文を眺めていた。
一枚一枚丁寧に皺を伸ばした文には、惚れ惚れする達筆でたわいもない報告が書かれている。
『今日は石婕妤と齐美人と琴を弾きました』
『明美人と仲良くなって白磁の器をもらいました。皇帝にはより高価な白磁を献上するそうです』
他の者にとってはつまらない内容でも、常に神経を尖らせている天佑の癒しになっていた。
「陛下、今日の文が届きました」
「……あぁ」
平静を装いつつ、明らかにそわそわしている天佑を皆が温かく見守る。
太監から受け取った文を開くなり、天佑の顔が崩れていった。
『五虹が剣舞を一緒にやりたいと言って試してみたのですが、饗宴のようにうまくできませんでした』
「くっ……五虹、いい仕事をしたな」
文の内容を知っている太監は知らぬ顔をしながらも内心ではほくほく顔だ。
(やれやれ、純真な潘充儀の手練手管には恐れ入る)
だが、そんな穏やかな日々は嵐が起こる前触れに過ぎず。
後宮を揺るがす大事件が起ころうとしていた。
◇ ◇ ◇
それは朝議でのことだった。いつものように上訴を聞きながら銀の皇帝が適時采配を執り、その日も問題なく終了の時刻を迎える頃――
「陛下! 申し上げたいことがございます!!」
「兵部尚書か。申すがよい」
腹に一物を抱えた狸のような男だ。軍を統括する立場にありながら軍用品の流用や火薬の談合を行うなど悪しき噂が絶えず、私腹を肥やしては家門の力を蓄えているという。
羽林軍は独立した組織のため天佑は影響を受けていないが、兵部尚書とは敬遠の仲。もちろん、そんな彼が銀の皇帝を天佑が務めていることを知る由もない。
「私の娘である崔昭媛さまから文をいただき、大変胸を痛めていらっしゃいましたのでお調べしたのです。昭媛さまは勘違いならよろしいのですがと何度もおっしゃっていましたが、まかりなりにもそんなことがあったとしたら一大事だと言うことで」
「兵部尚書。要点を言え」
平身低頭ぺこぺことしていた兵部尚書はにやりと笑うと顔を上げ、絶望的な顔で陛下へ訴えた。
「潘充儀は潘家の娘ではありません! 五男一女の潘家の娘は朱亞という名前でございます! 裳州より美姫をという令旨を受け、麗容に向かっていたのは潘朱亞でございます!!」
百官たちがざわざわとする中、兵部尚書が声を張り上げる。
「ここに証人を呼んでおります! おいっ、お連れしろ!!」
侍女らしき女性に手を添えながら百官の間を進んできたのは美しい娘。白地に金の刺繍を施した衫襦に色鮮やかな緋色の裙。豪奢な金の歩揺を挿す娘は随分と豪華な衣装に身を包んでいた。垂れ目がちな大きな目は長い睫毛に縁取られ、額には赤い花鈿が描かれている。
壇上の前まで進み出ると膝をつき、皇帝へ頭を下げた。
「参見陛下、万歳、万歳、万々歳」
「……こやつは誰だ」
顔を上げてもいいと言われていないのにも関わらず、銀の仮面を見つめながら女はしゃなりと名を口にした。
「潘、朱亞でございます」
「なんと? では後宮にいる潘充儀とは一体誰なのだ?」
「どういうことだ? この娘が本当の潘才人だったと?」
百官たちが混乱する中、天佑は静かにその状況を眺めていた。
「静まれ」
霊力を載せた低く冷たい声に皆が固まり、沈黙が落ちる。
最前列にいた潘朱亞は驚き、目を見開いていた。
「……潘朱亞に尋ねる。仮におまえが妃嬪になる予定の娘だったとして、なぜ今頃になってのこのこやってきた?」
「朱亞が本当は来るはずだったんだけど……途中で雪麗とかいう女が現れて監禁されていたの」
しくしくと鳴きまねをする朱亞に対し、百官の意見は二分されているよう。その様子を見ながら天佑は勢力を把握する。
(ほう……兵部尚書と右丞相が組んだか。娘たちの利害一致だな……雪玲を追い出したい一心か。反対勢力の筆頭は……左丞相か。さもありなん。こんな礼儀のない娘、美姫だろうが後宮に入れられるわけがない)
まるで将棋でも行うかのように、娘たちを駒として戦略を立てていく重鎮たちに辟易する。
潘朱亞の資質について天佑が問おうとしたその時だった。
「陛下! これは後宮を揺るがす一大事でございます! 身元がわからぬ潘雪玲を招き入れてしまったばかりでなく、才人から充儀にまで上り詰めるなど、強力な呪術の類に陛下も翻弄されたのやもしれません! 仮に黒蛇国の間者であれば由々しき事態でございます!!」
「陛下。私たちは陛下を心配してこそ、こうして進言しているのです……! それに、後宮は皇后さまが未だおらず、現在四妃には郭貴妃さましかおられません。事態を重く見た昭媛さまが何度も相談しましたが、全く動いてくださらなかったとのこと。そこで……」
兵部尚書は右丞相に目配せすると銀の皇帝に報告した。
「九嬪の中で一番位の高い唐昭容と二番目に位が高い崔昭媛さまが協力し、女官たちに指示を出してくださいました。潘充儀とその侍女、巫水を皇族を欺いた罪で捕縛して投獄済みでございます! ご安心くださいませ」
朝議の場に、一瞬にして殺気が満ちた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※魑魅魍魎・・・山林の気から生じる山の化け物「魑魅」と山川の気から生じる水の化け物「魍魎」のこと。人に害を与える化け物や、悪だくみをする人を指す。
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