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2章 冒険者としての生活
広域調査依頼
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翌日、何事もなかったかのように白兎亭で、いつの間にか指定席のようになっている奥の席で朝食をとっていると、アリーセがやって来た。
「おはようイオリ、今日も家庭教師があるの?」
「いや、週二回って言われたからつぎは明後日だな」
「それじゃあ、今日予定が無いなら私と依頼に出ない?」
「特に急ぎの用事は無いから構わないぞ」
魔導銃に照準器や銃床をつけるのは、別に今じゃなくても良いしな。
「良かった、調査依頼でちょっとイオリの鑑定とかを頼りにしたくて」
「お安い御用だ、もう依頼は受けてるのか?」
依頼は基本的に早い者勝ちなので、目をつけている依頼があったとしても、誰かが先に依頼を受けてしまったら、その依頼は受けられなくなってしまうのだ。
「まだだけど、広域調査依頼だから何組でも受けられるから大丈夫よ」
「広域調査依頼?」
「ゴブリンの異常発生で森の調査とか、広い範囲を調べる時にソロの冒険者や1パーティだけじゃ手が回らないでしょ? それで、複数の冒険者に依頼を出すのが広域調査依頼ね」
なるほど、それで鑑定が必要な何かを探してくれってことか。
「わかった、じゃあ飯食ったら準備してくる」
「よろしくね」
俺は朝食を済ませすると、準備をする為に一度部屋に戻った。
調査依頼ということだから、軽装で良いかな?
最近気が付いたのだが、アイテムボックスに武器を収納出来るからと言って見た目が丸腰だと、なんで鎧着てるんだコイツ?というイタイ人を見るような目で見られてしまうのだ。
逆のパターンで普段着なのに、ゴッツい武器を持っていても同様だ。
高級レストランに短パンビーチサンダルで行く人のような扱いが近いだろうか?
何か例えが微妙に違う気もするが、この街のTPOをわきまえて鎧を着たら帯剣くらいはしておいた方が無難だ。
最近、すっかりお馴染みになってしまった元ゴブリンのガラクタだったミスリルの剣を腰に下げる。
ドラゴン騒動の一件から、すぐに剣をぶっ壊すヤツであるとドグラスの親父さんから鍛冶屋連中に知れ渡ってしまい、斧やハンマー等のしかもその中でも特に頑丈な武器しか売って貰えなくなってしまったのだ。
曰く、売ってすぐに壊されてしまったら、店の信用に傷がつくから、という事だった。
自業自得なので、もうどうしようもない。
ドグラスの親父さんは、どうしても剣が良いならぶっ壊れないくらい頑丈な剣を打ってやると言ってくれているが、どこぞの片手が大砲になっている狂戦士が振り回すような剣が出来上がったら壊さないかもしれないが振り回せもしないので、保留にさせてもらっている。
それはさておき、準備を終わらせ食堂で待っているアリーセと合流しギルドに向かう。
「それで何を調査するんだ?」
「それが漠然としているのよね、だから依頼を受ける時に詳しく聞かないとダメね」
「漠然としてるのに鑑定が必要になるってわかるのか?」
「どんな調査であろうと、イオリのあの鑑定は反則よ、不必要な調査依頼の方が少ないと思うわ」
そんなものか? まあアリーセが言っている鑑定というのは、セットで使っている解析ツールのことだろうけど。
ギルドについて、早速エマが居る窓口で依頼を受ける旨をアリーセが伝えると、詳細の説明を教えてもらった。
「今回の広域調査依頼は、ドラゴンの襲来から始まっていると思われる、ここのところの異変についての調査です」
「異変?」
「はい、雲に穴が空く程のエネルギー波や、先日の事ですが天を貫くような火柱が上がったという目撃情報が複数寄せられています。 ギルドではこれらの異変に何らかの関連性があるとみて広域調査依頼を出すことにしました」
って、それ全部俺じゃん!
ヤバイ逮捕とかされるんだろうか!?
「今回とは異なりますが、10年前のスタンピードの際にも半年以上前から数々の異変が確認されていると聞きます。 今回の調査も他に起こっているかもしれない異変を探すことと、スタンピードの前兆があればそれの特定を目的としています」
「スタンピード……」
アリーセが、非常にシリアスになってしまったが、犯人は俺なので何もないと思う。
言い出せる雰囲気ではないが……。
「これらの現象は、付近の魔素が非常に不安定になっていて、偶発的に出来る魔素溜まりによって引き起こされ、これらが飽和状態になった時にスタンピードへと発展するのではないかと、専門家の意見が一致しています」
違うと思います。 少なくとも今回の件では。
「ですので、異変だけでなく魔素溜まりや魔素の濃度が高い場所を発見したら報告を、可能でしたら魔法の行使等で適度に魔素を散らしていただけると助かります。 今回は幸いにも異変の発見が早かった事もあり、対応がうまく行けばスタンピードを阻止出来る可能性が高いと、こちらも専門家の意見が一致しております」
スタンピードは起きないと思います。
「おはようイオリ、今日も家庭教師があるの?」
「いや、週二回って言われたからつぎは明後日だな」
「それじゃあ、今日予定が無いなら私と依頼に出ない?」
「特に急ぎの用事は無いから構わないぞ」
魔導銃に照準器や銃床をつけるのは、別に今じゃなくても良いしな。
「良かった、調査依頼でちょっとイオリの鑑定とかを頼りにしたくて」
「お安い御用だ、もう依頼は受けてるのか?」
依頼は基本的に早い者勝ちなので、目をつけている依頼があったとしても、誰かが先に依頼を受けてしまったら、その依頼は受けられなくなってしまうのだ。
「まだだけど、広域調査依頼だから何組でも受けられるから大丈夫よ」
「広域調査依頼?」
「ゴブリンの異常発生で森の調査とか、広い範囲を調べる時にソロの冒険者や1パーティだけじゃ手が回らないでしょ? それで、複数の冒険者に依頼を出すのが広域調査依頼ね」
なるほど、それで鑑定が必要な何かを探してくれってことか。
「わかった、じゃあ飯食ったら準備してくる」
「よろしくね」
俺は朝食を済ませすると、準備をする為に一度部屋に戻った。
調査依頼ということだから、軽装で良いかな?
最近気が付いたのだが、アイテムボックスに武器を収納出来るからと言って見た目が丸腰だと、なんで鎧着てるんだコイツ?というイタイ人を見るような目で見られてしまうのだ。
逆のパターンで普段着なのに、ゴッツい武器を持っていても同様だ。
高級レストランに短パンビーチサンダルで行く人のような扱いが近いだろうか?
何か例えが微妙に違う気もするが、この街のTPOをわきまえて鎧を着たら帯剣くらいはしておいた方が無難だ。
最近、すっかりお馴染みになってしまった元ゴブリンのガラクタだったミスリルの剣を腰に下げる。
ドラゴン騒動の一件から、すぐに剣をぶっ壊すヤツであるとドグラスの親父さんから鍛冶屋連中に知れ渡ってしまい、斧やハンマー等のしかもその中でも特に頑丈な武器しか売って貰えなくなってしまったのだ。
曰く、売ってすぐに壊されてしまったら、店の信用に傷がつくから、という事だった。
自業自得なので、もうどうしようもない。
ドグラスの親父さんは、どうしても剣が良いならぶっ壊れないくらい頑丈な剣を打ってやると言ってくれているが、どこぞの片手が大砲になっている狂戦士が振り回すような剣が出来上がったら壊さないかもしれないが振り回せもしないので、保留にさせてもらっている。
それはさておき、準備を終わらせ食堂で待っているアリーセと合流しギルドに向かう。
「それで何を調査するんだ?」
「それが漠然としているのよね、だから依頼を受ける時に詳しく聞かないとダメね」
「漠然としてるのに鑑定が必要になるってわかるのか?」
「どんな調査であろうと、イオリのあの鑑定は反則よ、不必要な調査依頼の方が少ないと思うわ」
そんなものか? まあアリーセが言っている鑑定というのは、セットで使っている解析ツールのことだろうけど。
ギルドについて、早速エマが居る窓口で依頼を受ける旨をアリーセが伝えると、詳細の説明を教えてもらった。
「今回の広域調査依頼は、ドラゴンの襲来から始まっていると思われる、ここのところの異変についての調査です」
「異変?」
「はい、雲に穴が空く程のエネルギー波や、先日の事ですが天を貫くような火柱が上がったという目撃情報が複数寄せられています。 ギルドではこれらの異変に何らかの関連性があるとみて広域調査依頼を出すことにしました」
って、それ全部俺じゃん!
ヤバイ逮捕とかされるんだろうか!?
「今回とは異なりますが、10年前のスタンピードの際にも半年以上前から数々の異変が確認されていると聞きます。 今回の調査も他に起こっているかもしれない異変を探すことと、スタンピードの前兆があればそれの特定を目的としています」
「スタンピード……」
アリーセが、非常にシリアスになってしまったが、犯人は俺なので何もないと思う。
言い出せる雰囲気ではないが……。
「これらの現象は、付近の魔素が非常に不安定になっていて、偶発的に出来る魔素溜まりによって引き起こされ、これらが飽和状態になった時にスタンピードへと発展するのではないかと、専門家の意見が一致しています」
違うと思います。 少なくとも今回の件では。
「ですので、異変だけでなく魔素溜まりや魔素の濃度が高い場所を発見したら報告を、可能でしたら魔法の行使等で適度に魔素を散らしていただけると助かります。 今回は幸いにも異変の発見が早かった事もあり、対応がうまく行けばスタンピードを阻止出来る可能性が高いと、こちらも専門家の意見が一致しております」
スタンピードは起きないと思います。
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