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しおりを挟む「はーっ! はーっ! はー…っ! ふ、ぎぃッ!?」
「…はあっ、締まる、」
「はぁ゛っ! …っも、も、もおむ゛、り゛ぃっ!!」
「でも小崎、『優しくしなくていい』って言ってなかった?」
「!?」
イったすぐ、ぎゅうぎゅうとナカを締め付ける肉壁をずりずり、じゅぶじゅぶ、と強引に掻き分けた瀬川は、無情にも腰を打ち付け続ける。必死にその責め苦から解放されたくて、俺は力の入らない腕で瀬川の胸板を押すが、当然のようにびくともしない。
そして、まるで自分の行動を正当化するようなその言葉。
『無理して構ってくれなくていい。 優しく、してくれなくていい。 そんなことしなくても、…瀬川は、とっくにいい奴だよ』
確かに言った、言ったけど……ッッ!!!
「ちっ、ちがっ、それはっ、それはア゛、ァア゛、ち、ちがゔぅ゛~~!!」
「優しくして欲しいんだ」
う゛ん゛う゛ん゛!!と激しく首を上下に振って同意を示す。もうなりふり構っていられない。狂いそうになる快感が無くなってくれるなら何でも良かった。
「わかった。 じゃあここ撫でてあげるね?」
「ひい゛ッッ!?」
「優しくしてあげるからね。 よしよし。 元気元気っ」
チカチカと、目の前に火花が散る。瀬川は、「優しくする」と言った直後、その手で俺の陰茎を容赦なく擦りだしたのだ。
ナカの敏感に腫れ上がったシコリを潰す動きはそのままに、俺の先走りと精液が混ざったドロドロのそれを竿全体に塗りつけて、しゅこしゅことリズミカルにスライドさせられる。
脳が焼ききれそうな程のあまりに強すぎる快感に、俺は盛大に髪を振り乱してそれを逃がそうと必死だ。
「いっしょ、だめえ゛ぇ゛ッ!! ぜっ、ぜんぜっ、ア、ぐうッ! やさじぐな゛い゛ぃ、っ、イッ、ぁ゛~~ッッ!!」
グリッ!!と亀頭を爪先で擦られ、それが留めとなって、俺は引きつった悲鳴を上げながら盛大に吐精する。
もう早く終わってくれ。
意味のない喘ぎ声を発しながら、ガクガクと痙攣する自分の身体をどこか他人事のように見つめた俺は、もうそれしか考えられなかった。
「気持ち良い? 小崎が気持ち良くなってるとこ見るの好きだな俺」
瀬川はまたぶちゅ、ぶちゅ、ぶちゅ、とローションを泡立たせながら小刻みに俺の中を突きだす。
「顔真っ赤にして、泣く寸前みたいに顔ゆがめてるの可愛い。 イクとき眉が下がって顔がクシャッてなるの興奮する」
快感に支配された頭では、もう瀬川が言っていることの一割も理解できない。
イクのが止まらない。ずっと気持ちが良くて、ふわふわと意識が上の方に行ったまま戻って来れない。ただし身体の快感はダイレクトに感じて、抜き差しされるたびに俺はガクガク身体を震わせて絶頂する。
あ゛ーー!あ゛ーー!ともう母音だけしか出ない声でほぼ叫びながら、何とかこの快感から逃れたくて足をバタつかせて目いっぱいシーツを蹴るが、「だめ」と瀬川に簡単に抑え込まれて、更に深い場所まで責められるようになってしまった。
終わりの見えないそれに、俺はもう泣きが入る。
「あっ、…ふふっ、またイッた? ナカうねってる。 凄く気持ち良いよ。 俺の事大好きじゃん。 両想い嬉しいね?」
「あ゛ーー、あ゛、ぁ゛…」
「あー…、イきそう。 はぁ、小崎っ、」
切羽詰まったような顔をした瀬川は俺の頭をギュウ、と抱きしめて、絶頂したようだった。ナカでビクビクと瀬川のものが震えているのが分かる。
…俺で気持ちよくなってくれたのか、という気持ちと、瀬川の腕による圧迫感で性感を高められた俺も、瀬川の後にビクンと震えてもう色の薄い精液を吐き出した。
無駄打ちされた子種は、横腹を伝って俺の腰の下のシーツに汗と共に吸い込まれていく。もう既にビシャビシャに湿ってしまっていて、吸水しているのか、ただ通り抜けているだけなのかは謎だったが。
瀬川は知らぬ間にちゃんとゴムをつけてくれていたみたいだ。ナカから出て行ったそれをぼーっと眺めて初めて知った。瀬川は俺に覆いかぶさって倒れた後、腕を回したまま隣へと寝転ぶ。どちらもまだ息は上がっていた。
少し時間を置いて、俺より先に落ち着いたらしい瀬川は、汗と涎、涙なんかの色んな体液でぐちゃぐちゃな俺の顔に、「可愛い」とか正気を疑うような事を言って、何度もキスを降らせる。もしかしてかかり付けの眼科医はヤブか???
「ねえ、もう一回言って。 俺のこと好き?」
瀬川の問いかけに、俺は諦めと疲労感半々で無言の頷きを返す。
「誠也よりも?」
頷く。
「世界で一番?」
また頷く。
そして、
「──ふふっ」
ベッドのシーツに頬を付けた瀬川は、心底嬉しそうに頬を緩めた。
その、子供のように純粋な感情を向けられて、今まで散々めちゃくちゃにされたにもかかわらず、少し絆されたというか、可愛いというか。俺は瀬川に対してそんな感情を抱いて。
気付いたら、俺は力の入らない手で瀬川の頭を撫でていた。
汗ばんだ額に、細めの髪の毛が少しだけ張り付いているのを何となく指で避けると、デコが晒されて、一気に顔が幼くなる。
思わずふっ、と微かに口角を上げると、瀬川は目を丸く見開いて、その後感極まったように俺を力いっぱい抱きしめてきた。苦しいから、と抵抗する気力もなく、ぐったりと人形のような扱いを甘んじて受ける俺だったが、
何か硬いものが腰付近に当たる感覚に、そんなことを言っている場合ではなくなる。
嘘だろ……。瞬間的に青ざめた俺は、「も、むり。むりだから」と腕を突っ張って瀬川を引きはがそうとするが、俺より大分体力を残しているらしい瀬川はびくともしない。
「小崎って本当に俺を煽る天才だよね」
瀬川は自身のそれを数回手で擦ってから、
ずぷぷぷ…っ!
「う、はあ゛、ぐ、ゔゔぅ~~…、」
質量の大きい物が再度入ってくる感覚。
もう一回会いたくは無かったかな~~!?
「小崎っ、はっ、こさき、こさき。
──大好き」
微笑まれてドッと心臓が跳ねる。ゾクゾクと一気に背中を駆け抜けた甘い痺れに、恋人繋ぎをするみたいに絡められた指に力が入って、じんわりと手汗が滲んだ。
──ああもう、ずるいのはどっちだよ!!
「ふっ、気持ちよさそう。 好きな俺と繋がれてそんなに嬉し?」
「ひっ、ぅ゛~~…ッ、」
「っ…は、何で、こんなにイイのかな…。 小崎だから? 好きな人とのセックスってこんなに気持ち良いものなの?」
「はっ、はっ、はっ、はっ、」
「小崎、どう思う?」
「ぁ゛ゔ…ッ!! ひぃ゛っ、あ゛~~っ…! ぁ゛っ、あ゛ああ~~!!」
「そうだよね、気持ち良いよね。 こんなの俺だけだよね?」
「ふッゔぅ゛~~~ッッ!!!」
「よかった♡」
ばちゅっ!ばちゅっ!ばちゅっ!ばちゅっ!
力の入らない身体を揺さぶられ、ガクガクと快感に震えることしか出来ない俺に、瀬川は楽し気に話しかけて何故か会話を成立させている。
意味が分からないが、今の俺にそれが指摘出来るわけもない。
「──や゛あっ、やだ、やだやだやだやだああ゛あ゛ッ!! イッッ! …ぐうっ…ン゛ッ!!」
プシャ!!プシャ!!
悲鳴のような喘ぎ声と盛大な絶頂の末、精液とは異なる透明で粘度のない液体が性器から飛び出る。しかしそれを認識する余裕などなかった。
「わ、すごい。 初めてで潮ふけたね。 上手上手。 さっきは前触らなくてもイけてたし、やっぱり小崎才能あるよ」
「あ゛ーーっ、あ゛ぅ゛ーーっ…」
「……俺ももう、余裕ないや」
瀬川は、ビクビクと断続的に痙攣して力なく弛緩した俺を、ベッドにうつ伏せで寝かせると、背後から再び血管の浮いた赤黒いそれを突き刺してきた。
瀬川の亀頭が俺の前立腺を丁度押しつぶす位置に来るものだから、軽く腰を動かされるだけでも気持ち良すぎて辛い。それとは別に俺の性器も、乳首も、総じてベッドに擦りつけられて、その刺激は当然俺を追い詰めた。体制が楽な分、全身の快感がダイレクトに伝わってくるし、
もう拷問だこんなの。
ベッドの縁に震える手を伸ばすが、またもや上から瀬川に押さえつけられて逃がしてもらえない。
その代わりの足掻きとして、足で、手で、口で、動かせる場所でとにかくシーツを引っ掻くから、もうそれはぐちゃぐちゃで、今やベッドマットの半分も覆えていなかった。
「あ゛っ、ぁ゛っ、あ゛っ、もっもお゛やだあ゛あ゛!! ぎもぢいのっ、も゛、や゛だ!! ~~じぬ゛、じぬ゛っ!」
「っ、大丈夫」
「ン゛ッッ、ぃい゛い゛~~~!!」
寝バックでどちゅん!どちゅん!!と激しくプレスされて、もう苦しいのに、イキたくないのにっ…!拘束された体でその快感に抗える筈もなく、ギュウッと手を握って、俺は瀬川と同時に絶頂する。
二人して、はーっ、はーっ、と汗だくで息を乱していた時、先程と同じように俺にくっつけるだけの軽いキスをしてきた瀬川は、ベッドの惨状を見て言った。
「今更だけどシーツ汚して大丈夫?」
うるせえ本当に今更だわ!!!
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