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第3章
66話 魔王と対面する俺
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オルガはとっつきやすいような人柄ではなかったが、ギルドの長としての責任でここに来たと言っていたことを疑いもしなかった。思えばここに来てからだいぶ派手に戦闘を繰り広げていながらも、2体の実験体以外に誰もやってこないことに違和感を持つべきだった。そもそも外には雇った冒険者しかおらず、この牢屋の近辺にあの2体の実験体だけ配置して、戦闘している間に俺を攫う計画だったと考えれば辻褄が合う。
拘束された俺は大した抵抗もできずに俺自身が作った通路から連れ出されようとしていた。しかし実験体と戦っているクリスたちはまだトドメをさしていないヒル女から手が離せない。ここから脱するには俺自身がなんとかするしかない。
プレイヤーとしての力が使えないなら、緊急事態だから神権限でなんとか乗り切ることを考えた。
だが…視界のコマンド画面はログオフボタン以外グレーになっていて選択することが出来なかったから、焦りが募る。
「ふふっ。何も出来ないだろう。お前はこの意思がある限り何も行動はできない。普通のスキルも、神としてもお前ができることなど何もないのだ。大人しくしていろ。」
俺を左腕一本で軽々と持ち上げたオルガは、通路に向かって走っていく。それを見たクリスが俺に向かって叫んでいるのが見えた。
「タケル!」
「僕は死にませんから!大丈夫ですから!絶対死なないで!」
そのあとすぐに通路に入ってしまい、それしか言えなかった。俺はこの世界の体が死んでも、ログオフして体を作り直してログインすることだってできるけど、この世界の住人であるクリスは一度死んでしまったらデータは復活しない。もし時間を巻き戻してデータを復活させたとしても、それはまた違うセーブデータだから同じ人じゃない。
「ずいぶん余裕だねえ…まあこの世の生き死になんてあなたには関係ないんだろうけどね!」
そう言って目の前に現れた選抜メンバーたちがびっくりした様子でこちらを見ている。彼らは救助した女性たちを外に連れ出している途中だったのだ。突然現れた俺を抱えたオルガに何が起きているのかわからない様子だった。
「ギルド長!?」「な!オルガ殿?」
ついさっきまで味方として一緒にいた彼女が放った黒糸になすすべなく体を拘束される。第一波の攻撃を避けた者もいたが反撃するいとまもない間に彼女に再び動きを拘束される。
狭い通路であるにもかかわらず器用に間をすり抜けて、彼らを抜き去った後もスピードを落とさずに彼女は俺を抱えたまま外に向かって走っていった。
「どこにいくんですか!」
「黙っていろ!舌を噛みたくなかったらな!」
間も無く俺の開けた通路から外に出た。そこからさらに数分走ると、黒装束に身を包んだ集団がその先に待ち構えていた。
「な、何を…」
「神ならなんでもお見通しなんだろう?いちいち説明する必要はないと思うが。」
「わかりませんよ!なんであなたがこんなことをするんですか!?」
「神を恨む奴が宰相だけなわけないだろう?」
そういうと彼女の耳が細長い特徴的な耳になっていることを見て、俺は納得した。彼女も魔族だったんだ。
あんなに近くにいたのに全く気が付かなかった。
俺とオルガが黒装束たちに囲まれて、何かぶつぶつと唱えたと思ったら瞬時に景色が変わる。
そこはどこかの城の一室の様だった。
「神よ。我らが中心地カーボニアの主城へようこそ。」
ソフトハットを被り、高級そうな魔導ローブに身を包んだ男…帝国の宰相、グラファイトが目を細めて口を歪ませながら目の前に立っていた。
行動がほとんど封じられた自分はしばらくクリスの元に戻れなさそうだと、絶望的な気分になった。
呪いの石はあの六角柱と同じ紫色をしている。多分同じ素材なのだろう。そんな素材が存在していること自体全く知らなかった。
グラファイトの冷たい視線を浴びながら、なすすべなく呪いの石でできていると思われる腕輪や足輪をかけられた。当然神機能でロックを外そうと思ってもできなかった。
「その石何でできていると思います?ふふっ。あなたを呪って死んだ者たちの遺灰が混ざっているのですよ。世界各地に送った封印柱も同じ。わかりますか?それだけ多くの者があなたを呪っているのですよ。」
背筋にゾゾゾと悪寒が走る。でもこれはこの石が気持ち悪いのではなくて、そんなものを作ってまで俺を追い込もうとするこいつの執念が気持ち悪いのだ。
確かに全ての人を見守ることはできない。こいつが恨みたい気持ちもわかる。でもどう考えたって、他にできることなんていくらでもあるだろうと思う。
現実の世界だって、神頼みしたからといって何も努力しなければ何も得られないし運だって巡ってこない。でもそんなことを言っても目の前の人物が納得することはないのだろう。
「ふ!無様だな。神もこうして力を失えばただの人と変わらんな。」
「ええ。その通りです。今や人間どもの崇拝する神は我らの手中に。あとはゆっくりと侵攻作戦を練るとしましょうかね。ああ、あなたはそうしてゆっくりと我らの活躍をお見守りください。どうせ見ること「だけ」はできるのでしょう?」
やたらと「だけ」を強調したグラファイトは嫌味ったらしく、俺に祈りのポーズをしてこの部屋を出ていった。オルガや一緒に転移してきた黒装束たちも部屋を出ていく。
一人になって一番に思うのはクリスのことだ。彼は色々な世界で色々な不運にあってきた。そして高い可能性で世界を救う前に死に至る。生来の人の良さから時には騙されたり、自分から危険な場所に身を投じることもよくある。それが自分の力と不釣り合いであったとしてもだ。
俺がそばにいない間に彼に何かないかが一番心配だ。
改めて部屋を見渡してみると、調度品はないがベッドやテーブル、椅子、ソファなんかの一通りの家具は置いてある。ここに連れられてきた時には拷問でもされるのかと思ったが、人並みの対応はしてくれるらしくほっとする。
ソファに座り、ほうとため息を着くとドアがノックされた。
返事をすると一人の白髪で品のいい黒いコートを着た、威厳漂う男性が入ってきた。
「ど、どうぞ。」
向かいのソファを進めると、その男性はゆっくりと席につく。それと同時にメイド服をきた数人の侍女らしき人たちが間にあるテーブルにお茶や菓子を置いていく。
「突然無理やりお連れした非礼を詫びよう。神よ。私が魔王カーボンである。」
「え!」
「こうして改めて見てみると、ずいぶん可愛らしいお姿なのですな。この姿であなたが神だと気づく者はそうはおらんでしょう。」
「いえいえ…なんか、すみません。」
膝に肘をついて顎を触りながら、意外にも魔王は柔らかな口調で挨拶をしてきた。さっきまでの宰相の態度とあまりの態度の違いに安堵しつつも、警戒は崩せない。
「それにしてもまさかあなたが人間として顕現したことを察知して、こうして攫ってくるなどとは…。だが、申し訳ないが神よ。私にもあいつの行動をおいそれと制限することはできないのだ。今や魔族の大半はグラファイトの考えに同調するものばかり。世界侵略という言葉に陶酔している。」
「そうではない考えの方も多いのですか?」
「力で押さえつけても後々禍根を残し、いつの日か同じことをされることは私たちが一番よくわかっている。さらに神の力を封じたら世界にどのような悪影響を与えるのか、あやつらはわかっていないのだ。」
そうだ。今回この石のせいで俺のできることは大幅に制限されてしまっている。まだログアウトもしていないから創造者モードで何ができるのかと言うこともわからない。
さらにいえばゲームとして、どんな不具合が発生するのかそれもまだわからない。
まずは一旦ログアウトして、自分ができることを探す必要があると感じた。
ーーーーーーーーーー
しばらくは午後の更新になると思います。
申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
拘束された俺は大した抵抗もできずに俺自身が作った通路から連れ出されようとしていた。しかし実験体と戦っているクリスたちはまだトドメをさしていないヒル女から手が離せない。ここから脱するには俺自身がなんとかするしかない。
プレイヤーとしての力が使えないなら、緊急事態だから神権限でなんとか乗り切ることを考えた。
だが…視界のコマンド画面はログオフボタン以外グレーになっていて選択することが出来なかったから、焦りが募る。
「ふふっ。何も出来ないだろう。お前はこの意思がある限り何も行動はできない。普通のスキルも、神としてもお前ができることなど何もないのだ。大人しくしていろ。」
俺を左腕一本で軽々と持ち上げたオルガは、通路に向かって走っていく。それを見たクリスが俺に向かって叫んでいるのが見えた。
「タケル!」
「僕は死にませんから!大丈夫ですから!絶対死なないで!」
そのあとすぐに通路に入ってしまい、それしか言えなかった。俺はこの世界の体が死んでも、ログオフして体を作り直してログインすることだってできるけど、この世界の住人であるクリスは一度死んでしまったらデータは復活しない。もし時間を巻き戻してデータを復活させたとしても、それはまた違うセーブデータだから同じ人じゃない。
「ずいぶん余裕だねえ…まあこの世の生き死になんてあなたには関係ないんだろうけどね!」
そう言って目の前に現れた選抜メンバーたちがびっくりした様子でこちらを見ている。彼らは救助した女性たちを外に連れ出している途中だったのだ。突然現れた俺を抱えたオルガに何が起きているのかわからない様子だった。
「ギルド長!?」「な!オルガ殿?」
ついさっきまで味方として一緒にいた彼女が放った黒糸になすすべなく体を拘束される。第一波の攻撃を避けた者もいたが反撃するいとまもない間に彼女に再び動きを拘束される。
狭い通路であるにもかかわらず器用に間をすり抜けて、彼らを抜き去った後もスピードを落とさずに彼女は俺を抱えたまま外に向かって走っていった。
「どこにいくんですか!」
「黙っていろ!舌を噛みたくなかったらな!」
間も無く俺の開けた通路から外に出た。そこからさらに数分走ると、黒装束に身を包んだ集団がその先に待ち構えていた。
「な、何を…」
「神ならなんでもお見通しなんだろう?いちいち説明する必要はないと思うが。」
「わかりませんよ!なんであなたがこんなことをするんですか!?」
「神を恨む奴が宰相だけなわけないだろう?」
そういうと彼女の耳が細長い特徴的な耳になっていることを見て、俺は納得した。彼女も魔族だったんだ。
あんなに近くにいたのに全く気が付かなかった。
俺とオルガが黒装束たちに囲まれて、何かぶつぶつと唱えたと思ったら瞬時に景色が変わる。
そこはどこかの城の一室の様だった。
「神よ。我らが中心地カーボニアの主城へようこそ。」
ソフトハットを被り、高級そうな魔導ローブに身を包んだ男…帝国の宰相、グラファイトが目を細めて口を歪ませながら目の前に立っていた。
行動がほとんど封じられた自分はしばらくクリスの元に戻れなさそうだと、絶望的な気分になった。
呪いの石はあの六角柱と同じ紫色をしている。多分同じ素材なのだろう。そんな素材が存在していること自体全く知らなかった。
グラファイトの冷たい視線を浴びながら、なすすべなく呪いの石でできていると思われる腕輪や足輪をかけられた。当然神機能でロックを外そうと思ってもできなかった。
「その石何でできていると思います?ふふっ。あなたを呪って死んだ者たちの遺灰が混ざっているのですよ。世界各地に送った封印柱も同じ。わかりますか?それだけ多くの者があなたを呪っているのですよ。」
背筋にゾゾゾと悪寒が走る。でもこれはこの石が気持ち悪いのではなくて、そんなものを作ってまで俺を追い込もうとするこいつの執念が気持ち悪いのだ。
確かに全ての人を見守ることはできない。こいつが恨みたい気持ちもわかる。でもどう考えたって、他にできることなんていくらでもあるだろうと思う。
現実の世界だって、神頼みしたからといって何も努力しなければ何も得られないし運だって巡ってこない。でもそんなことを言っても目の前の人物が納得することはないのだろう。
「ふ!無様だな。神もこうして力を失えばただの人と変わらんな。」
「ええ。その通りです。今や人間どもの崇拝する神は我らの手中に。あとはゆっくりと侵攻作戦を練るとしましょうかね。ああ、あなたはそうしてゆっくりと我らの活躍をお見守りください。どうせ見ること「だけ」はできるのでしょう?」
やたらと「だけ」を強調したグラファイトは嫌味ったらしく、俺に祈りのポーズをしてこの部屋を出ていった。オルガや一緒に転移してきた黒装束たちも部屋を出ていく。
一人になって一番に思うのはクリスのことだ。彼は色々な世界で色々な不運にあってきた。そして高い可能性で世界を救う前に死に至る。生来の人の良さから時には騙されたり、自分から危険な場所に身を投じることもよくある。それが自分の力と不釣り合いであったとしてもだ。
俺がそばにいない間に彼に何かないかが一番心配だ。
改めて部屋を見渡してみると、調度品はないがベッドやテーブル、椅子、ソファなんかの一通りの家具は置いてある。ここに連れられてきた時には拷問でもされるのかと思ったが、人並みの対応はしてくれるらしくほっとする。
ソファに座り、ほうとため息を着くとドアがノックされた。
返事をすると一人の白髪で品のいい黒いコートを着た、威厳漂う男性が入ってきた。
「ど、どうぞ。」
向かいのソファを進めると、その男性はゆっくりと席につく。それと同時にメイド服をきた数人の侍女らしき人たちが間にあるテーブルにお茶や菓子を置いていく。
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「え!」
「こうして改めて見てみると、ずいぶん可愛らしいお姿なのですな。この姿であなたが神だと気づく者はそうはおらんでしょう。」
「いえいえ…なんか、すみません。」
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「それにしてもまさかあなたが人間として顕現したことを察知して、こうして攫ってくるなどとは…。だが、申し訳ないが神よ。私にもあいつの行動をおいそれと制限することはできないのだ。今や魔族の大半はグラファイトの考えに同調するものばかり。世界侵略という言葉に陶酔している。」
「そうではない考えの方も多いのですか?」
「力で押さえつけても後々禍根を残し、いつの日か同じことをされることは私たちが一番よくわかっている。さらに神の力を封じたら世界にどのような悪影響を与えるのか、あやつらはわかっていないのだ。」
そうだ。今回この石のせいで俺のできることは大幅に制限されてしまっている。まだログアウトもしていないから創造者モードで何ができるのかと言うこともわからない。
さらにいえばゲームとして、どんな不具合が発生するのかそれもまだわからない。
まずは一旦ログアウトして、自分ができることを探す必要があると感じた。
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申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
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