72 / 91
第2章
65話 実験体たちと戦う俺
しおりを挟む
洞窟内部に入った俺たちは物音を立てないように内部の洞窟を捜索する。牢屋の様…というか牢屋には女性たちが捉えられていた。俺たちの姿を見た女性たちは最初警戒していたが、救助のためにきたとわかるとわっと歓声を上げてしまった。
「シー!シー!」
指に人差し指を当てて静かにするようにジェスチャーするとふっと静かになるが、外の犯人たちに気づかれてしまったかもしれない。
そんな中慌てた様子で一人の女性が牢屋の奥から前に進み出てきた。
「今すぐ逃げなさい!間も無く化け物たちがやってくるはずです。いくら強そうなあなたたちでも叶うかどうか…」
彼女の顔を見てあっと思った。
うっすら茶髪かかっていて、後ろ髪に青リボン。長らく捕まっていてやつれた顔をしているがラルスに見せてもらった娘のエラに間違いなかった。
「あなたがエラさんですか?」
「はい、そうですが…。どうして?」
「あなた方を助けにきました!」
「ありがとう。でも…」
そうエラが言いかけたところで通路奥の重たい扉がギィィィと開く音がする。
シューシューと言う声なのだか、呼吸音なのだかが聞こえてきた。
「タケル!後方に下がるんだ!」
「作戦開始だ!待機組に合図を!」
クリスが俺の襟首を持って自分の方に引き寄せると同時に、キーレンはまだ通路に残っていた騎士たちに指示を出した。
程なくして開いた扉からは高さが2m以上はある巨人が現れた。左手が異常に大きく、それぞれの指が大きな鋭利な鍵爪の様になっている。あれに殴られたら一撃で致命傷をおいそうだ。久しぶりの実験体との対峙に体が強張る。
気を取り直して、俺はすかさず心の中でライブラリーとつぶやいた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
異形なる者No.003
属性 闇 LV 65
魔族による人体実験により肉体改造された人間だったもの。
元の人間のときの倍の筋力と魔法抵抗力が身に付いている。
身体の一部が鋭利な武器になっており、素早く行動し獲物を狩る。
物理攻撃無効
迅速
弱点:聖属性攻撃
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
よかった。聖魔法攻撃はまだ弱点の様だ。俺はすかさず聖魔法ビームを放って、実験体に通用するところをパーティに見せる。
実験体はまともに魔法を受けて苦しそうに後退する。こいつは聖属性でも物理攻撃より魔法攻撃が効きやすい。
「こいつも聖魔法が弱点みたいです!」
「タケル、奴とは俺が相対するから前に出るな!」
クリスが必死に俺を後方に下がるように前に出る。
それと同時にキーレンは騎士団や冒険者たちに指示を出した。
「この化け物は私たちが請け負う!お前たちは牢屋にいる人たちを救助してくれ!」
騎士団と冒険者の選抜メンバーたちは俺たちの後方にある牢屋に向かい、鍵を次々と開けて開放していく。
そのさらに後方には俺が作った通路がある。ひとまずはそこまで彼女たちを逃げさせれば、作戦の第一目的は成功だ。
俺たちがのっぽの実験体と主に聖魔法や聖魔法属性で戦っていると、急に実験体の前にバリアのようなものができて魔法を弾かれてしまった。そのことに驚いていたら、奥からもう一体化け物が出てきた。
高さはそれほど大きくないが、全身がヒルの様な触手をしていて、見るからにグロテスクな姿をしている。
こちらにも「ライブラリー」とつぶやいて、やつのステータスを覗くことにした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
異形なる者No.004
属性 闇 LV 55
魔族による人体実験により肉体改造された人間だったもの。
全身に吸血ヒルが移植されており、直接人間からエネルギーを吸収する。
魔法攻撃や魔法防御が得意なのは元の人間であった時の特性である。
通称は「ヒル女」。
魔法攻撃無効
吸血
弱点:聖属性攻撃
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ヒル女」?と言うことは元々は女性だったらしい。
この状態になって元に戻るかどうかはわからないけれど、できることなら戻してあげたい。
のっぽの実験体が魔法防御による援護を受けたことで急に勢いづいた。
もしかしたらこの2体は対で戦うことが前提なのかもしれない。
キーレンやクリスは前面に出て戦っていたが、相手の動きは素早く俺の前にまで進んでくる。
「タケル!」
気がついた時には避けられないところにまでのっぽが近づいていて、身動きが取れなかった。
その瞬間、黒い糸の様なものがのっぽの体に大量に突き刺さり、急に動きが止まる。俺の鼻先まで鉤爪が届きそうになっていた。
え?一体何が起きた?
呆然としていた俺に声がかかる。
「捕まっていた女性たちはすでにここから連れ出すことに成功した。私も共に戦おう。」
ただ驚いていた俺の隣に漆黒の髪の女性が現れた。オルガさんだ。
今動きを止めたのはオルガさんのスキルだったわけか。彼女幅広いなあ…。
そんなオルガさんが戦いに加わってくれたのはとても心強い。
と思ったが、まだ戦況は好転したわけじゃない。
相変わらず、ヒル女がのっぽに魔法防御を施しているせいで、俺とベレッタの魔法が効かないのだ。
だから物理攻撃のできるクリスとキーレン、妨害スキルが使えるオルガしか応戦できない。
そうこうしているうちにのっぽを足止めしていた黒い糸が破られてしまった。
動きが自由になったのっぽが鉤爪を大きく振りかざして、クリスたちに襲いかかる。
案の定、クリスたちに施した魔法防御がのっぽの鉤爪を弾く。
完全に膠着状態に陥っている。俺はこの状態を打開するため、意を決してみんなに声をかけた。
「あのヒルみたいなやつには物理攻撃が効きます!まずはあいつを仕留めないと攻撃が効きません!」
「わかったタケル!」
「では私はあのデカブツの動きを止めよう。」
すぐに連携が始まり、クリスとキーレンがヒル女に攻撃を仕掛ける。そのおかげでヒル女の魔法防御が解け、のっぽに攻撃する好きができた。
オルガは先ほどの黒い糸や見た目にはよくわからない攻撃を繰り出して、のっぽの動きを封じている。
「デカブツの魔法防御が解けた!魔法が効くぞ!」
オルガの声を合図に俺とベレッタで聖魔法を集中してのっぽに撃ち放つ。
魔法防御を失ったのっぽには俺たちの聖魔法を防ぐ術はもはやなく、ただの的になっていた。
しばらく全身に聖魔法の攻撃を受けたのっぽはそのうちに焼け爛れて、うめくような声を出したがらそのままその場に倒れた。倒れたのっぽが身動きしないことを確認して俺は叫ぶ。
「のっぽは倒せました!」
「よし!あとはこいつだけだ!」
のっぽが沈黙した今、倒すべき相手はヒル女だけになった。
自分が劣勢に立たされたことに気づいたのか、「キィィィィィィ!」と甲高い鳴き声で叫ぶ。
思わず耳を塞いでいる間にもクリスとキーレンが聖剣で攻撃を絶え間なく当てている。
ヒル女もさまざまな魔法を駆使して応戦するが、俺の魔法防御によって2人にはダメージがいかない。
あいつを倒せるのも時間の問題だろう。
そう思っていたら、急に体から力が抜けていった。
倒れそうになったところで、体を誰かに受け止められる。
「危ないところだったな。タケル。」
なんだオルガさんか…。ほっと思って、「ありがとうございます」と言おうとしていたら、彼女は想いもよらないことを口にした。
「くくっ。流石に神といえど、呪いの石の力には抗えないようだ。」
ニヤリと歪んだ笑みを見せるオルガの顔は、見たこともないほど邪悪だった。
「シー!シー!」
指に人差し指を当てて静かにするようにジェスチャーするとふっと静かになるが、外の犯人たちに気づかれてしまったかもしれない。
そんな中慌てた様子で一人の女性が牢屋の奥から前に進み出てきた。
「今すぐ逃げなさい!間も無く化け物たちがやってくるはずです。いくら強そうなあなたたちでも叶うかどうか…」
彼女の顔を見てあっと思った。
うっすら茶髪かかっていて、後ろ髪に青リボン。長らく捕まっていてやつれた顔をしているがラルスに見せてもらった娘のエラに間違いなかった。
「あなたがエラさんですか?」
「はい、そうですが…。どうして?」
「あなた方を助けにきました!」
「ありがとう。でも…」
そうエラが言いかけたところで通路奥の重たい扉がギィィィと開く音がする。
シューシューと言う声なのだか、呼吸音なのだかが聞こえてきた。
「タケル!後方に下がるんだ!」
「作戦開始だ!待機組に合図を!」
クリスが俺の襟首を持って自分の方に引き寄せると同時に、キーレンはまだ通路に残っていた騎士たちに指示を出した。
程なくして開いた扉からは高さが2m以上はある巨人が現れた。左手が異常に大きく、それぞれの指が大きな鋭利な鍵爪の様になっている。あれに殴られたら一撃で致命傷をおいそうだ。久しぶりの実験体との対峙に体が強張る。
気を取り直して、俺はすかさず心の中でライブラリーとつぶやいた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
異形なる者No.003
属性 闇 LV 65
魔族による人体実験により肉体改造された人間だったもの。
元の人間のときの倍の筋力と魔法抵抗力が身に付いている。
身体の一部が鋭利な武器になっており、素早く行動し獲物を狩る。
物理攻撃無効
迅速
弱点:聖属性攻撃
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
よかった。聖魔法攻撃はまだ弱点の様だ。俺はすかさず聖魔法ビームを放って、実験体に通用するところをパーティに見せる。
実験体はまともに魔法を受けて苦しそうに後退する。こいつは聖属性でも物理攻撃より魔法攻撃が効きやすい。
「こいつも聖魔法が弱点みたいです!」
「タケル、奴とは俺が相対するから前に出るな!」
クリスが必死に俺を後方に下がるように前に出る。
それと同時にキーレンは騎士団や冒険者たちに指示を出した。
「この化け物は私たちが請け負う!お前たちは牢屋にいる人たちを救助してくれ!」
騎士団と冒険者の選抜メンバーたちは俺たちの後方にある牢屋に向かい、鍵を次々と開けて開放していく。
そのさらに後方には俺が作った通路がある。ひとまずはそこまで彼女たちを逃げさせれば、作戦の第一目的は成功だ。
俺たちがのっぽの実験体と主に聖魔法や聖魔法属性で戦っていると、急に実験体の前にバリアのようなものができて魔法を弾かれてしまった。そのことに驚いていたら、奥からもう一体化け物が出てきた。
高さはそれほど大きくないが、全身がヒルの様な触手をしていて、見るからにグロテスクな姿をしている。
こちらにも「ライブラリー」とつぶやいて、やつのステータスを覗くことにした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
異形なる者No.004
属性 闇 LV 55
魔族による人体実験により肉体改造された人間だったもの。
全身に吸血ヒルが移植されており、直接人間からエネルギーを吸収する。
魔法攻撃や魔法防御が得意なのは元の人間であった時の特性である。
通称は「ヒル女」。
魔法攻撃無効
吸血
弱点:聖属性攻撃
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ヒル女」?と言うことは元々は女性だったらしい。
この状態になって元に戻るかどうかはわからないけれど、できることなら戻してあげたい。
のっぽの実験体が魔法防御による援護を受けたことで急に勢いづいた。
もしかしたらこの2体は対で戦うことが前提なのかもしれない。
キーレンやクリスは前面に出て戦っていたが、相手の動きは素早く俺の前にまで進んでくる。
「タケル!」
気がついた時には避けられないところにまでのっぽが近づいていて、身動きが取れなかった。
その瞬間、黒い糸の様なものがのっぽの体に大量に突き刺さり、急に動きが止まる。俺の鼻先まで鉤爪が届きそうになっていた。
え?一体何が起きた?
呆然としていた俺に声がかかる。
「捕まっていた女性たちはすでにここから連れ出すことに成功した。私も共に戦おう。」
ただ驚いていた俺の隣に漆黒の髪の女性が現れた。オルガさんだ。
今動きを止めたのはオルガさんのスキルだったわけか。彼女幅広いなあ…。
そんなオルガさんが戦いに加わってくれたのはとても心強い。
と思ったが、まだ戦況は好転したわけじゃない。
相変わらず、ヒル女がのっぽに魔法防御を施しているせいで、俺とベレッタの魔法が効かないのだ。
だから物理攻撃のできるクリスとキーレン、妨害スキルが使えるオルガしか応戦できない。
そうこうしているうちにのっぽを足止めしていた黒い糸が破られてしまった。
動きが自由になったのっぽが鉤爪を大きく振りかざして、クリスたちに襲いかかる。
案の定、クリスたちに施した魔法防御がのっぽの鉤爪を弾く。
完全に膠着状態に陥っている。俺はこの状態を打開するため、意を決してみんなに声をかけた。
「あのヒルみたいなやつには物理攻撃が効きます!まずはあいつを仕留めないと攻撃が効きません!」
「わかったタケル!」
「では私はあのデカブツの動きを止めよう。」
すぐに連携が始まり、クリスとキーレンがヒル女に攻撃を仕掛ける。そのおかげでヒル女の魔法防御が解け、のっぽに攻撃する好きができた。
オルガは先ほどの黒い糸や見た目にはよくわからない攻撃を繰り出して、のっぽの動きを封じている。
「デカブツの魔法防御が解けた!魔法が効くぞ!」
オルガの声を合図に俺とベレッタで聖魔法を集中してのっぽに撃ち放つ。
魔法防御を失ったのっぽには俺たちの聖魔法を防ぐ術はもはやなく、ただの的になっていた。
しばらく全身に聖魔法の攻撃を受けたのっぽはそのうちに焼け爛れて、うめくような声を出したがらそのままその場に倒れた。倒れたのっぽが身動きしないことを確認して俺は叫ぶ。
「のっぽは倒せました!」
「よし!あとはこいつだけだ!」
のっぽが沈黙した今、倒すべき相手はヒル女だけになった。
自分が劣勢に立たされたことに気づいたのか、「キィィィィィィ!」と甲高い鳴き声で叫ぶ。
思わず耳を塞いでいる間にもクリスとキーレンが聖剣で攻撃を絶え間なく当てている。
ヒル女もさまざまな魔法を駆使して応戦するが、俺の魔法防御によって2人にはダメージがいかない。
あいつを倒せるのも時間の問題だろう。
そう思っていたら、急に体から力が抜けていった。
倒れそうになったところで、体を誰かに受け止められる。
「危ないところだったな。タケル。」
なんだオルガさんか…。ほっと思って、「ありがとうございます」と言おうとしていたら、彼女は想いもよらないことを口にした。
「くくっ。流石に神といえど、呪いの石の力には抗えないようだ。」
ニヤリと歪んだ笑みを見せるオルガの顔は、見たこともないほど邪悪だった。
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
罪人の僕にはあなたの愛を受ける資格なんてありません。
にゃーつ
BL
真っ白な病室。
まるで絵画のように美しい君はこんな色のない世界に身を置いて、何年も孤独に生きてきたんだね。
4月から研修医として国内でも有数の大病院である国本総合病院に配属された柏木諒は担当となった患者のもとへと足を運ぶ。
国の要人や著名人も多く通院するこの病院には特別室と呼ばれる部屋がいくつかあり、特別なキーカードを持っていないとそのフロアには入ることすらできない。そんな特別室の一室に入院しているのが諒の担当することになった国本奏多だった。
看護師にでも誰にでも笑顔で穏やかで優しい。そんな奏多はスタッフからの評判もよく、諒は楽な患者でラッキーだと初めは思う。担当医師から彼には気を遣ってあげてほしいと言われていたが、この青年のどこに気を遣う要素があるのかと疑問しかない。
だが、接していくうちに違和感が生まれだんだんと大きくなる。彼が異常なのだと知るのに長い時間はかからなかった。
研修医×病弱な大病院の息子
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
王太子殿下は悪役令息のいいなり
白兪
BL
「王太子殿下は公爵令息に誑かされている」
そんな噂が立ち出したのはいつからだろう。
しかし、当の王太子は噂など気にせず公爵令息を溺愛していて…!?
スパダリ王太子とまったり令息が周囲の勘違いを自然と解いていきながら、甘々な日々を送る話です。
ハッピーエンドが大好きな私が気ままに書きます。最後まで応援していただけると嬉しいです。
書き終わっているので完結保証です。
悪役令息の死ぬ前に
やぬい
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」
ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。
彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。
さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。
青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。
「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」
男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる