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第1章
番外編1 魔王城にて
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魔帝国カーボニア、魔王城の一室。
ここには魔王より全権を委ねられた宰相グラファイトが部下から報告を受けていた。
「ーー以上が、クルドがここに連行されるまでの経緯となります。」
「そうか。ご苦労だった。クルドは即刻処刑。ファーレンには事実のみ通告せよ。謝罪の必要はない。」
「はっ!承知致しました。ではこれで。」
退去しようとする部下に鷹揚に頷き、部下が退室した事を認めると、グラファイトは大きくため息をついて深く椅子に腰掛けた。
クルドの失敗によって失われたものは大きい。現在開発中の大規模破壊魔法の魔力源として魔力の高い子供達を手に入れる機会を失ったばかりか、人間側最大の国ファーレン騎士団長との関係が絶たれてしまった。
本格的に世界制覇に向けてここ100年の間、着実に進めていた計画に一部だが綻びが出てしまった。
この損失に対して必要な計画の変更を考える。
魔力源を他に確保する必要は出てくるが、それも成人の人間を使えば効率は悪くなるが問題がない。
騎士団との関係は絶たれたがまだファーレンには他の「つなぎ」がある。それらを活用すればそこまで大きな計画の必要はなさそうだ。
「まあ、過ぎてしまったことは仕方ない、か。」
グラファイトはその冷静な判断力と先々を見通した先見性を魔王に大いに評価され、この100年間、宰相の座を守った傑物である。今回の失敗は大きなものではあるが、そうした事態も想定内の一部である、と即座に意識を切り替えた。
次に行動すべきことを考えるために、机の上にある書物に目を通す。
書物には今回のクルドの事件に関する報告書と書かれている。
報告書の内容に今一度目を通すと、クルド自身の証言による部分に目がいく。
『私の魔法が全てなす術なく防がれた。王子に伴っていた治療士にやられた。』
『物理攻撃無効、全魔法耐性を備えた実験体1号が倒されたことがいまだに不可解。あの場に実験体を倒すほどの聖
魔法を持つものはいなかったはず。』
その場には王子、冒険者3名の他に王子直属の部隊と神殿騎士隊がいたと言う報告がある。
王宮の発表により、冒険者3名の名はクリス、タケル、ベレッタということがわかっている。
神殿騎士隊の中でも聖魔法を使えるものはそんなに多くはない。もしイレギュラーな何かがあったとしたら、この3名が何かしらの方法で実験体を倒したことになるだろう。
「ふむ…。クリスと治療士タケルか…」
グラファイトは思案する。この2名は確かウーヌス村の報告書でも読んだはずだ。
そう思いたつとすぐさま書棚に向かい過去の報告書を引っ張り出すと乱暴に報告書をめくった。
報告書の表紙には「ウーヌス村襲撃作戦報告書」と書かれている。
「クリスと治療士…これだ。」
報告書には「神」から頻繁にお告げがなされる「神に祝福された村ウーヌス」に先日行った作戦の詳細と顛末が書かれている。結果は失敗であったが、そういったものも詳細に内容を記録しておくことで次の対策を練ることができる。
『転移により送り込んだミスティック・グリズリー35体が突如として消滅。同時にウーヌス村半径3キロ範囲にモンスターを防ぐ強力な結界が張られる。
村に潜ませた間者の話では、その後神よりお告げがあり、モンスター消失と結界は神によるものであることが告げられた、とのこと。さらにお告げでは魔王討伐のために「クリス」という者を旅立たせるように指示。この者と前日よりこの村を訪れていた治療士が連れ添って村を出ていった。』
「魔王討伐のために旅立たせたクリスという者も気になるが、この治療士の存在も気になるな。一体何者だ?」
グラファイトは思案する。もう一度、この村を攻めることにした経緯とその結果を確認しながら。
ウーヌス村はファーレン北西部の辺境にある小さな村だ。本来であれば戦略的にここを攻める必要はまるでないが、神が頻繁にお告げをするとなると話は全く異なってくる。
これまで幾度となく人類の争いに直接的あるいは間接的に関与してきた神は、破滅的な争いになりそうなときにのみその姿を現し、その力を行使した。
ある意味人類が滅びなければよい、というくらいに消極的な関わりしかしてこなかった神がなぜこのウーヌス村に深く関わろうとしているのか?
神が我々のしようとしていることを察知している可能性は高い。従って、我々のやろうとしている世界侵略を防ぐための「何か」があの村にあって、そのために頻繁にお告げをする必要があった、と考えることができる。
だからウーヌス村を攻めた。推測を確かめるために。
そして事実神はこの村を守った。
さらに神はお告げで「クリス」という若者を世界を守るために旅立たせよと指示したという。
となると神はこの者のために頻繁にこの村に関わっていたと考えるのが妥当であろう。
『さらにこの者に連れ立って旅に出たのが、先ほど出てきた治療士か…』
魔族の中でも有数の実力者であったクルドの魔法を尽く跳ね除け、神の使命を受けた勇者と行動を共にする治療士。
治療士の名前は確かタケルといったか。この者が一人聖魔法が使えたとして、実験体が倒されるのだろうか。それほどまでの人物なのだろうか。いや、もし彼が一人で倒したとなればもっと大きい扱いになるはず。ということはそうではない。
…おそらく「また」神が何らかの奇跡を行使したのであろう。
なぜこうもクリスとタケルの身の回りで奇跡が頻発するのだろうか?
まるでクリスたちを守っているように見える。
いや、「クリス」を守ろうとしているか?
もしかしたら、タケルという治療士の正体は…。
「ククククク。ついに我慢できずに自ら降臨したというのか。神よ。」
グラファイトは一つの結論に到達する。神が自らこの世界に顕現したことを歓喜する。
そう考えると全ての事実に合点がいくのだ。
世界を征服する一番の障害は神の奇跡である。
神の忠告に従わずに、国の版図を広げようすると必ず災害がその国を襲う。それで直接国が滅びるということはないが、災害への対応に追われてよその国を襲う余裕がなくなるのだ。
世界征服を考えた大国はその後緩やかに衰退していく。歴史書に大国の盛衰は詳細に綴られている。
だからここ数百年の間大きな戦争はなかった。どこの国もわざわざ戦争をして、欲をかいて神の不評を買いたいなどとは思わない。
だからこそグラファイトは慎重に国力を増やし、世界を侵攻する計画を進めてきた。
武力によるそれらしい戦争ではなく、内部から崩壊させるための方策を次々に立てて実行してきた。
はるか昔に一度姿を見せただけで、ただ言葉と奇跡のみで戦争を食い止めてきた神が、今回は自らの姿を人間を象って顕現した、と考えれば今までのこと全てに合点がいく。
自らの力をその場で行使しているのだから、奇跡が頻発するのは当然だ。
神そのものが顕現したとするなら、その力は確かに驚異だが、それは逆に千載一遇のチャンスでもある。
実体がなければ何も手を出すことはできない。だが、今や神は肉体を持ってこの世にいるのだ。
肉体を持ち、この世界にいるのであれば何かしら方法はあるはず。
そして、神を永遠にこの世界から弾き出し、関われないようにする。
その上でゆっくりと世界を内部から外部から侵略し、我ら魔族のユートピアを作るのだ。
それがクルドだけでなく、魔王の願いであり、全ての魔族の願いなのである。
「必ず…あなたを超えてみせる。神よ。」
グラファイトはそう呟くと、先ほどの部下を呼び出し、勇者クリスとそれに連れ立つ治療士の詳細を調べ、逐一行動を報告するように伝えた。部下は命令を了承するとすぐに退室した。
グラファイトは窓の外を眺めながら、ぎりりとその遥か先にある大陸の方向を睨みつける。
「あなたの思うようにはさせない。絶対に神のいない世界を作るのだ。」
ここには魔王より全権を委ねられた宰相グラファイトが部下から報告を受けていた。
「ーー以上が、クルドがここに連行されるまでの経緯となります。」
「そうか。ご苦労だった。クルドは即刻処刑。ファーレンには事実のみ通告せよ。謝罪の必要はない。」
「はっ!承知致しました。ではこれで。」
退去しようとする部下に鷹揚に頷き、部下が退室した事を認めると、グラファイトは大きくため息をついて深く椅子に腰掛けた。
クルドの失敗によって失われたものは大きい。現在開発中の大規模破壊魔法の魔力源として魔力の高い子供達を手に入れる機会を失ったばかりか、人間側最大の国ファーレン騎士団長との関係が絶たれてしまった。
本格的に世界制覇に向けてここ100年の間、着実に進めていた計画に一部だが綻びが出てしまった。
この損失に対して必要な計画の変更を考える。
魔力源を他に確保する必要は出てくるが、それも成人の人間を使えば効率は悪くなるが問題がない。
騎士団との関係は絶たれたがまだファーレンには他の「つなぎ」がある。それらを活用すればそこまで大きな計画の必要はなさそうだ。
「まあ、過ぎてしまったことは仕方ない、か。」
グラファイトはその冷静な判断力と先々を見通した先見性を魔王に大いに評価され、この100年間、宰相の座を守った傑物である。今回の失敗は大きなものではあるが、そうした事態も想定内の一部である、と即座に意識を切り替えた。
次に行動すべきことを考えるために、机の上にある書物に目を通す。
書物には今回のクルドの事件に関する報告書と書かれている。
報告書の内容に今一度目を通すと、クルド自身の証言による部分に目がいく。
『私の魔法が全てなす術なく防がれた。王子に伴っていた治療士にやられた。』
『物理攻撃無効、全魔法耐性を備えた実験体1号が倒されたことがいまだに不可解。あの場に実験体を倒すほどの聖
魔法を持つものはいなかったはず。』
その場には王子、冒険者3名の他に王子直属の部隊と神殿騎士隊がいたと言う報告がある。
王宮の発表により、冒険者3名の名はクリス、タケル、ベレッタということがわかっている。
神殿騎士隊の中でも聖魔法を使えるものはそんなに多くはない。もしイレギュラーな何かがあったとしたら、この3名が何かしらの方法で実験体を倒したことになるだろう。
「ふむ…。クリスと治療士タケルか…」
グラファイトは思案する。この2名は確かウーヌス村の報告書でも読んだはずだ。
そう思いたつとすぐさま書棚に向かい過去の報告書を引っ張り出すと乱暴に報告書をめくった。
報告書の表紙には「ウーヌス村襲撃作戦報告書」と書かれている。
「クリスと治療士…これだ。」
報告書には「神」から頻繁にお告げがなされる「神に祝福された村ウーヌス」に先日行った作戦の詳細と顛末が書かれている。結果は失敗であったが、そういったものも詳細に内容を記録しておくことで次の対策を練ることができる。
『転移により送り込んだミスティック・グリズリー35体が突如として消滅。同時にウーヌス村半径3キロ範囲にモンスターを防ぐ強力な結界が張られる。
村に潜ませた間者の話では、その後神よりお告げがあり、モンスター消失と結界は神によるものであることが告げられた、とのこと。さらにお告げでは魔王討伐のために「クリス」という者を旅立たせるように指示。この者と前日よりこの村を訪れていた治療士が連れ添って村を出ていった。』
「魔王討伐のために旅立たせたクリスという者も気になるが、この治療士の存在も気になるな。一体何者だ?」
グラファイトは思案する。もう一度、この村を攻めることにした経緯とその結果を確認しながら。
ウーヌス村はファーレン北西部の辺境にある小さな村だ。本来であれば戦略的にここを攻める必要はまるでないが、神が頻繁にお告げをするとなると話は全く異なってくる。
これまで幾度となく人類の争いに直接的あるいは間接的に関与してきた神は、破滅的な争いになりそうなときにのみその姿を現し、その力を行使した。
ある意味人類が滅びなければよい、というくらいに消極的な関わりしかしてこなかった神がなぜこのウーヌス村に深く関わろうとしているのか?
神が我々のしようとしていることを察知している可能性は高い。従って、我々のやろうとしている世界侵略を防ぐための「何か」があの村にあって、そのために頻繁にお告げをする必要があった、と考えることができる。
だからウーヌス村を攻めた。推測を確かめるために。
そして事実神はこの村を守った。
さらに神はお告げで「クリス」という若者を世界を守るために旅立たせよと指示したという。
となると神はこの者のために頻繁にこの村に関わっていたと考えるのが妥当であろう。
『さらにこの者に連れ立って旅に出たのが、先ほど出てきた治療士か…』
魔族の中でも有数の実力者であったクルドの魔法を尽く跳ね除け、神の使命を受けた勇者と行動を共にする治療士。
治療士の名前は確かタケルといったか。この者が一人聖魔法が使えたとして、実験体が倒されるのだろうか。それほどまでの人物なのだろうか。いや、もし彼が一人で倒したとなればもっと大きい扱いになるはず。ということはそうではない。
…おそらく「また」神が何らかの奇跡を行使したのであろう。
なぜこうもクリスとタケルの身の回りで奇跡が頻発するのだろうか?
まるでクリスたちを守っているように見える。
いや、「クリス」を守ろうとしているか?
もしかしたら、タケルという治療士の正体は…。
「ククククク。ついに我慢できずに自ら降臨したというのか。神よ。」
グラファイトは一つの結論に到達する。神が自らこの世界に顕現したことを歓喜する。
そう考えると全ての事実に合点がいくのだ。
世界を征服する一番の障害は神の奇跡である。
神の忠告に従わずに、国の版図を広げようすると必ず災害がその国を襲う。それで直接国が滅びるということはないが、災害への対応に追われてよその国を襲う余裕がなくなるのだ。
世界征服を考えた大国はその後緩やかに衰退していく。歴史書に大国の盛衰は詳細に綴られている。
だからここ数百年の間大きな戦争はなかった。どこの国もわざわざ戦争をして、欲をかいて神の不評を買いたいなどとは思わない。
だからこそグラファイトは慎重に国力を増やし、世界を侵攻する計画を進めてきた。
武力によるそれらしい戦争ではなく、内部から崩壊させるための方策を次々に立てて実行してきた。
はるか昔に一度姿を見せただけで、ただ言葉と奇跡のみで戦争を食い止めてきた神が、今回は自らの姿を人間を象って顕現した、と考えれば今までのこと全てに合点がいく。
自らの力をその場で行使しているのだから、奇跡が頻発するのは当然だ。
神そのものが顕現したとするなら、その力は確かに驚異だが、それは逆に千載一遇のチャンスでもある。
実体がなければ何も手を出すことはできない。だが、今や神は肉体を持ってこの世にいるのだ。
肉体を持ち、この世界にいるのであれば何かしら方法はあるはず。
そして、神を永遠にこの世界から弾き出し、関われないようにする。
その上でゆっくりと世界を内部から外部から侵略し、我ら魔族のユートピアを作るのだ。
それがクルドだけでなく、魔王の願いであり、全ての魔族の願いなのである。
「必ず…あなたを超えてみせる。神よ。」
グラファイトはそう呟くと、先ほどの部下を呼び出し、勇者クリスとそれに連れ立つ治療士の詳細を調べ、逐一行動を報告するように伝えた。部下は命令を了承するとすぐに退室した。
グラファイトは窓の外を眺めながら、ぎりりとその遥か先にある大陸の方向を睨みつける。
「あなたの思うようにはさせない。絶対に神のいない世界を作るのだ。」
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