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その日は突然やって来る
異世界へ
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その瞬間、空が一瞬光った。
何も見えない程の強い光。
そして時間差でけたたましく大きな音が聞こえたかと思うと、次の瞬間にはとてつもない衝撃と爆風が追いかけて来た。
あまりに一瞬の出来事の筈なのに、将樹には永遠に感じる様な時間だった。
横目に映るテントの場所には、何処から降って来たのか分からない巨大な岩がありテントは見えない。
周りの木々はどこに行ったのかも分からないが、その場には無かった。
〝ああそっか、忠告を聞かなかったから…〟
将樹の頭にその言葉がよぎり、辿り着いた答えは〝死〟だった。
もう1度川に目をやると、先程の蒼白い魚がこちらを見ている。
〝君が教えてくれていたんだね…ごめんね…〟
将樹の一瞬の長い時間が終わりを告げる時、将樹の目からは涙がこぼれていた。
そして静かに目の前が真っ暗になる。
あの出来事からどれ位の時間が経ったのだろうか。
ーーーーーバシャンッーーーーー
弾ける水の音と共に目が覚めた。
「あ…れ…」
将樹は真っ白い何も無い世界に居た。
「こ…こ…は……」
頭がぼーっとする、考えが追いつかない。
「そっか…僕あの爆発で…死んじゃったんだ…て事は、ここは…天…国。」
すると、最後に見た光景が将樹の頭の中に蘇って来る。
潰れたテント。
瞬間、涙が溢れて来た。
「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
息が出来ない、苦しい、後悔が将樹を襲う。
これまでに無い位に大きな声で泣いた。
胸が圧し潰されそうに痛い。
何も無いこの白い空間では将樹の声もどこかに吸い込まれていった。
やがて声や涙が枯れてきた頃。
そして心が空っぽになった時だった。
〝将樹君〟
将樹の耳にあの声が聞こえた。
「あ…この声…」
〝将樹君、君はこの運命を変えたい?〟
あの声が続けて話をする。
「運命を‥変える…?」
〝そう、将樹君とその家族の運命、変える事ができる方法があるとしたら、将樹君はどうする?〟
将樹はその言葉を聞いてあの光景を思い出す。
先程枯れた筈の涙が再び頬を伝う。
「えたい…変えたいよぅ…僕は運命を変えて、家族を取り戻したい!!!!」
叫んだ、将樹は涙を流しながら強く、はっきりと叫んだ。
〝そう…分かったわ…将樹君今から私の言うことをよく聞いて〟
〝あなたには運命を変えるチャンスが与えられる、けどそれは1度きり〟
〝これからあなたは星の世界に行く事になる〟
〝そして、その星の世界で旅をして、ある物を集めなくてはいけない…それは…〟
〝星のカケラ〟
〝星のカケラは全部で十二個…それらを集めた時、あなたは星の祈りと祝福を得る事が出来る〟
〝その世界でもしも死んでしまったら、もう二度とこの世界や現世には戻れない‥すなわち将樹君自身が消失する〟
〝消失すると、もう二度と輪廻転生も出来ない…それでも覚悟があるのなら私が力を授けるわ〟
〝将樹君…貴方にその覚悟と勇気がありますか?〟
その声の言葉に、将樹が迷う事は無かった。
「もちろんです…どうか僕にチャンスを下さい!!」
将樹は藁にもすがる思いだった、チャンスがあるならそれに賭けたい。
それ以外の選択肢は無かった。
何も見えない程の強い光。
そして時間差でけたたましく大きな音が聞こえたかと思うと、次の瞬間にはとてつもない衝撃と爆風が追いかけて来た。
あまりに一瞬の出来事の筈なのに、将樹には永遠に感じる様な時間だった。
横目に映るテントの場所には、何処から降って来たのか分からない巨大な岩がありテントは見えない。
周りの木々はどこに行ったのかも分からないが、その場には無かった。
〝ああそっか、忠告を聞かなかったから…〟
将樹の頭にその言葉がよぎり、辿り着いた答えは〝死〟だった。
もう1度川に目をやると、先程の蒼白い魚がこちらを見ている。
〝君が教えてくれていたんだね…ごめんね…〟
将樹の一瞬の長い時間が終わりを告げる時、将樹の目からは涙がこぼれていた。
そして静かに目の前が真っ暗になる。
あの出来事からどれ位の時間が経ったのだろうか。
ーーーーーバシャンッーーーーー
弾ける水の音と共に目が覚めた。
「あ…れ…」
将樹は真っ白い何も無い世界に居た。
「こ…こ…は……」
頭がぼーっとする、考えが追いつかない。
「そっか…僕あの爆発で…死んじゃったんだ…て事は、ここは…天…国。」
すると、最後に見た光景が将樹の頭の中に蘇って来る。
潰れたテント。
瞬間、涙が溢れて来た。
「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
息が出来ない、苦しい、後悔が将樹を襲う。
これまでに無い位に大きな声で泣いた。
胸が圧し潰されそうに痛い。
何も無いこの白い空間では将樹の声もどこかに吸い込まれていった。
やがて声や涙が枯れてきた頃。
そして心が空っぽになった時だった。
〝将樹君〟
将樹の耳にあの声が聞こえた。
「あ…この声…」
〝将樹君、君はこの運命を変えたい?〟
あの声が続けて話をする。
「運命を‥変える…?」
〝そう、将樹君とその家族の運命、変える事ができる方法があるとしたら、将樹君はどうする?〟
将樹はその言葉を聞いてあの光景を思い出す。
先程枯れた筈の涙が再び頬を伝う。
「えたい…変えたいよぅ…僕は運命を変えて、家族を取り戻したい!!!!」
叫んだ、将樹は涙を流しながら強く、はっきりと叫んだ。
〝そう…分かったわ…将樹君今から私の言うことをよく聞いて〟
〝あなたには運命を変えるチャンスが与えられる、けどそれは1度きり〟
〝これからあなたは星の世界に行く事になる〟
〝そして、その星の世界で旅をして、ある物を集めなくてはいけない…それは…〟
〝星のカケラ〟
〝星のカケラは全部で十二個…それらを集めた時、あなたは星の祈りと祝福を得る事が出来る〟
〝その世界でもしも死んでしまったら、もう二度とこの世界や現世には戻れない‥すなわち将樹君自身が消失する〟
〝消失すると、もう二度と輪廻転生も出来ない…それでも覚悟があるのなら私が力を授けるわ〟
〝将樹君…貴方にその覚悟と勇気がありますか?〟
その声の言葉に、将樹が迷う事は無かった。
「もちろんです…どうか僕にチャンスを下さい!!」
将樹は藁にもすがる思いだった、チャンスがあるならそれに賭けたい。
それ以外の選択肢は無かった。
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