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その日は突然やって来る
キャンプ開始
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「うーん‥あっ!着いたあ!川だ!」
将樹の眠気は一瞬で消え去った。
急いで車から降り、周りを見渡す。
澄んだ空気、鳥のさえずり、見渡す限りの木々、そして待ちに待った川。
将樹の瞳がきらきらと輝いている。
「やったあああ。」
将樹はTシャツを脱ぎ捨て、浮き輪を持ち、裸足になり川に飛び込んだ。
ザブンと大きな水しぶきが宙に舞う。
「冷てぇー!けど気持ち良いー!」
とびっきりの笑顔で将樹が叫んだ。
「将樹、気をつけるのよー。」
そんな将樹の様子を見て、母親が手を振りながら言った。
父親は荷下ろしをしながら、はしゃぐ将樹を見て笑った。
「どうだい、良い所だろ?ここはあまり知られていない場所なんだ。」
父親が母親に少しドヤ顔で話をする。
「確かにね、こんな良い場所なのに他には誰も居ないものね。」
父親の言う通りで、確かにあまり知られていないのだろう、周りには将樹の家族以外誰も居なかった。
静かで綺麗な場所、日常では味わえない非日常な空間に、両親も満足気である。
父親は荷下ろしを終わらせると次に、せっせとキャンプの支度を始めた。
母親は、将樹の様子を見ながら椅子に腰を下ろし、読書をする。
「魚いるかなー。」
一方将樹は魚探しに必死になっていた。
川に潜りながら、魚を探していると将樹の耳にどこからか声が聞こえた。
〝この場所から離れなさい、でないと大変な事になる〟
将樹はびっくりして、すぐに水面へと顔を出した。
「えっ?何?どう言う事?幽霊?」
急に静かにキョトンと立っている将樹を見た母親は読書を中断し、不思議そうに将樹に尋ねた。
「将樹ーどうしたの?何かあったの?」
母親の呼ぶ声に、将樹は我に返り川岸に上がった。
「母さん、今潜ってたら声が聞こえた、この場所から離れないと大変な事になるって。」
将樹は真剣な表情で母親に訴えると、少しの沈黙の後母親が笑いながら言った。
「将樹、気のせいよ母さんには何も聞こえなかったわよ、きっと空耳でしょ、ねぇ父さん?」
「そうだなー、父さんも何も聞こえなかったぞ、将樹もしかして昨日のTVの怖い話でも思い出したんじゃないか?」
母親だけでなく、父親も将樹を少しからかう様に笑っていた。
そんな両親の姿を見て、将樹は急に恥ずかしくなる、そのせいか川で冷やした筈の身体が、再び火照る様な感覚に陥った。
「もういいもん!どうせ気のせいだよ、それに昨日のTV怖く無かったし!」
少し怒った様子で顔を赤らめながら、将樹は再び川へ入った。
〝僕にしか聞こえていなかったのかなぁ‥やっぱり気のせいなのかな‥・〟
将樹は少し考えたが、考えたところで解決する訳でもないし、気のせいと思う様にし、考えるのを止め再び遊び出した。
将樹の眠気は一瞬で消え去った。
急いで車から降り、周りを見渡す。
澄んだ空気、鳥のさえずり、見渡す限りの木々、そして待ちに待った川。
将樹の瞳がきらきらと輝いている。
「やったあああ。」
将樹はTシャツを脱ぎ捨て、浮き輪を持ち、裸足になり川に飛び込んだ。
ザブンと大きな水しぶきが宙に舞う。
「冷てぇー!けど気持ち良いー!」
とびっきりの笑顔で将樹が叫んだ。
「将樹、気をつけるのよー。」
そんな将樹の様子を見て、母親が手を振りながら言った。
父親は荷下ろしをしながら、はしゃぐ将樹を見て笑った。
「どうだい、良い所だろ?ここはあまり知られていない場所なんだ。」
父親が母親に少しドヤ顔で話をする。
「確かにね、こんな良い場所なのに他には誰も居ないものね。」
父親の言う通りで、確かにあまり知られていないのだろう、周りには将樹の家族以外誰も居なかった。
静かで綺麗な場所、日常では味わえない非日常な空間に、両親も満足気である。
父親は荷下ろしを終わらせると次に、せっせとキャンプの支度を始めた。
母親は、将樹の様子を見ながら椅子に腰を下ろし、読書をする。
「魚いるかなー。」
一方将樹は魚探しに必死になっていた。
川に潜りながら、魚を探していると将樹の耳にどこからか声が聞こえた。
〝この場所から離れなさい、でないと大変な事になる〟
将樹はびっくりして、すぐに水面へと顔を出した。
「えっ?何?どう言う事?幽霊?」
急に静かにキョトンと立っている将樹を見た母親は読書を中断し、不思議そうに将樹に尋ねた。
「将樹ーどうしたの?何かあったの?」
母親の呼ぶ声に、将樹は我に返り川岸に上がった。
「母さん、今潜ってたら声が聞こえた、この場所から離れないと大変な事になるって。」
将樹は真剣な表情で母親に訴えると、少しの沈黙の後母親が笑いながら言った。
「将樹、気のせいよ母さんには何も聞こえなかったわよ、きっと空耳でしょ、ねぇ父さん?」
「そうだなー、父さんも何も聞こえなかったぞ、将樹もしかして昨日のTVの怖い話でも思い出したんじゃないか?」
母親だけでなく、父親も将樹を少しからかう様に笑っていた。
そんな両親の姿を見て、将樹は急に恥ずかしくなる、そのせいか川で冷やした筈の身体が、再び火照る様な感覚に陥った。
「もういいもん!どうせ気のせいだよ、それに昨日のTV怖く無かったし!」
少し怒った様子で顔を赤らめながら、将樹は再び川へ入った。
〝僕にしか聞こえていなかったのかなぁ‥やっぱり気のせいなのかな‥・〟
将樹は少し考えたが、考えたところで解決する訳でもないし、気のせいと思う様にし、考えるのを止め再び遊び出した。
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