5 / 7
色々こんにちはでしてよ
しおりを挟む
「皆様そろそろ別室に移動していただいてよろしいですか」
「貴様…!」
「きゃ、なんなんですか!?」
わーきーと喚き続けている王太子達は問答無用で連れ去られた様だが、ペルピナル公爵親娘は「いくら王族とはいえ公爵家の人間にこの様な…!」やら「私は被害者です!不当に貶められたのです!」など大騒ぎで動こうとはしない。
にっこりとまだあどけなさを残した笑顔を見せ、第二王子殿下が笑顔のまま言葉を続ける。
「よろしいのですか?今まで噂でしかなかった事に証拠が出てまいりまして…。それともこの場で確認を取る事を希望なさいますか?」
決して大きな声で話してはいないのに良く通る声ね。
ペルピナル公爵親娘は激昂していた為ドス黒い顔色が、徐々に血の気が引けて青白くなって大人しくなった。
そのまま騎士に引きづられる様に会場から消えてしまった。
「皆様卒業おめでとうございます。お騒がせしてしまいましたが、どうぞ引き続き卒業パーティーを楽しんで下さい」
くるりと振り返り、輝かんばかりのあどけない王子スマイルをかまし、ちょっと無理のある挨拶をして去って行った。
「…しばらく落ち着くのを待ってから帰宅しようかしら」
「そうねぇ。王妃派、ペルピナル公爵家と懇意にしていた方達で出入口はごった返しているものね」
第二王子殿下が立ち去った後の一瞬の静寂。そして出入口に殺到する人達で大騒ぎだ。
黒い噂が事実だった証拠が出たって、大臣という立場を利用して横領しているとか、寄付をしている孤児院の子供達を売買しているとか、違法薬物の取り引きに、メイドや下働きの者達を虐待死しているとか、爵位の低い方達に袖の下を要求しているとか一体どれの事かしら。
ご令嬢の方も気に入らない、あるいは脅威に感じる令嬢を裏で後ろ暗い者に襲わせたり、傷物にしたりしてるとかもあったわね。気に入った男性の実家を脅迫、困窮させて無理矢理侍従にしているとかも。
他にもまだ噂はあったけれど覚えてないわね。
あれ?あの裏社会もバッチリお任せ★ペルピナル元公爵令嬢に目を付けられて今日まで五体満足で卒業パーティーに出席して「怖かったですぅ」で済ませたアメリ嬢ってもしかして凄すぎじゃないの。
…考えても分からないから忘れましょう。
それにしても、第二王子殿下が兵を引き連れてあの方々を捕縛だなんて…。
王妃を抑え込めたからなのよね?
もしかして明るい未来が望めてしまうのかしら。
うふふふと少し乾燥してしまった取り分けた料理を口に運ぶ。
何故かぱさついた料理が今までで1番のご馳走に感じるわ。
「貴様…!」
「きゃ、なんなんですか!?」
わーきーと喚き続けている王太子達は問答無用で連れ去られた様だが、ペルピナル公爵親娘は「いくら王族とはいえ公爵家の人間にこの様な…!」やら「私は被害者です!不当に貶められたのです!」など大騒ぎで動こうとはしない。
にっこりとまだあどけなさを残した笑顔を見せ、第二王子殿下が笑顔のまま言葉を続ける。
「よろしいのですか?今まで噂でしかなかった事に証拠が出てまいりまして…。それともこの場で確認を取る事を希望なさいますか?」
決して大きな声で話してはいないのに良く通る声ね。
ペルピナル公爵親娘は激昂していた為ドス黒い顔色が、徐々に血の気が引けて青白くなって大人しくなった。
そのまま騎士に引きづられる様に会場から消えてしまった。
「皆様卒業おめでとうございます。お騒がせしてしまいましたが、どうぞ引き続き卒業パーティーを楽しんで下さい」
くるりと振り返り、輝かんばかりのあどけない王子スマイルをかまし、ちょっと無理のある挨拶をして去って行った。
「…しばらく落ち着くのを待ってから帰宅しようかしら」
「そうねぇ。王妃派、ペルピナル公爵家と懇意にしていた方達で出入口はごった返しているものね」
第二王子殿下が立ち去った後の一瞬の静寂。そして出入口に殺到する人達で大騒ぎだ。
黒い噂が事実だった証拠が出たって、大臣という立場を利用して横領しているとか、寄付をしている孤児院の子供達を売買しているとか、違法薬物の取り引きに、メイドや下働きの者達を虐待死しているとか、爵位の低い方達に袖の下を要求しているとか一体どれの事かしら。
ご令嬢の方も気に入らない、あるいは脅威に感じる令嬢を裏で後ろ暗い者に襲わせたり、傷物にしたりしてるとかもあったわね。気に入った男性の実家を脅迫、困窮させて無理矢理侍従にしているとかも。
他にもまだ噂はあったけれど覚えてないわね。
あれ?あの裏社会もバッチリお任せ★ペルピナル元公爵令嬢に目を付けられて今日まで五体満足で卒業パーティーに出席して「怖かったですぅ」で済ませたアメリ嬢ってもしかして凄すぎじゃないの。
…考えても分からないから忘れましょう。
それにしても、第二王子殿下が兵を引き連れてあの方々を捕縛だなんて…。
王妃を抑え込めたからなのよね?
もしかして明るい未来が望めてしまうのかしら。
うふふふと少し乾燥してしまった取り分けた料理を口に運ぶ。
何故かぱさついた料理が今までで1番のご馳走に感じるわ。
40
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
酔って婚約破棄されましたが本望です!
神々廻
恋愛
「こ...んやく破棄する..........」
偶然、婚約者が友達と一緒にお酒を飲んでいる所に偶然居合わせると何と、私と婚約破棄するなどと言っているではありませんか!
それなら婚約破棄してやりますよ!!
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
王太子から婚約破棄……さぁ始まりました! 制限時間は1時間 皆様……今までの恨みを晴らす時です!
Ryo-k
恋愛
王太子が婚約破棄したので、1時間限定でボコボコにできるわ♪
……今までの鬱憤、晴らして差し上げましょう!!
【完結】ああ……婚約破棄なんて計画するんじゃなかった
岡崎 剛柔
恋愛
【あらすじ】
「シンシア・バートン。今日この場を借りてお前に告げる。お前との婚約は破棄だ。もちろん異論は認めない。お前はそれほどの重罪を犯したのだから」
シンシア・バートンは、父親が勝手に決めた伯爵令息のアール・ホリックに公衆の面前で婚約破棄される。
そしてシンシアが平然としていると、そこにシンシアの実妹であるソフィアが現れた。
アールはシンシアと婚約破棄した理由として、シンシアが婚約していながら別の男と逢瀬をしていたのが理由だと大広間に集まっていた貴族たちに説明した。
それだけではない。
アールはシンシアが不貞を働いていたことを証明する証人を呼んだり、そんなシンシアに嫌気が差してソフィアと新たに婚約することを宣言するなど好き勝手なことを始めた。
だが、一方の婚約破棄をされたシンシアは動じなかった。
そう、シンシアは驚きも悲しみもせずにまったく平然としていた。
なぜなら、この婚約破棄の騒動の裏には……。
公爵令嬢エイプリルは嘘がお嫌い〜断罪を告げてきた王太子様の嘘を暴いて差し上げましょう〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「公爵令嬢エイプリル・カコクセナイト、今日をもって婚約は破棄、魔女裁判の刑に処す!」
「ふっ……わたくし、嘘は嫌いですの。虚言症の馬鹿な異母妹と、婚約者のクズに振り回される毎日で気が狂いそうだったのは事実ですが。それも今日でおしまい、エイプリル・フールの嘘は午前中まで……」
公爵令嬢エイプリル・カコセクナイトは、新年度の初日に行われたパーティーで婚約者のフェナス王太子から断罪を言い渡される。迫り来る魔女裁判に恐怖で震えているのかと思われていたエイプリルだったが、フェナス王太子こそが嘘をついているとパーティー会場で告発し始めた。
* エイプリルフールを題材にした作品です。更新期間は2023年04月01日・02日の二日間を予定しております。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる