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しおりを挟む「ルナシーク。こっちは終わったよ」
「兄上、すぐにこちらも動こう」
ルナシークは村の外で兄であるソルフェストを迎えていた。ソルフェストは乗ってきた白い馬から降りると頷いて、後ろを向く。
ソルフェストの後ろには騎士団がズラリと列を組んで並んでいた。
「すぐに動けるように準備を」
「はっ!!」
騎士団に指示を出してソルフェストがルナシークと向き直ると同時に、息を切らしながら走ってきたカルトがルナシークの名を呼ぶ。
カルトはルナシークの前まで来ると息を整えてルナシークにすがり付く。
「ねぇちゃんが!ねぇちゃんが!」
「落ち着け。レストがどうした」
「ねぇちゃん、レイズさんと出掛けて…。仕事の事で聞きたいことがあったから捜したんだけど、ねぇちゃんのお気に入りの草原の近くで人が倒れてて…!とにかく来てよ!王子様!」
「ルナシーク、行っておいで。こちらで準備を整えておく」
ルナシークはソルフェストに頷くとカルトの後について走り出した。
草原の手前まで来たときに人影が見えてルナシークは走り寄った。黒い服を纏って血を流していた男はルナシークを見るとすぐに口を開いた。
「申し訳ありません…。護衛についていた他の者達にやられました…。ヴァネット様に買収されてたようで…」
「くそ!」
「ご、護衛…?ねぇちゃんに…?」
ルナシークがソルフェストを迎えに村から出てる間を狙ったのであろう。
ルナシークは手がかりを探すためにすぐに草原へと走っていく。
少しした所にごつい男達が倒れていた。
ルナシークは慎重に近づく。
「あっ!これ!」
「…レストが持っていた護身用の…」
男達の周りに極彩色のキラキラ光る粉と小瓶を見付けた。ルナシークとカルトは吸い込まないようにハンカチで口を押さえる。カルトはレストがレイズに渡すために持っていたグローブを拾い上げた。
「カルト。兄上を呼んでこれるか?」
「うん、大丈夫!…ねぇちゃん…大丈夫かな…」
「心配するな。必ず助ける」
心配そうにするカルトの頭をぽんと撫でるとルナシークはしっかりと頷いた。
カルトはそんなルナシークに頷き返すとソルフェストを呼びに戻った。
「さぁ、レストの居場所をはいてもらうぞ」
ルナシークは男達を縛り上げてから、叩き起こした。そして、合流したソルフェストと共に居場所を吐き出させると、騎士団と共にそこに向かったのだった。
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