8 / 19
〇08 愛と食と拒絶反応 0207
しおりを挟むかきむしる。
どこが?
一部分を、じゃない。
全部だ。
一つになってしまったのに。
もう戻れないのに。
今さら、こんな事実を知るなんて。
ああ、かゆいかゆい。
体がかゆい。
心もかゆい。
手も足も腹も腕も。
何から何までかゆい。
僕は全身をかきむしった。
きっとアレルギーなんだ。
えっと、過剰に免疫が反応とか、異物を排除しようとしているとか?
それ的なあれだろう。
だからこんなにも何から何までかゆいんだろうな。
もうとっくに吸収されてしまったのに、何もない胃から吐き出したくなる。
僕はつい数時間前に口にしたそれを、何よりも愛おしかったそれを眺めがら、ゴミ袋に詰めた。
先につめていた髪の毛の中に、乱暴にそれらを放り投げていく。
彼女の事は誰よりも愛しているから永遠に一緒になろうと思ったのに、まさか本性があんなにも醜悪だったなんて。
口にした時は、この体も心も全て生まれ変わっていくかのようだったのに。
花柄のハンドバックから零れ落ちた携帯に目を向けた。
誰に愛の言葉をささやいてるんだよ。
ああ、これもゴミ袋に入れなくちゃな。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる