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〇05 宝石姫の物語
しおりを挟むダイアにエメラルドにルビー、サファイア。
世界には様々な宝石があります。
光をあびて、きらきら輝く宝石はとっても綺麗ですね。
だから、人々は宝石に大きな価値をつけます。
けれど大抵の場合、宝石を手に入れるためにはたくさんのお金が必要です。
珍しい宝石を手に入れる時は、運が良い事も重要になってくるでしょう。
しかし驚くべき事に、何もせずとも自然に宝石を引き寄せてしまう少女がいるのです。
そんなとある一人の少女は、宝石に愛された少女として人々から宝石姫と呼ばれていました。
その女の子が歩けば、道に埋まっていた宝石が出てきますし、
その女の子が歌えば、どこからともなく吸い寄せられるように宝石がやってきます。
そんな事は他の誰にもできません。
宝石姫は、とてもとても珍しい女の子だったのです。
ですからそんな宝石姫を、多くの人々がその女の子を一目見ようと思いました。
噂が広まれば早いもの。女の子はたちまち人気者になってしまいます。
純粋に興味から集まった人たちもいますが、その中には良くない事を考えている人もいました。
そのため宝石姫は、悪だくみを考えていた悪者につかまってしまいました。
けれど、宝石姫が悪者に触れたら、その人達はたちまち宝石に代わってしまいます。
宝石姫は危ない目に遭うことなく、無事のままです。
宝石になった悪者達は、女の子に酷い事をしようとした珍しい宝石として、何十年・何百年も美術館で飾られる事になりました。
それからも宝石姫は、ずっとずっと宝石に囲まれて安全に過ごしていきました。
誰に触れる事も出来ずに。
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