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〇32 点灯むしがぶんぶん飛ぶよ

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「よーし、おまいら。出動だ」
「みんなが困ってる、明かりを提供しにいくぜ」

 背中がぴかぴか光る虫。

 点灯むし。

 点灯むし達がそれぞれの仕事場へ飛び立ちました。

 それは、お仕事をこなすためです。





 点灯むしが、ぶんぶん飛ぶよ。

 真っ暗闇でも、ぶんぶん飛ぶよ。

 そこに明かりが必要なら。

 雨の日、雪の日、雷の日でも。

 風が強い日も、ぶんぶん飛ぶよ。

 どんな日だって、ぶんぶん飛ぶよ。

 必要とされる日なら、ぶんぶん飛ぶよ。

 だって明かりがないと、困っちゃう。

 物が見えなくて、困っちゃう。

 移動できなくて、困っちゃう。

 だからどんな時でも、ぶんぶん飛ぶよ。





 必要になる場所があるなら、点灯むしはどこでも飛んでいきます。

 もしかしたら、停電で真っ暗な嵐の夜に、あなたの元へやってくるかもしれませんね。

 ピシャーン。

 ゴロゴロゴロ。

「お兄ちゃん、真っ暗で怖いよ! 雷さんが鳴ってるよ!」
「大丈夫だよ。もうすぐ点灯むしさんがやってくるから。真っ暗じゃなくなるさ」


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