古い方 児童書・童話ジャンル(男の子向け) 短編まとめ場所「削除予」

透けてるブランディシュカ

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〇07 ペンギン侍は空を飛びたい

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 拙者はペンギンである。
 ペンギンは空を飛べない。
 そんな事は分かりきっている。
 しかし、ペンギンだって空を飛びたいのだ。

 だから、機械のツバサを作っている最中だ。
 けれど、鋼鉄のツバサはとても重い。

 飛ぶなんてとてもできるものではなかった。

 計量化が今後の課題だな。うむ。

 魔法があるだって?
 拙者は魔法が使えないのだ。
 だから侍として刀を振るっているのだ。ばかたれ。

 人に飛ばしてもらえ?。
 自分で努力してこそだろう。
 楽をして飛んで、そこにどんな意味がある。
 ペンギンが努力して空を飛ぶことに、ロマンがあるのだ。

 人の魔法で空を飛ぶこともできるが、断じてそれはロマンではない。

 しかし、ううむ。

 道は険しいな。

 拙者は何日も何日も思い悩んだ。

 そんなある時、拙者の元に刺客がやって来た。

 物騒だと?
 日常だわ、たわけ。

 刀を振るう日々を過ごしているゆえ、恨みをかう事はめずらしくないのだ。

 しかし、その日は苦戦したな。
 拙者、わき目もふらずがむしゃらに刀を振っておった。

 そしたらなんと、剣風で拙者の体が空にうきあがっておった。

 うむ?

 これはあれだろうか。

 機械より、これを極めた方がすぐ飛べるのでは?

 拙者、頑張る分野まちがえたかもしれない?


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