65 / 150
〇65 好きだった人
しおりを挟むその人の事、好きだった。
ひとめ見た時からカッコいいなって思ってた。
陸上部部の活動で一生懸命走る姿をみて、きゅんとしてしまった。
ゴールだけをひたすらみてまっすぐに走り込む姿が、脳裏を離れなかった。
告白しようって思ったわけじゃない。
具体的に好き合ったらどうとか、そういう事を考えていたわけじゃない。
ただ、漠然とその人の在り方が好きで、好意を抱いていた。
だから、その熱が数日後に覚めてしまった時、そんなに傷つかなかった。
「陸上部? そんなのモテるためにやってるんだし」
あの人が友達にそう言っているのを、ふいに聞いてしまった。
その言葉で恋の熱が冷めてしまった。
ああ、初恋って叶わないって聞くけど、こんなに早く叶わなくなるとは普通思わない。
「一生懸命やってるのなんて演技だよ演技。そうしたら女子たちはきゃーきゃー言ってくれる。ほら、俺イケメンだし」
ははははは、と男達が笑うのを背中に聞きながらその場を去る。
世の中には、色々な愛のカタチがある。
その分だけ失恋の形もあるんだろうけれど。
こんなあっけない失恋もあったんだなと、どこか冷静に考えていた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる