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〇39 運動会の旗振り係
しおりを挟む思えば私は、できそうにない事からは、常に逃げ続けていた。
だから、きっかけが必要だったのかもしれない。
一か月後、うちの学校で運動会が行われる。
その運動会で私は、旗を振る係になった。
その係は、競技を行う選手たちを、応援するための係だ。
私、とっても体が小さいのに。
うちの学校の旗はとっても大きい。
小柄な私よりも、とっても大きい。
だから、旗を振ると私の方が振り回されそうになる。
たぶんできない。
他の人がやってくれないかな。
そう思ったけど、みんな競技の練習で忙しそう。
私はしぶしぶ旗を振る練習を行う。
でも、旗を右へ振れば、右にふらふら。
旗を左へ降れば、左へふらふら。
うまく振る事ができないよ。
うまくできないから、もうやめたい。
そう先生に言う事にした。
だけど、先生はもうちょっと頑張ってみようって言ってくる。
「がんばればできるようになるから」
って。
どうせ出来るわけがないのに。
でも、面と向かって言う度胸はない。
年上で自分より偉い先生に、文句を言うほどの度胸がない。
私はしぶしぶ旗を振り続ける。
あっちへ、ふらふら。
こっちへふらふら。
本当に上手にできるか分からないまま。
でも、へたな事をして笑われるのは嫌だから。
頑張って練習した。
毎日練習した。
前に旗振り係になった人から、旗を上手に振るコツも教えてもらった。
そして、一か月後。
私はなんとか旗を振る事ができるようになった。
私はなまけもので、根性なしだから。
誰かにお尻を叩いてもらわないとできなかったかもしれない。
私は旗を振りながらそう考えていた。
向いていないとか、できるはずないとかずっと言い訳していたけれど。
努力を重ねれば、出来る事が増えていくんだと、私はその時に学んだのだった。
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