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〇03 夢ひつじのお仕事
しおりを挟む夢ひつじは、人間の夢に入る。
そして、疲れた人間に、楽しい夢を見せるのが仕事だ。
その日も、夢ひつじは、人間の夢の中で、楽しい夢を見せていた。
だからその人間は、楽しい夢を見ていた。
仕事も人間関係も忘れて、子供の頃にもどって、故郷の田舎道で友達と遊ぶ夢。
けれど、楽しくて、楽しくて、楽しすぎてしまうと、夢から覚めたくないと思ってしまうから大変。
ずっと眠ったままでは、衰弱してしまう。
だから夢ひつじは、起きたくない人でも起こしてあげなければならない。
「ずっとこの夢を見ていたいよ」
「現実なんていらない」
「この夢の世界で死ねるならよかったのに」
夢ひつじは、人を楽しませたい。
けれど、時にはその楽しい夢が人を傷つけてしまう事もあった。
だから、その夢ひつじは仕事を続けるかどうか悩んでいた。
けれど。
「楽しい夢を見せてくれてありがとう」
「これからまだ頑張れそうな気がする」
「生きていく気力がととのったわ」
そういう時になぜか、夢を見せてくれた人間に感謝されるので、夢ひつじはまだまだ頑張っていこうと思えるのだった。
夢ひつじはこれからも仕事を続けていく。
現代社会に疲れた人達の心を、楽しい夢で癒していく。
「やれやれ」
多くの夢ひつじを管理している存在。
大ひつじは、とある夢ひつじを見て、良かったと胸をなでおろした。
夢ひつじは人に夢を見せる事ができるけれど、自分で夢を見る事はできない。
だから上司が、お仕事先を調整して、部下達のストレスがたまり過ぎないように注意しているのだ。
「これからもがんばっておくれよ。お前達」
ストレスの多い現代社会で、夢ひつじのお仕事はまだまだ終わらない。
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