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〇14 時代の変化は魔女にも及ぶ
しおりを挟む魔女に対するイメージって、年老いたしわしわのおばあさんって感じ。
それで脳内では、イヒヒとか不気味な笑い声をあげて、水晶玉をのぞき込んだり、釜をぐるぐるかきまぜたりする。
古い時代はそうだったらしい。
でも、今は違う。
時代の変化に伴って社会の在り方が変われば、自然と魔女の在り方も変わっていく。
「らっしゃーい。あーだるーい。なーにお客さん? まじうけるー」
「本当に変わったな! すげぇギャルギャルした魔女でてきたし、水晶も釜もねぇよ!」
俺は、魔女の調合薬屋に入って、つっこみを入れた。
だって店の中にいたのが、歳をとった老婆でなく、ギャル語を話すギャル女なのだから、もうどうしようもねぇ。しょうがねぇ。
「いまさら? なーに時代遅れのイメージもってんの? お客さん、あったま昔系? やべぇ〇×□△うけるぅ~」
「だめだ、普通のギャルの範疇からも外れてやがる! 何言ってんのか分かんねぇ! 解読不能だわ!」
「ウィッチライセンスとる難易度は昔ほど高くないんだし、調合なんかは店の奥の機械でぱぱっとできるんだから、見た目にこだわる必要ないし~」
確かにギャル魔女の言う通り、便利になった。それは良い事なんだろう。
昔と比べて、魔女に慣れる人は多くなったようだし。
魔女になるためのあれこれの試練も、昔とは比べ物にならないくらい簡単にできるようになった。
でも、なんというか風情というか情緒というか、格式みたいなもんまでなくなっていってる気がする。
「それにさ、服装もなんというか、魔女っぽくないじゃん? 普通に店員の服装じゃん。雑貨屋とかにいる人と変わんないじゃん
視線の先には、洋服を着て、店員用のエプロンを身に着けてるギャル魔女。
「魔女の帽子って、屋内でかぶるのマジイミフじゃ~ん。だぶだぶの衣装とかも、どっかにひっかけたら危ないじゃん」
「分かるけども!?」
ギャル魔女は、何を当然のことをみたいな顔をして、現実を突きつけてきた。
「で、職業体験だっけ? あ~、今日来るんだったわ。マジメンド。ちゃっちゃと作業着に気がえなよ~、倉庫で荷物運びね」
「はーいりょうかいです(泣)。俺、進路志望他のにしようかな」
はぁ、次代の変化で男女平等がうたわれるようになった社会だから、男が魔女に憧れても笑われなくなったのは、嬉しいけどもさ。
もうちょっと夢があってもいいじゃん?
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