8 / 90
〇08 優しい世界の姫と憎しみの騎士
しおりを挟む涙に暮れる、お姫様。
一見すると、可哀そうで可哀そうで。
でも、誰も彼女を助けてはくれません。
暗闇の中、牢屋の中でうずくまるお姫様がいます。
お姫様は、悲しそうな瞳で、自分を閉じ込めた人を見つめました。
お姫様を閉じ込めた人は騎士でした。
本来なら、お姫様を守らなければならない存在です。
「どうして、こんな事をしたのですか?」
悲しみに暮れる姫。
しかし、問いかけられた騎士は憤っていました。
「理由が分からないのですか? 実は、私は前々からずっと貴方を憎んでいたのです。きれいごとしか見えないあなたを。あなたのせいで大勢が死んだ」
騎士は憎々しい表情をお姫様に向けます。
その形相のあまりの恐ろしさに姫は悲鳴をあげました。
事実をつきつけられてなお、お姫様は信じられませんでした。
、長年忠実だった自分の騎士が、こんな蛮行に走るような事は考えられなかったのです。
皆が皆、言葉を尽くせば仲良くなれる。
お姫様は、自分が生きているのはそんな世界だと信じていたからです。
「どうしてこんな事を? 教えて、何か理由があるんでしょう?」
「それは、あなたがあまりにも愚かだったからです」
お姫様は精いっぱい理由を考えてみましたが分かりません。
そんなお姫様を見て、騎士は話をする意味もないと去っていきました。
残されたお姫様は、ずっとそのままです。
最後まで理由が分かりませんでした。
彼女の身に訪れた結末は、あえて記さない事にしましょう。
とある国で戦が起きた。
それは、長年いがみ合っている隣国との戦だった。
けれど、国を率いる若き姫は、戦には反対していた。
戦ってはならない。
血を流す事はいけない事。
そう教えられていたからだ。
姫は、ずっと話し合いを望んでいた。
けれど、相手は切羽詰まっていたため、交渉に応じる事はなかった。
戦を行う国の者達は、激しい貧困と食料の乏しい国であったため、よそから奪わなければ生きてはいけなかったからだ。
そうこうしている間に、姫の国は蹂躙されていった。
姫はその戦の最中、行方不明に。
姫を守っていた騎士も、同じく行方が割らないままとなった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる