日常のひとコマ

皐月 ゆり

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恥じらいと興奮

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 夜の公園。普段はひっそりと人に忘れられたようなこの公園のベンチに、半分服を脱いだ状態でM字開脚をして、私は数人の男に囲まれている。
 男たちにはネットで声をかけた。中にはもう数回交わった顔もある。
 皆一心に私がまさぐっている割れ目を見つめ、大きくなりだした股の間にあるものに手を伸ばす者もいる。
 季節は秋。夜風は冷たく肌を刺すようにかすめていくが、このベンチの周りだけは、二、三度高いのではないかと思える程熱気に包まれている。
 外で複数の男に見られながら自慰をするのって、なんでこんなに気持ちいいのだろう。
 私は一心不乱に指先を動かし豆をいじめる。
 クチュクチュという音と男たちの熱い視線に興奮が高まり、私は頂きへと駆けあがっていく。
「あぁ、あっ、あっ……。イク、イクイク、イっちゃう……」
 身体を丸め痙攣しながら、男たちの前で快楽の大きな波に飲み込まれる。
 小さく打ち寄せ続けている波の余韻に浸りながら、どうして私はこんなオナニーをするようになったんだっけとふと考えた。
「ゆりさん。イったなら、次は俺たちの番だよね」
 目の前に進み出てきた男の顔を見てあっと思う。
 そうだ、最初はこの人と二人きりだったんだ。
 久しぶりに見る顔をきっかけに、私の意識が数か月前へとさかのぼっていく。

 彼氏にふられた。
 ゆりの性欲が強すぎる。身体だけが目当てなら別れてくれ。
 無遠慮に投げつけられた言葉たちが、脳内をぐるぐると回っていた。
 自分の性欲が人よりも少し……いや、中々強いことは素直に認める。
 だけどそれが分かっているからこそ、彼に私から求めることはしなかったし、ガツガツしないようにも気をつけていた。
 それなのに、どうしてこうなってしまったかな。次はこんなことにならないような相手を探さないとな。

 暇つぶしと新たな出会いを求めて始めたマッチングアプリ。そこで出会う性に飢えた男たち。
 いわれるがままに画面越しに互いのオナニーを見せつけることにハマってしまい、気づけば一人でオナニーができなくなっていた。
 画面越しでは興奮が弱くなってきて、直接誰かに見てもらいたい。
 そんな思いが強くなって、今日初めてリアルで男と会うことになった。

 待ち合わせのホテルの前で軽く話してすぐに中に入る。
 エッチな話しをしたわけでもないのに身体はもう火照っていて、早く気持ちよくなりたくて仕方ない。
 エレベーターのゆっくり閉まるドアさえもどかしい。
「ゆりさん、もうしたくてたまらないって顔してるね」
 声の方を見れば彼と目が合う。
「すっごくエッチだよ。部屋に入ったら、すぐしようね」
 優しい声と熱い視線。この視線が私の恥ずかしいところに注がれると想像して、さらに身体がうずく。
 部屋に入るなりベッドに直行した。
 彼はゆっくりとついてくる。それを待つ間に下着を下ろして足を抜く。割れ目に触れていたところにはシミができていた。
 私はベッドに腰かけ足を持ち上げ大きく広げる。彼は心得たようにその前に座って視線を向けた。
 いつものように画面越しではなく、直接見られているということに確かに興奮を覚えた。
 彼の割れ目を見つめる視線が熱い。それだけで蜜が溢れ出してくる。それを見せつけるように割れ目を指で左右に開いた。
 ゆっくりと指で縁をなぞる。
 一番敏感なところを指の腹で撫でれば、信じられない程の快感に身体がのけぞる。
 シャツをずり上げて、ブラジャーをずらした。
 とんがった乳首を摘まめば快感と興奮に包まれる。
 彼はその様子をただ見つめている。
 割れ目に指を埋め込めば、そこは熱くトロトロで肉棒を待ちわびているようだった。その愛液を指に取り、クリに塗りつけながら擦っていく。
「んぅ……、あ、あぁ……」
 漏れてしまう声は徐々に大きくなっていく。
 クリやクリの周りを円を描くように擦り上げ、乳首を揉みしだいた。
 人に見られているという恥ずかしさと興奮に責め立てられるように、手の動きは早まり座っているのもやっとだった。
 彼はそんな私を一心に見つめながらズボンをずらし、すでにそそり立つ肉棒を取り出した。
 我慢汁で先が光る肉棒を握った彼は息を吐く。
 上下に動く手に、私のオナニーを見て興奮しているのかと満足感を覚える。
 その肉棒で貫かれたい……。そんなことを思わないこともなかったが、今までで一番感じるオナニーにこのままイクところを見られたいと手が止まらない。
 互いに自分のモノを擦る音が部屋に広がり混ざりあっていた。
「あっ、あぁっ、イク……、イキそうっ……」
 絶頂へと押し上げてくれる大きな波に抗うことなく飲み込まれていく。
 身体がのけぞり、後ろに倒れた。それでも必死にクリを一心に擦り続ける。
 これでもかと足を開き、腰は浮き上がって空と打ち付けあっているように上下に動いてしまう。
「俺も出そう……」
「イク、イクイク、イクっ……」
 身体をとてつもない快感が駆け抜けた。身体が硬直し、しばらく時間が止まったかのようだった。
 穴がヒクヒクとうごめいているのを感じながら、名残惜しい気持ちで指を離した。
 荒い息を整えながら、快楽の余韻に浸る。
 彼が動く気配がして首を持ち上げた。
 精子を滴らせた棒の先を手の平で擦りながら、立ち上がった彼が私の片足を持ち上げ、股の間に陣取る。
 先端が割れ目に当てられる。
「やだ、せめてゴムつけて」
 今回は相互オナニーをするだけ。そういう約束だったが、ホテルにきてそれで済むわけはないとは思ってはいた。それも覚悟の上。でも、生で入れられることにはさすがに抵抗があった。
「大丈夫。便利な薬もあることだし、ゆりもオナニーだけじゃ足りないでしょ?」
 イったばかりでまだヒクついている膣に、彼の熱く硬い棒が押し入ってくる。
 こいつゲスだわ……。そんなことを思っているのに、挿入によってもたらされる先程とは違う快感に、頭の中が真っ白になって気持ちよければ後はどうでもよくなっていった。

 それが直接男に見られながらオナニーをしだした始まりだった。
 最初の男以外がいいと他の男に声をかけていくたびに、段々見境がなくなり、一度に見てもらう人数も増えていった。
 男たちは自分たちの思い思いの行動を取っていた。
 胸を触ったり、私の手を取りたぎる肉棒を握らせたり、最初に前に出た彼はあの時のように遠慮なく押し入ろうとしてきている。
 男たちに囲まれ、ここまでしなければ満たされなくなった自分の心と体を悲しめばいいのか、満たされるようになったことに喜べばいいのか分からなくなった。
 ただ一つ確かなことは、これが気持ちいいということ。
 特定の相手ができる気はしないし、できても一人だけとなんて満足できないだろう。月に一度男に囲まれて好きなだけ交わる生活も悪くはないか。
 そんなことを思いながら、繋がったところからくる快感に飲まれ、頭が真っ白になっていった。
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