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第5話 新天地に到着しました
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私に比べて、二歳上の姉は優秀だ。
......優秀だと言っても、二年生まれた時期が早かったから、幼少期に知能が私よりも優れていた程度の話だ。
なのに、私の姉は......。
私が誰でも失敗するようなことをちょっと失敗すると......。
「ったく、あんたは本当に馬鹿ね!
ほれ、貸しなさい。私が特別にやってあげる。」
と上から目線で物を取るのだ。
(......いや、もうすぐで出来そうなところで...物を取られても......。)
こうして、物を取られる機会が多くなっていった。
洋服、アクセサリー...宝石など。
そういった私の大切なものでさえ奪っていった。
_____
ですが私たちは、これでも伯爵家の娘。
ある日、姉に縁談話が舞い込んできました。
......正直、姉に結婚なんて出来るのか、と思いましたが...。
姉は外面だけはいいため、すぐに婚約が決まりました。
「お~っほっほ!!
さて、貴方は結婚なんて出来るのかしら? そんな不細工で。」
といつものように罵られましたが...。
私はそんな姉が少し羨ましくなりました。
幼馴染で、ものすごく美形の男子がいますが...。
正直、私は彼のことを好いています。
だけれど、きっと彼とは腐れ縁みたいなものだし......。
と諦めていますけどね。
「結婚したいなぁ。」
「え、」
彼の前でそんなことを考えていると、ふっと言ってしまいました。
私は言った後にハッとして、必死に弁明します。
「あ、えと、違うんです!
違わないけれど...違うんですよ!?」
彼は考えるようなしぐさを見せ、そしてそのあと照れながら、
「......結婚、する?」
「......っうぇ!? いいんですか!?
...冗談......ですか...!?」
そうして彼は照れくさそうに笑い、
「...冗談でそんなこと言わないよ?
君が良ければ、結婚してくれませんか。
こんな機会だから言うけど......愛してます。」
「...私も大好きです。 結婚しましょう!」
私たち二人、照れくさそうに笑い合いました。
...晴れて結婚し、今は新婚生活真っ最中です!
_____
......一方、姉はと言いますと...。
理想が高すぎるのと、我儘であるがゆえに、すぐに婚約破棄されてしまったようです。
私が実家に帰ると、わざとらしく嫌味を言ってきます。
一応、また縁談話が組まれているようですが...この一件で姉のめんどくささが広まってしまい、結婚するのはきっと大変でしょう。
そんな姉を見て、私は結婚したのがこの人で本当に良かったと実感しました。
「ねぇ、幸せだね。」
「うん、僕もだよ!」
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