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 次の日、ヨモと一緒に商人ギルドに向かう。昨日はヨモと話し込んでしまった為、お金に換えてなかったのだ。今日は魔法円含め、森で収穫してきたものを売ろうとやってきた。

 ヨモと別れたリアは用意していた大きなカバンを麻袋から取り出す。そして1階にある取引所の受付に素材を売りに来た事を告げると、この間と同じように5番窓口に並ぶように言われた。朝一番だった事もあり3番目だった。
 早々に順番になり素材を見せる。前回と同じでローウルフの素材とそして秋の果実だ。ローウルフの素材は5匹分と秋の果実は普通の麻袋を袋いっぱいに詰めてきた。

「ローウルフの素材ですね。数日前にも提供されてますよね。丁寧に解体されていて状態がとても良かったらしいので今回は色を付けさせて貰いますよ。おお、これは森の宝!ロシにコウニキですか?!魔力回復や体質改善のポーションの材料になる秋の果実ですね。なかなか手に入らないんですよ。天然ですか?すごい。濃度も120%です」
 果実になにか秤のようなものに乗せ、なにかの数字を見ている。果実には普通のものや魔素が含まれている果実に分かれる。普通の食材の取引は2階で行われているようだ。現物は市場での取引になるので書類のみで行われるらしい。リアが持ち込んだのは魔素に関わる素材になるので一緒に査定されている。
 数字は魔素の濃度を見ているようだった。魔素の濃度でポーションの効き目にも違いがあるらしく、魔素が濃いければ濃いほど値段も高くなるようだ。
「今回はこれで如何です?」
 数字が見える木箱を出される。ローウルフの素材は5匹分だが単純に5倍ではなかった。麻袋いっぱいの果物も査定金額より想定外の金額を見積もってくれていた。
「こんなに?」
「はい、質はとてもいいものですし、いいものを安く買い叩いても私が得する訳ではありませんから。良い関係を築くためにはきちんとお金は支払いますよ。これからもどうぞこのシシリー商人ギルドを御贔屓に」

 質のいいものがシシリーから量産すれば商人ギルドや街の評判が上がる。提供者のリアにもお金がたくさん入れば長くこの街に居つく事になって、また質のいい素材がシシリーに出回る。お互いにとてもいい取引になるのだ。

「わかりました。ではこの金額で。あっ忘れる所だった。これもここの受付でいいかしら?」
 リアは自作した魔法円を見せた。
「魔法円や陣は魔術部の別の受付になります。1か2番に並んで貰えますか?」
「わかりました。ありがとうございます」
 取引を終え、1番の窓口に行くとすでに10人ほど並んでいた。素材の取引で並んでいた人達とはまた違った感じの雰囲気の人たちが並んでいる。ちょっとギスギスした感じに見えるのは偏見なのだろうか。
「これは、あなたが?」
 順番になり、リアの魔法円を見て貰っている。
「そうです」
「そうですか。とても売れるものではないですね。もっとコピペ技術を学んでください。歪みがありますし、所々薄い所があります」
  魔術部の職員はリアに厳しい言葉を言った。
「そうですか…」
 まあ、付け焼刃のものだ。そういわれるだろうなとは思っていた。しかし、魔法円は庶民には生活必需品だ。魔法が少量の魔力で実行できるのだ。いびつなものは安く売っているものなのだ。だから安くても買い取って貰えるだろうと思っていたが甘かったようだ。
「これはこちらで処分して置きますね。そこら辺に捨てられても困りますから」
 と、職員はリアは言った。
「え?いえ、持って帰ります。そこら辺に捨てたりしませんから大丈夫です」
「は?持って帰ってなにに使うの?勝手に店に提供したら罪になるわよ」
「そんな事しません。どこが悪かった検討するだけです」
「こんな欠陥品を家で使われてケガ人でも出たら商人ギルドのせいになるわ。こちらで性分します」
「私が作ったもので、私がケガをしても悪いのは私ですから商人ギルドのせいにはなりません。返してください」
 
 リアは職員と言い合いになってしまった。
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