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いざ検査……って、なにこれ??? (2019年4月)

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 呼吸器内科の先生、というのはあまり沢山居る訳ではないらしい。
故に、担当医師は決まった曜日に通いでいらしているそうで。
器具の貸出状況や予約状況の兼ね合いもあって、おうち検査は中旬に差し掛かろうとしている辺りでの日取りになった。
 前話の時点で【睡眠時無呼吸症候群】のがあるのは明白。
検査日を迎えるまでの如月はどうだったかと言うと。


起きる度に恐怖からの開放に安堵する毎日だった。
朝に目が覚めては、声が出るのか物に触れるかを確認して。
隣にいる旦那に呼吸がどうだったか訊ねて一喜一憂する。


他の作品を読んでいる方がいらっしゃるかは分からないけれど、私の作品はメンタル強めなキャラクターが多い。
だから「如月さんも精神面強い!」みたいに思う方が居たりするんけど、正直言って割とそうでもない。
こと、父方血筋で指定難病・大病で亡くなってる身内がいる事が相俟って、病気関係に対してはものすごく弱い。
……考えすぎっちゃある考え過ぎる部分も確かにあるんだけども。


閑話休題。


 恐怖の夜。安堵の朝。不安の日中。
 それを繰り返し、あっという間に二週間半が過ぎて、検査キットを受け取る日が来た。
 上司は「有給休暇変更してやるから、明日の午後は仕事に来い」と言ってきたけど、「時間が見えないから無理だ」と突っ撥ねて、午前中だけ仕事をして、帰宅早々に母の車で病院へ。
 少し遅い昼食入ったファミレスで、延々と不安を吐き出していた記憶はあるけど、何を言っていたかはよく覚えてない。
 ただ、母が真剣に聞いてくれたことにすごく安心した。

 「指定の時間に直接検査室へ行ってください」と以前に……えーと、前話の書いてない部分で看護士さんに言われていたので、診察券の提示も無しで検査室の受付へ。
「あの…すみません。無呼吸症候群の検査に来たのですが…」
「如月 巽さんですねー。中へどうぞ」
血圧測定なくてよかった、絶対おかしな数値叩き出せる自信しかないわ、そんな自信いらないよ自分。

いや落ち着きなさい。
無理です怖いんです。

 心の中、一人漫才を展開しながら検査室内。
 当たり前といえば当たり前だが、見たこともない医療器具がそこかしこ。
 空想想像妄想で思い描くような、ケーブルが沢山繋がる機材もある。
 普段なら「創作に活かせるかも」と多少考えるけど、場合によっちゃ命が掛かってくる病の予備軍宣告状態。そんなことを思う余裕すらない。
「検査キットお渡し前に、鼻腔と気管の検査しますので。こちら持ってもらっていいですか?」
 そう言った女性看護士さんに不思議な物体を差し出される。

 ひと昔前…90年代後半から00年代に流行ったSF系アニメに出てきそうな、やたらデカいビームガンみたいな…って、その世代じゃない方には分からないかもしれない。
 例えるなら、玩具コーナーで売ってるやたらデカくて派手なウォーターガン。あれがもう一回りくらい大きい感じ。
……想像し辛かったら検索掛けてください。多分出てくるはず。

 銃口側には酸素吸入に使うマスク。その内側には短い紐が繋がった栓が一つ。
「そちらの栓で鼻の片側を塞いでもらって、マスクをしっかり当ててください。グリップを握って自分にしっかりと押さえつけて、合図をしたら鼻だけで呼吸してくださいね」
あ、やっぱりこれ鼻栓なのね。予想はしてたけども。
 指示通りに片鼻を塞いでマスクを当てる。
 グリップは握りやすいように外向きになっていて、合図と同時にゆっくりと呼吸を繰り返す。
 大きなオモチャ銃の銃口にマスクつけて自分に押し付けてる。検査中は考えないようにしていたけど、シュールな光景だったと思う。
 実際には検査器具だし、凄く真面目に検査していたんだけど、でもあの見た目はオモチャだった。
 鼻腔・気管検査の結果としては、元々鼻腔も気管も狭く、空気の通りが良くない方だった事と、軽肥満のために元より少し細い気管が更に狭くなっている事がわかった。

肥満に一理なし。耳が痛い痛い。

そして一通り検査キットの説明を聞き、受け取って帰路に着いた。
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