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第3夜 魔術実験《まじゅつじっけん》

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あれ、ここはどこだろう?
ひろ部屋へやてきたね。つちかべにシャンデリア。質素しっそ豪華ごうかわった部屋にちゃったな。
ローブを羽織はおった子供こどもたちがする。きみもおそろいの格好かっこうをしているね!あれれ、どうして、いつのに。それは制服せいふくっていうんじゃない?とても似合にあっていていいかんじ。
黒板こくばんつくえ椅子いすがあるから教室きょうしつみたい。
ガヤガヤガヤみんなはおはなしてて、やす時間じかんみたいだよ。

─さてみなさんすわってください。と、黒板こくばんまえには先生せんせいが。
指揮者しきしゃぼうっている。トントンツートン。トントンツートン。四拍子よんびょうし
バラバラだったクラスメートがリズムにあわわせてすわっていく。

君もいつのにか座ってた。自分じぶんせきに座ってる。この席であってるのかって?ダイジョウブ。君がここに座っていたなら、この席はたしかに君の席。
先生の指揮しきに合わせて皆のうごきがっている。ここは音楽室おんがくしつかもしれないなあ。だけど楽器がっきがありゃしない。

─はいみなさん。材料ざいりょううしろの席までまわして下さい。
そうって、先生、指揮棒を振っている。皆はリズムにって回してく。後ろの席へと回してく。

あれ?回していたら自分のぶんがなくなった。
先生、材料がりません!
貴方あなたはじめからっているじゃないの。
先生は、指揮棒で君のかばんしている。
そっか鞄の中にあるのが材料なんだ。

─では、机の中からお道具箱どうぐばこふたして、それをひっくりかえしましょう。
つくえしに色々いろいろはいってる。たしかにお道具箱が入ってた。
それよりはこ中身なかみになった。
使つかいかけのシール。アサリの貝殻かいがら。バネとネジ。とけけたイチゴミルクキャンディ。しゴムの欠片かけらに、茶色ちゃいろ小瓶こびんはいってる。こんなのいれれたおぼえがない。だけど、これは君の机。

─それでは、その中に"飛行ひこうすな"を入れて下さい。
となりの席を見てみると。お道具箱の蓋の上に飛行の砂をサラサラ入れていた。ドバドバーっと入れていた。
画用紙がようしうえじゃなかったの?

─それでは両手りょうて丁寧ていねいうごかして、飛行の砂をかばせましょう。
授業じゅぎょうおくれてあせっちゃう。かばんなかからつかす。素早すばやく砂を掴み出す。
もうすでに、まわりの皆はすこしだけ、はこふたから砂をかばせている。こうゆうときかぎって砂を机の上にこぼしちゃう。あつなおして入れていこう。

だけど、君はすでにやり方をっている。砂がちゅういていく。君の体のまわりに浮いた砂がまわってる。あっというに砂の羽が体の一部いちぶになっちゃった。

─あなたが一番いちばん出来できました。皆におしえてあげなさい。
皆が君周りにあつまった。君はあっという間に優等生ゆうとうせい。砂の羽は体の一部。自由自在じゆうじざいうごかせる。
「あなたの羽、色キレイね。どういう砂の配合はいごうなの?」
「確かにトレンドをさえてるね。」
流行はやりはやっぱり砂のブレンドが重要じゅうようだよね。」
「そんなに器用きようあつかえるなんてすごい!コツを教えて?」
あっという間に人気者にんきもの
砂は好きな色を入れてるだけだし。コツっていっても、こうしてこうすれば、こうなった。
こんなに飛行の砂を扱えるのは君が一番得意とくいみたいだ。教えた僕もほこらしい。だから皆も君を見習みならって、どんどん羽を完成かんせいさせていった。

─はい皆さん用意よういが出来たみたいなので、まどからんでいきましょう。

先生が窓にかって指揮棒しきぼうると、皆一斉いっせいに窓に向かっていった。窓にあつまる生徒せいとたち。
君もがって窓に向かおう。

全員ぜいいんそろったところで先生がう、

飛行訓練開始ひこうくんれんかいし
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