56 / 87
ゴッときてガッとやってバーン
しおりを挟む
頑張りすぎたご褒美に、夕飯はレイニート様が奢ってくれるという事になり、以前ルノさんと行った石窯焼き屋さんをお願いした。それしか店を知らないから何処が良いと言われても答えようがない。
「前にルノさんが頼んでいたのって、この『ジェヴォンパミソースのペーロ包み焼き』ですよね。美味しかったし頼んでみよう……」
食欲はあまり無い上にメニューを読んでも食材名だけでは見当がつかないので知っている物をお願いした。少しスパイシーな味だったと思うので今はその方が食べやすいかな。
「じゃあ俺は『ミラペル漬けカロラブニャのクレムホエルメル石窯焼き』にしようかな」
呪文の様なその料理はベルンさんお薦めの一品な、あのグラタン。
「あ、俺が食べてたの気になってたんですね。言ってくれたら良かったのに」
「シーナがとても幸せそうに食べてたからね。それを頂戴なんて言えないよ」
いやいや、そこまで心狭くないって……俺はあの時ルノさんのを一口貰ったわけだし……。
「仲が良いのは結構だが、君達は僕に何か言う事は無いのかい?」
苦虫を噛み潰した様なレイニート様、せっかくの王子顔が台無しになっている。
「ごちそうさまです」
「レイニート様も早く選んでいただけますか」
ルノさんは二冊目のメニューをレイニート様の前に差し出した。
「違うだろう!!散々誤解して僕にマグマボールまで放ってきておきながら、夕飯までたかるとは!!君はルノルトスにどういう教育をしているんだ!!」
「すみません。いろいろ混乱してて……錯綜させてしまいました」
せっかく静かで落ち着いた雰囲気の店なのに……貴族様がそんな大声を出すのはいかがなものだろうか。
だいたいルノさんの教育に関する文句は隊長に言って欲しい。俺だってそのせいで羞恥プレイという被害を受けた事がある。
「半分は誤解だったとしてもシーナに鞭なんて振るおうとしていたのは事実でしょう?結果的に当たっていなければ良いんでしたよね?」
「まあ僕が優秀過ぎるから当たっちゃいないが……あんなの僕以外なら受け止められないからな、そこは忘れるないでくれよ」
言うだけあって、レイニート様の魔法は本当に凄かった。ルノさんが強いのは十分知っていたが、レイニート様も強かった。
ルノさんのグラグラ煮え立つ火の玉をレイニート様は土の壁を作り出しガバァッと飲み込んだ後、ギュッとやって固めてパラパラと土へと還してしまった。
語彙力が無くて説明し辛いが、目の前で繰り広げられたそれは、まるでスペクタクル映画のクライマックスシーンを見ているかの様な迫力で……人間あまりにも現実離れした事態が起こると頭が真っ白になり何も考えられなくなるらしい。
二人を止める言葉がみつからず。
睨み合う二人の間に辛うじて出せた言葉が心にもない「お腹が空いた」の一言だったが……「シーナにひもじい思いをさせるなんてごめんね」と謝るルノさんと「なんだ、やはりお腹が空いていたのではないか。最初から素直に誘いを受けていれば良いものを」と笑うレイニート様。
二人の後ろの焼け野原と土がひっくり返された跡、よくあの一言で止まってくれたものだと思う。
「まあ良い……シーナ君の戦闘方法は初めて見る興味深いものだったからね。僕もシーナ君の様子に気づかず無理させたのは認めよう。さあ、シーナ君、好きな物を好きなだけ頼んでくれたまえ」
俺もまさかあんな戦い方になるとは思わなかった……あれは必要な分までレベルが上がったら封印だな。血塗れで刃物持って襲ってくる着ぐるみなんてB級ホラー以外の何ものでもない。
細身の店員さんが両手に皿を持って、テーブルに料理が運ばれて来た。
それぞれの前に並べられた料理。
あ……うん……失敗したかも……。
ミートパイは、ナイフを入れると中から赤いパミソースが溢れ出して……ちょっと重ね合わせたくない映像が頭に浮かんできてしまう。
「シーナ、この料理クレムが濃厚過ぎて俺には重すぎるみたいだ……よかったらペーロ包み焼きと交換してくれないか?」
ナイフとフォークが止まってしまっていた俺の耳元に、ルノさんがそっと尋ねてきた。
俺の方に寄せられた『ミラペル漬けカロラブニャのクレムホエルメル石窯焼き』……一口も食べてないのに?
「ルノさん……ありがとうございます」
「お願いしたのは俺の方だよ。うん、俺はこのぐらい辛みのある方が食べやすいな」
甘いホットポムポムが好きなくせに……ホエルメルだって好きなの知ってる。
「一口くらいは食べてみてくださいね。きっと好きになりますよ」
取り替えられたグラタンを一口分フォークで掬って差し出すと、頬を赤く染めながらバツが悪そうに口へ運んでくれた。
「ルノさん好きな味ですよね。詰所でも作れる様に頑張ります」
「それは楽しみだね」
向かいの席からわざとらしい大きな咳払いが聞こえた。
すみません、レイニート様の存在をすっかり忘れてしまっていました。
「レイニート様の注文された物も美味しそうですね。えっと……レッドヘッドベアのモヒカン姿煮でしたっけ?」
慌てて取り繕ったけど、唾でも吐き掛けてきそうな表情のレイニート様に睨まれる。
「ピノヘルヴェッカとモエクルのスガール風だ……王国の三大高級食材をレッドヘッドベアと一緒にするんじゃない。まったく……一応俺はこの街の領主という立場なんだ。周りの目もある中で未成年との仲をどうどうと見せ付けないでくれるかな。君達の交際は見逃してやりたいが、目に余る様なら立場上、君達を処罰しなければならなくなるだろう」
「こっ!?おお……俺とルノさんはっ……付き合ってませんよ!!」
「は?何を言っているんだ。どこからどう見ても恋人同士もしくはそれ以上にしか見えないじゃないか、初めルノルトスを恋人と呼んだが、君も否定しなかっただろう」
「恋人同士以上って何があるんですか!!初めあった時は……レイニート様の言葉の意味がわからないっていうか、話を理解する気がなかったっていうか、……とにかく俺はまだ交際とかそういうのわからないんで……恋人とか言われても……」
ルノさんのことは好きだけど付き合うのは無理だ。大体ルノさんからも付き合ってくれなんて言われた事ない。
俺はルノさんの恋人じゃないし、ルノさんは俺の恋人じゃない。
「いや、わかってるだろ。君は……年齢相応必要以上の理解をもっている。なんだ、本当は他に好きな人間がいてルノルトスは備蓄扱いかい?」
そりゃあ19歳ですから、知っちゃいるよ。彼女いた事ないから知識だけだけど……知っているからこそ、ルノさんには申し訳ないと思うけど付き合うことは、考えられない。
「備蓄って……そういうわけじゃ……」
自分でも悪いと思っている事をはっきりと言われて言葉に詰まる。自分を正当化する言葉を必死に探したけど……そんなものはどこにもない。
「俺はただシーナの側に居られたら幸せだよ。もしもの時にシーナを助けられる備えが俺だというなら備蓄という言葉も悪くない」
気にする必要はないと頭を撫でられたけど、何も答えられずルノさんから視線を外した。
「へぇ……その割には嫉妬で自分が見えなくなっていたみたいだが?ん……料理が冷めてしまうな。シーナ君もルノルトスも早く食べたまえ、時間は有限だ。いつまでも目の前にあると思っていると食べ時を逃してしまう」
優雅に食事を再開させたレイニート様……いつまでもあると思うな親と金……。
異世界に来て突然、親も金も……今まで周りにあった全ての物を一度失ったからそんな事はわかってる。ルノさんはずっと側にいてくれる、そんな絶対なんてない事も……失いたくないから手にしたくない。
この状況に甘えている事が許されるなら……甘え続けていたい。いつまでそうやって甘えていられるのかなんてわからないんだし……僅かな間ぐらい許して欲しい。
『ミラペル漬けカロラブニャのクレムホエルメル石窯焼き』は前回食べた時よりも味がぼやけて感じた。
「前にルノさんが頼んでいたのって、この『ジェヴォンパミソースのペーロ包み焼き』ですよね。美味しかったし頼んでみよう……」
食欲はあまり無い上にメニューを読んでも食材名だけでは見当がつかないので知っている物をお願いした。少しスパイシーな味だったと思うので今はその方が食べやすいかな。
「じゃあ俺は『ミラペル漬けカロラブニャのクレムホエルメル石窯焼き』にしようかな」
呪文の様なその料理はベルンさんお薦めの一品な、あのグラタン。
「あ、俺が食べてたの気になってたんですね。言ってくれたら良かったのに」
「シーナがとても幸せそうに食べてたからね。それを頂戴なんて言えないよ」
いやいや、そこまで心狭くないって……俺はあの時ルノさんのを一口貰ったわけだし……。
「仲が良いのは結構だが、君達は僕に何か言う事は無いのかい?」
苦虫を噛み潰した様なレイニート様、せっかくの王子顔が台無しになっている。
「ごちそうさまです」
「レイニート様も早く選んでいただけますか」
ルノさんは二冊目のメニューをレイニート様の前に差し出した。
「違うだろう!!散々誤解して僕にマグマボールまで放ってきておきながら、夕飯までたかるとは!!君はルノルトスにどういう教育をしているんだ!!」
「すみません。いろいろ混乱してて……錯綜させてしまいました」
せっかく静かで落ち着いた雰囲気の店なのに……貴族様がそんな大声を出すのはいかがなものだろうか。
だいたいルノさんの教育に関する文句は隊長に言って欲しい。俺だってそのせいで羞恥プレイという被害を受けた事がある。
「半分は誤解だったとしてもシーナに鞭なんて振るおうとしていたのは事実でしょう?結果的に当たっていなければ良いんでしたよね?」
「まあ僕が優秀過ぎるから当たっちゃいないが……あんなの僕以外なら受け止められないからな、そこは忘れるないでくれよ」
言うだけあって、レイニート様の魔法は本当に凄かった。ルノさんが強いのは十分知っていたが、レイニート様も強かった。
ルノさんのグラグラ煮え立つ火の玉をレイニート様は土の壁を作り出しガバァッと飲み込んだ後、ギュッとやって固めてパラパラと土へと還してしまった。
語彙力が無くて説明し辛いが、目の前で繰り広げられたそれは、まるでスペクタクル映画のクライマックスシーンを見ているかの様な迫力で……人間あまりにも現実離れした事態が起こると頭が真っ白になり何も考えられなくなるらしい。
二人を止める言葉がみつからず。
睨み合う二人の間に辛うじて出せた言葉が心にもない「お腹が空いた」の一言だったが……「シーナにひもじい思いをさせるなんてごめんね」と謝るルノさんと「なんだ、やはりお腹が空いていたのではないか。最初から素直に誘いを受けていれば良いものを」と笑うレイニート様。
二人の後ろの焼け野原と土がひっくり返された跡、よくあの一言で止まってくれたものだと思う。
「まあ良い……シーナ君の戦闘方法は初めて見る興味深いものだったからね。僕もシーナ君の様子に気づかず無理させたのは認めよう。さあ、シーナ君、好きな物を好きなだけ頼んでくれたまえ」
俺もまさかあんな戦い方になるとは思わなかった……あれは必要な分までレベルが上がったら封印だな。血塗れで刃物持って襲ってくる着ぐるみなんてB級ホラー以外の何ものでもない。
細身の店員さんが両手に皿を持って、テーブルに料理が運ばれて来た。
それぞれの前に並べられた料理。
あ……うん……失敗したかも……。
ミートパイは、ナイフを入れると中から赤いパミソースが溢れ出して……ちょっと重ね合わせたくない映像が頭に浮かんできてしまう。
「シーナ、この料理クレムが濃厚過ぎて俺には重すぎるみたいだ……よかったらペーロ包み焼きと交換してくれないか?」
ナイフとフォークが止まってしまっていた俺の耳元に、ルノさんがそっと尋ねてきた。
俺の方に寄せられた『ミラペル漬けカロラブニャのクレムホエルメル石窯焼き』……一口も食べてないのに?
「ルノさん……ありがとうございます」
「お願いしたのは俺の方だよ。うん、俺はこのぐらい辛みのある方が食べやすいな」
甘いホットポムポムが好きなくせに……ホエルメルだって好きなの知ってる。
「一口くらいは食べてみてくださいね。きっと好きになりますよ」
取り替えられたグラタンを一口分フォークで掬って差し出すと、頬を赤く染めながらバツが悪そうに口へ運んでくれた。
「ルノさん好きな味ですよね。詰所でも作れる様に頑張ります」
「それは楽しみだね」
向かいの席からわざとらしい大きな咳払いが聞こえた。
すみません、レイニート様の存在をすっかり忘れてしまっていました。
「レイニート様の注文された物も美味しそうですね。えっと……レッドヘッドベアのモヒカン姿煮でしたっけ?」
慌てて取り繕ったけど、唾でも吐き掛けてきそうな表情のレイニート様に睨まれる。
「ピノヘルヴェッカとモエクルのスガール風だ……王国の三大高級食材をレッドヘッドベアと一緒にするんじゃない。まったく……一応俺はこの街の領主という立場なんだ。周りの目もある中で未成年との仲をどうどうと見せ付けないでくれるかな。君達の交際は見逃してやりたいが、目に余る様なら立場上、君達を処罰しなければならなくなるだろう」
「こっ!?おお……俺とルノさんはっ……付き合ってませんよ!!」
「は?何を言っているんだ。どこからどう見ても恋人同士もしくはそれ以上にしか見えないじゃないか、初めルノルトスを恋人と呼んだが、君も否定しなかっただろう」
「恋人同士以上って何があるんですか!!初めあった時は……レイニート様の言葉の意味がわからないっていうか、話を理解する気がなかったっていうか、……とにかく俺はまだ交際とかそういうのわからないんで……恋人とか言われても……」
ルノさんのことは好きだけど付き合うのは無理だ。大体ルノさんからも付き合ってくれなんて言われた事ない。
俺はルノさんの恋人じゃないし、ルノさんは俺の恋人じゃない。
「いや、わかってるだろ。君は……年齢相応必要以上の理解をもっている。なんだ、本当は他に好きな人間がいてルノルトスは備蓄扱いかい?」
そりゃあ19歳ですから、知っちゃいるよ。彼女いた事ないから知識だけだけど……知っているからこそ、ルノさんには申し訳ないと思うけど付き合うことは、考えられない。
「備蓄って……そういうわけじゃ……」
自分でも悪いと思っている事をはっきりと言われて言葉に詰まる。自分を正当化する言葉を必死に探したけど……そんなものはどこにもない。
「俺はただシーナの側に居られたら幸せだよ。もしもの時にシーナを助けられる備えが俺だというなら備蓄という言葉も悪くない」
気にする必要はないと頭を撫でられたけど、何も答えられずルノさんから視線を外した。
「へぇ……その割には嫉妬で自分が見えなくなっていたみたいだが?ん……料理が冷めてしまうな。シーナ君もルノルトスも早く食べたまえ、時間は有限だ。いつまでも目の前にあると思っていると食べ時を逃してしまう」
優雅に食事を再開させたレイニート様……いつまでもあると思うな親と金……。
異世界に来て突然、親も金も……今まで周りにあった全ての物を一度失ったからそんな事はわかってる。ルノさんはずっと側にいてくれる、そんな絶対なんてない事も……失いたくないから手にしたくない。
この状況に甘えている事が許されるなら……甘え続けていたい。いつまでそうやって甘えていられるのかなんてわからないんだし……僅かな間ぐらい許して欲しい。
『ミラペル漬けカロラブニャのクレムホエルメル石窯焼き』は前回食べた時よりも味がぼやけて感じた。
75
お気に入りに追加
2,573
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
【完結】欠陥品と呼ばれていた伯爵令息だけど、なぜか年下の公爵様に溺愛される
ゆう
BL
アーデン伯爵家に双子として生まれてきたカインとテイト。
瓜二つの2人だが、テイトはアーデン伯爵家の欠陥品と呼ばれていた。その訳は、テイトには生まれつき右腕がなかったから。
国教で体の障害は前世の行いが悪かった罰だと信じられているため、テイトに対する人々の風当たりは強く、次第にやさぐれていき・・・
もう全てがどうでもいい、そう思って生きていた頃、年下の公爵が現れなぜか溺愛されて・・・?
※設定はふわふわです
※差別的なシーンがあります
婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する
135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。
現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。
最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
随時更新です。
嫌われ愛し子が本当に愛されるまで
米猫
BL
精霊に愛されし国フォーサイスに生まれたルーカスは、左目に精霊の愛し子の証である金緑石色の瞳を持っていた。
だが、「金緑石色の瞳は精霊の愛し子である」という情報は認知されておらず、母親であるオリビアは気味が悪いとルーカスを突き放し、虐げた。
愛されることも無く誰かに求められることも無い。生きている意味すら感じれなくなる日々を送るルーカスに運命を変える日が訪れ少しずつ日常が変化していき·····
トラウマを抱えながら生きるルーカスが色んな人と出会い成長していきます!
ATTENTION!!
・暴力や虐待表現があります!
・BLになる(予定)
・書いたら更新します。ですが、1日1回は更新予定です。時間は不定期
甥っ子と異世界に召喚された俺、元の世界へ戻るために奮闘してたら何故か王子に捕らわれました?
秋野 なずな
BL
ある日突然、甥っ子の蒼葉と異世界に召喚されてしまった冬斗。
蒼葉は精霊の愛し子であり、精霊を回復できる力があると告げられその力でこの国を助けて欲しいと頼まれる。しかし同時に役目を終えても元の世界には帰すことが出来ないと言われてしまう。
絶対に帰れる方法はあるはずだと協力を断り、せめて蒼葉だけでも元の世界に帰すための方法を探して孤軍奮闘するも、誰が敵で誰が味方かも分からない見知らぬ地で、1人の限界を感じていたときその手は差し出された
「僕と手を組まない?」
その手をとったことがすべての始まり。
気づいた頃にはもう、その手を離すことが出来なくなっていた。
王子×大学生
―――――――――
※男性も妊娠できる世界となっています
転生するにしても、これは無いだろ! ~死ぬ間際に読んでいた小説の悪役に転生しましたが、自分を殺すはずの最強主人公が逃がしてくれません~
槿 資紀
BL
駅のホームでネット小説を読んでいたところ、不慮の事故で電車に撥ねられ、死んでしまった平凡な男子高校生。しかし、二度と目覚めるはずのなかった彼は、死ぬ直前まで読んでいた小説に登場する悪役として再び目覚める。このままでは、自分のことを憎む最強主人公に殺されてしまうため、何とか逃げ出そうとするのだが、当の最強主人公の態度は、小説とはどこか違って――――。
最強スパダリ主人公×薄幸悪役転生者
R‐18展開は今のところ予定しておりません。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる