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聖騎士
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※フリード視点
二年で騎士団入団試験に合格したのは俺とジョーカーだけだった。
毎年いるかいないかというほど厳しい騎士団入団試験に二人もルーキーが現れたと学園中が騒がしかった。
当事者である俺達は他人事のようにそれを眺めていた。
騒ぐほどの事でもないだろ、毎年受かる奴は受かるんだから…
それに俺は今、それどころじゃなかった。
誰にも言えないイリヤと二人だけの秘密を抱えた。
俺が聖騎士?イリヤが共魔術師?俺達一心同体?
実感が湧かずとりあえずイリヤと繋がっている事だけを考えよう。
やっと結ばれたんだ、これからの甘い毎日に心躍らせよう。
使い魔を通してイリヤを眺めるのが俺の毎朝の日課だ。
無防備に安心しきったイリヤを見て頬を緩ませる。
「気持ち悪い」
後ろのガヤが何を言っても俺の耳に届かない。
俺の耳は声変わりをしても少し高めなイリヤの声を感じるためにあるんだ。
次はいつ会えるだろうか、俺自身もよく分からない。
試験が終わってひと段落だと思っていたが、入団書類を書いたり説明会に参加したり予定がぎっしり詰まっていた。
母からも家に帰ってこいと手紙をもらっている、会えるのはこの時くらいか。
あんなに騎士に反対していたのにいざ合格すると都合がいいものだなとため息を吐く。
イリヤに会うなと言われているから会うなら慎重にしなきゃなと考える。
早くイリヤと毎日会えるようにしないと、母がイリヤになにかする前に…
今日は書類を書くんだっけな、在学中でも騎士団に入れば騎士団の仕事を優先して取り組まなくてはならない。
しかも俺は試験の時、試験官に合格と言わせるだけで良かったものの武器を破壊して戦えなくしたから俺を次期騎士団長にするための教育も叩き込むとか俺が戦った騎士団長に試験の後言われた。
イリヤとの時間が減るなら平団員でいいのにと思ったが騎士団長になれば多少のわがままは通ると悪い顔をした騎士団長に言われ揺れてしまい了承した俺も俺だけどな。
別に悪い事をしようとは思っていないがちょっとな。
ジョーカーもイリヤを守るために強くなる事を選んで副団長になる事を決めていた。
俺達って、イリヤの事になると単純になってしまうな…イリヤのためならなんだってしてやりたいからな。
イリヤが起きて目を擦って使い魔の頭を撫でているのが分かる。
自分の使い魔だけど羨ましい…俺だって頭を撫でてほしいのに…
「ストーカーかお前は」
ジョーカーは俺を冷めた目で見ているが羨ましいのだろう、なんせ使い魔の映像は主人である俺しか見れないからな。
ドヤ顔でジョーカーを見ると「映像より本物の方がいい」と言いながらリビングを出て行った。
俺だって出来るなら本物がいいに決まっている。
しかし本物に触れないから映像で癒されてるんだろ!
流石にイリヤに悪いから風呂とか着替えは使い魔が着いて行っても見ないようにしている。
直接イリヤに触れる事を許された日に俺はあの絶景の続きを見るんだ。
それまで自分で慰めてお預け……辛い。
それはイリヤに好かれ、同じくイリヤを好いているジョーカーも同じだろう。
最初はジョーカーもかよ…とは思っていたが、イリヤが好きな気持ちは変わらないし…イリヤが俺から離れてしまう事を考えると死にたくなるほど嫌で、まぁイリヤがいいならいいかと思った。
それになんかジョーカーの俺は何でも受け入れていますという態度が物凄く腹が立った。
ジョーカーとはライバル同士だが、同じイリヤが好き者同士認めてやろう。
ジョーカーは聖騎士でなくてもそれなりに強いしな。
しかし俺はジョーカーと仲良くする気は微塵もなかった。
二年で騎士団入団試験に合格したのは俺とジョーカーだけだった。
毎年いるかいないかというほど厳しい騎士団入団試験に二人もルーキーが現れたと学園中が騒がしかった。
当事者である俺達は他人事のようにそれを眺めていた。
騒ぐほどの事でもないだろ、毎年受かる奴は受かるんだから…
それに俺は今、それどころじゃなかった。
誰にも言えないイリヤと二人だけの秘密を抱えた。
俺が聖騎士?イリヤが共魔術師?俺達一心同体?
実感が湧かずとりあえずイリヤと繋がっている事だけを考えよう。
やっと結ばれたんだ、これからの甘い毎日に心躍らせよう。
使い魔を通してイリヤを眺めるのが俺の毎朝の日課だ。
無防備に安心しきったイリヤを見て頬を緩ませる。
「気持ち悪い」
後ろのガヤが何を言っても俺の耳に届かない。
俺の耳は声変わりをしても少し高めなイリヤの声を感じるためにあるんだ。
次はいつ会えるだろうか、俺自身もよく分からない。
試験が終わってひと段落だと思っていたが、入団書類を書いたり説明会に参加したり予定がぎっしり詰まっていた。
母からも家に帰ってこいと手紙をもらっている、会えるのはこの時くらいか。
あんなに騎士に反対していたのにいざ合格すると都合がいいものだなとため息を吐く。
イリヤに会うなと言われているから会うなら慎重にしなきゃなと考える。
早くイリヤと毎日会えるようにしないと、母がイリヤになにかする前に…
今日は書類を書くんだっけな、在学中でも騎士団に入れば騎士団の仕事を優先して取り組まなくてはならない。
しかも俺は試験の時、試験官に合格と言わせるだけで良かったものの武器を破壊して戦えなくしたから俺を次期騎士団長にするための教育も叩き込むとか俺が戦った騎士団長に試験の後言われた。
イリヤとの時間が減るなら平団員でいいのにと思ったが騎士団長になれば多少のわがままは通ると悪い顔をした騎士団長に言われ揺れてしまい了承した俺も俺だけどな。
別に悪い事をしようとは思っていないがちょっとな。
ジョーカーもイリヤを守るために強くなる事を選んで副団長になる事を決めていた。
俺達って、イリヤの事になると単純になってしまうな…イリヤのためならなんだってしてやりたいからな。
イリヤが起きて目を擦って使い魔の頭を撫でているのが分かる。
自分の使い魔だけど羨ましい…俺だって頭を撫でてほしいのに…
「ストーカーかお前は」
ジョーカーは俺を冷めた目で見ているが羨ましいのだろう、なんせ使い魔の映像は主人である俺しか見れないからな。
ドヤ顔でジョーカーを見ると「映像より本物の方がいい」と言いながらリビングを出て行った。
俺だって出来るなら本物がいいに決まっている。
しかし本物に触れないから映像で癒されてるんだろ!
流石にイリヤに悪いから風呂とか着替えは使い魔が着いて行っても見ないようにしている。
直接イリヤに触れる事を許された日に俺はあの絶景の続きを見るんだ。
それまで自分で慰めてお預け……辛い。
それはイリヤに好かれ、同じくイリヤを好いているジョーカーも同じだろう。
最初はジョーカーもかよ…とは思っていたが、イリヤが好きな気持ちは変わらないし…イリヤが俺から離れてしまう事を考えると死にたくなるほど嫌で、まぁイリヤがいいならいいかと思った。
それになんかジョーカーの俺は何でも受け入れていますという態度が物凄く腹が立った。
ジョーカーとはライバル同士だが、同じイリヤが好き者同士認めてやろう。
ジョーカーは聖騎士でなくてもそれなりに強いしな。
しかし俺はジョーカーと仲良くする気は微塵もなかった。
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