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35.人格、変わりすぎじゃね……? ※

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 ※この話から、攻めが暴力的な言動をします。苦手な方はご注意下さい。



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 レイドが、顔を上げ、俺を目に捉える。途端に、その顔には――憎悪感、嫌悪感、拒否感が浮かんでいた。

 あ~……。やっぱり、そうなるか。

 これさ……。俺、めちゃくちゃ大変じゃない? レイド、心配してくれるのはありがたいけど、簡単に術にかかるなよ。……いや、俺もか。はぁ、俺ら……ぐだぐだ過ぎだろ。

 まだ、身体の痺れが取れていないから。何とか時間稼ぎ、出来るかな……? と眉をひそめているレイドを見ながら、どうするかを考えていたら――。
 レイドに、刃のように鋭い目を向けられた。

「なんだ、貴様……。醜悪な顔をして、俺を見るな。腐る」
「はああ……?」

 え、なんだ……と? おいぃ~? くっそ、ムカつくんだけど?

 あんなに、可愛いだ~愛してるだ~子作りしようだ~俺の子を孕めだ~言ってたその口で、醜悪な顔? 腐る……?

 禁術機のせいだって、分かってるけどさ……。スッゲーぶっ飛ばして~~~っ!!

「おい、レイド……。俺、優しいからさ。我慢してやるよ……」

 俺の表情筋が、苛立ちでピクピクしてるけどな……。

「貴様が何故、俺の名を知っている?」
「へ? レイド、俺が分からないのか……?」
「チッ! 無礼者が……。馴れ馴れしく名を呼ぶな。貴様など、知るわけないだろう」

 ん? なら、記憶とかは都合よく改変されてんのか?
 本当に、俺のことを知らない、みたいな感じに見えるからな……。


「ハートシア様……」


 痴女が、顔を赤らめ。身体をモジモジさせながら、レイドに近付いて行く。


 ええ~? お前、今さっきレイドに殺されかけたよな……?
 どんだけ、鋼のメンタルなんだよ?


「貴女は……?」


 レイドは、目を見開き。そして直ぐに、頬を赤く染めていた。


 うわぁ。禁術機、マジでヤベ~な。

 あんなに、吐き気を感じるくらい嫌で。更には、殺そうとした相手にも、恋心を抱けるようになるんだ?


 俺が驚きと呆れで、ボーと2人を眺めていたら。痴女が、服を素早くババッ! と全部脱いだ。


 は……? なに? なに? 怖っ!! どんな早業だよっ!?


「ハートシア様! 私を抱いて下さいっ!」


 痴女が股を大きく広げて、へいカモンってポーズをしている。


「――ッ!? そ、そんな。俺が、貴女のような美しい人と……しても良いのか?」


 おい~? 誰だ、お前??
 禁術機に当てられて、頭おかしくなったのか?

 『しても良いのか?』……だと?

 俺には、あんな問答無用でバコバコやるくせに……?

 おい、コラ! ぶっ殺すぞ!? マジでっ!!

 ぐぅ~……っ! けど、今は我慢だ、我慢……! 俺が言葉を発したことで、警戒されちまったら困るからな……。


「美しい人っ!? ハートシア様が、私を……?」


 痴女が喜びに声を弾ませ、膣口からとろとろした液を漏らし。レイドは、ソコをじっと見詰めた後。その脚を持ち上げ、更に良く見えるように広げた。


「ああっ! ハートシア様ぁ~! 恥ずかしいです……!」
「とても、美味しそうな蜜がたくさん漏れているな? 勿体無い」


 レイドに身体を折り畳まれ。腰を高くあげた女のソコが、広がりよく見えている。

 そこを、レイドはうっとりと見ながら……。可愛いや愛らしいなど、しきりに称賛していた。
 痴女はニヤニヤと笑い。何故か、俺を見ている。

 うわ、キモッ! こっち見んな。


「ハートシア様! 早く……っ!」
「ああ、今すぐに」


 レイドの伸ばした舌が、ぬかるんだソコを舐め――――。


「させるかよっ!!」


 俺が間近くに近づいたことで。痴女が、ビュンッ! と勢いよく宙を浮き、吹っ飛んだ。


「ぴゃぎゃぁあああーーーーーーっっ!!!?」


 おお! めちゃくちゃ遠くに吹っ飛んでいった。新記録じゃね?


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