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明らかになる事実と深まる謎

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 翌日の朝、俺はまた銀の雫で朝ごはんを食べていた。この時間が落ち着くんだよなあ。コーヒーを飲みながらぼーっと考え事をする。
 ミオがこちらに気づいたようで向かってきた。

「おはようございます!」
「おはよう。そういえば、昨日話していた事件だけど、俺たちがその捜査の警備をすることになったんだ」
「そうなんですね。昨日も警察の方とお話ししていたのですが、また謎が深まっているようですよ」
「そうなんだ。何かわかったの?」
「何名か殺害された者たちの身元がわかったようです。ただ、行方不明になった時期も1ヶ月前から一昨日までバラバラで、種族やチーム、レベルもバラバラだったようです。左手が並んでいたこと以外は統一感がないらしいですね」

「そうなんだ…… それは気味が悪いね。まあ全員の身元がわかったら新しい事実が判明するのかもね」
「だといいですね。ただ、警察は猟奇殺人の可能性も視野に入れて操作をしているようですよ」
「猟奇殺人か。それはそれで怖いな。一見普通に見える冒険者が実は快楽殺人犯だったりするんだろ?ゾッとするよ」
「ですね。警備も気をつけてくださいね」
「ああ、ありがとう」
 ミオに感謝を告げると、俺はクエスト集合場所へ向かう。

 集合場所に向かうと、深刻な顔をしたライエルに呼び止められる。どうやらマルクとアズサも集められているようだ。
「この事件についてだが…… 昨日、俺も元チームメンバーが犠牲者であることがわかった。特別仲が良かったわけではないが…… 親しくしていた友人なので非常に悔しい思いをしている。出来れば俺も犯人探しをしたいのだが協力してくれるか?」
「ああ、もちろんだ」
「わかった、手伝うよ」
「ええ、犯人を見つけましょう」

 俺達は犯人探しを独自で行うことを決めた。そしてクエスト完了まで各自今後やることを検討して、話し合おうという方針で決定した。
「私達も手伝っていい? 最近仲良くしていた子が一人犠牲者になったのよ」話し合う俺らに声をかけてきたのはナタリーだった。
「そうなんですよ、特に私は仲が良かったので悔しくて……」
 悔しそうな顔のメアリー。
「ああ、いいよ。こういうのは人手が多い方が何かと都合が良いだろ」
 こうして2チーム共同での捜査が決定したのだった。

 いよいよクエスト開始の時間である。また、2名でペアを組むところは変わらないが、今日は二箇所に分かれて警備をするとのことだ。丘の警備は少数になり、多くは森の中へ。
「森の中で胴体などが見つかった。操作をするためにそちらの警備をお願いしたい」
 警察官が告げる。左手以外も見つかったんだな。

「なんで左手だけ並べたんだろうな」
「不思議ですよね。でも残りの身体も見つかったようで良かったです。これで弔いができそうですね」
 俺は今日もメアリーとペアである。
「そうだな。後は犯人が早く捕まればいいが」
「そうですね。ただ聞いたところによると……冒険者ギルドも警察もまだそこまで大事件だとは考えていないようです。犠牲者として身元が判明している冒険者のレベルが皆1だそうで、それほど強い犯人ではないのではないかと考えています。1週間は大規模捜査をするようですが、それが終わると細々とした捜査に切り替わるそうですよ」
「まあ、LV1冒険者が死ぬのは珍しいことじゃないもんなあ。今回は魔物が犯人ではなさそうだが、猟奇殺人だとしても他にやることも色々あるか」

 しかしそうなると、ライエルの捜査に本格的に手伝いをしないとな。この1週間の間に夢の羽として何かしら提言をしなければ、ほぼ捜査は打ち切りになってしまうと俺は危機感を覚える。

「そういえばナタリーとメアリーとヴェラは同じ村の出身らしいな。どうして冒険者になろうと思ったんだ?」
 俺の何気ない一言に、メアリーの表情がなくなる。
「元々、ノアという4人目の友達がいたんですよ。いつも4人は一緒だったんですけど……ある日ノアは村でアンデットに殺されてしまったんですね。それから私達は魔物に負けない力を手に入れるため冒険者になることを決めました。次は友達を死なせないためにですね」
「そうなのか……」
「すいません、暗くて。カミトさんはどうして冒険者に?」
 俺は、農家設定の話を説明する。「次男って大変みたいですね」メアリーはそう言って笑った。
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