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「変身」が持つ大いなる可能性
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チームラウンジでぼーっとしながら考える俺。ヘッズオブドラゴンとして大きな一軒家を借りており、一人一部屋借りてチームで住んでいる。2階にあるラウンジは共用スペースになっているが俺が1番気に入っているスペースだ。
「マスターどうしました?」顔を上げるとそこには心配そうな顔をする副団長のアリエッサがいる。アリエッサはLV9の魔法使いであり、通常3つしか使用できない魔法を6つ使用できることと、黒髪黒目の特徴から「黒の魔女」という二つ名がある。あるクエストで一緒になった俺達は、紆余曲折あり始めての仲間になったのだった。
アリエッサは3歳年上ということでお姉さん感があってなんでも相談しやすいオーラを出している。そして実際にチームでは司令塔となっており事務作業から政治活動まで一手に担う頼れる女性だ。ちなみにハイエルフという種族であり、あまりサクラでは見かけることのない種族である。あまりにも綺麗な顔立ちで常に注目の的だが、基本的に他種族を見下しているところがハイエルフらしく困った点である。
ちなみにハイエルフはエルフも見下している。オーラが違うと言えばそれまでだけどそんなに見た目は変わらないけどね。
「能力値が全く違います」というのがアリエッタの話。エルフ側もハイエルフは嫌いではないが苦手らしい。まあ常に見下してくる相手と仲良くする方が難しい。
「目標を見失ったんだ」
「どういうことでしょうか?」
「昔から話していたが俺は単独で龍を撃破することを目標として冒険者をしてきた。そしていざ実現したところ、もう満足してしまって何をして生きていけばわからなくなったんだ」
「より強い魔物を倒すというのはどうでしょうか?」
「うーん。悪くはないんだけどときめかないんだよなあ。龍は俺にとって特別だったからさ」
「なるほど……」アリエッサは考え込んでいる。
「まあLV 10になったし、目標なくても忙しい日々は送れそうだけどさ。なんか飽きそうなんだよなあ」
「そうですね……。一つアイデアがあります」
「どんなアイデア?」
「また冒険者をやり直してみますか?」
ん?どういう意味だ?
「転生でもするということ?」
「いえ、そういう意味ではありません。私が保有する魔法の一つに『変身』があるのはご存知ですよね? 戦闘での使い道があまりないので使用機会はなかったですが、最近落ち着いてきたため活用方法を考えていました。今なら活用できるのではないかと考えています」
「そんな魔法あったな。なるほど、俺が変身して新人冒険者として登録するということか」
「はい、そうです。新人冒険者として新しくチームを作り、様々なクエストを受けるのはどうでしょう? 『変身』を利用した場合大幅にレベルと能力が下がります。マスターだとレベル3程度でしょうか。中堅冒険者として活動できると思いますよ。」
ピカン! それは面白そうだ。俺は直感的にそう思った。
「いいね、自分探しの旅ができそうだ」
「その中で新しい目標を探すのは良いですが、旅には出ないでくださいね。マスターとしての仕事を完全に放棄されると困ります」
「そうだね、ルールを決めようか」
アリエッサと二人でルールを決めた。まず、変身するのは毎日朝から夜まで。朝にアリエッサに変身の魔法をかけてもらう。夜は自由に解除できるらしいが、相談や話し合いをするために暗くなる頃には帰ってきて欲しいとのことだ。チームリーダーは忙しい。
次に、他のチームメンバーには事情を説明するが、それ以外の者には極力変身魔法の存在を隠すこと。変身という魔法は悪用するには大変便利であるため、出来るだけ隠しておきたいらしい。そりゃそうだ。どんな事件を起こしても赤の他人になりすませば絶対に捕まらないからな。
ちなみにアリエッサ曰く変身という魔法は極めてマイナーでほとんどの人が知らないらしい。まあ有名な魔法なら警察が大変そうだから安心した。
最後に、変身時は赤の他人の振りをすること。ヘッズオブドラゴンのチームメンバーと知り合いとなると無駄に目立ってしまう。大規模なチームであれば100人以上いるチームもあるが、俺のチームは少数精鋭。入りたい輩はたくさんいるため、仲がいいとなるだけで騒動になりかねない。
しかしそうなると、流石にチームの拠点に戻るのは危険だ。近くに家を借りて穴でも掘って裏道を作るか……
「変身時の見た目は私が設定できます。どんな見た目がいいでしょうか?」
「今が金髪金眼だから…… よくいる人間と同じように黒髪黒目がいいな。肌の色は同じでいいや。身長は少し小さくしよう」
「黒髪黒目なら私と同じですね」アリエッサはニコッと笑った。
「そうだな、よろしく頼む」
「承知しました。それでは早速明日の朝に魔法を発動できるよう準備しておきます。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
すっかり夜中になってしまったので俺もアリエッサも自室に戻る。明日からの新生活が楽しみだ。キャラクター設定を練り込んで明日アリエッサに披露しよう。俺はニヤニヤしながら眠りについた。
「世界最強になってもまだ成長を求めるとはさすがマスター。やはり尊敬に値する人間です。どうしてマスター以外の人間は自堕落でどうしようもないのでしょうか」自室でアリエッサは一人つぶやく。
アリエッサにとってハイエルフより全ての面で劣る人間の中で、いやその他全種族の中でカミトは唯一尊敬できる存在である。
「マスターがより輝けるよう私ができる限り精一杯サポートさせていただきます。そしていつかはマスターの妻として全てをサポートできる存在に……うふふ」
「マスターどうしました?」顔を上げるとそこには心配そうな顔をする副団長のアリエッサがいる。アリエッサはLV9の魔法使いであり、通常3つしか使用できない魔法を6つ使用できることと、黒髪黒目の特徴から「黒の魔女」という二つ名がある。あるクエストで一緒になった俺達は、紆余曲折あり始めての仲間になったのだった。
アリエッサは3歳年上ということでお姉さん感があってなんでも相談しやすいオーラを出している。そして実際にチームでは司令塔となっており事務作業から政治活動まで一手に担う頼れる女性だ。ちなみにハイエルフという種族であり、あまりサクラでは見かけることのない種族である。あまりにも綺麗な顔立ちで常に注目の的だが、基本的に他種族を見下しているところがハイエルフらしく困った点である。
ちなみにハイエルフはエルフも見下している。オーラが違うと言えばそれまでだけどそんなに見た目は変わらないけどね。
「能力値が全く違います」というのがアリエッタの話。エルフ側もハイエルフは嫌いではないが苦手らしい。まあ常に見下してくる相手と仲良くする方が難しい。
「目標を見失ったんだ」
「どういうことでしょうか?」
「昔から話していたが俺は単独で龍を撃破することを目標として冒険者をしてきた。そしていざ実現したところ、もう満足してしまって何をして生きていけばわからなくなったんだ」
「より強い魔物を倒すというのはどうでしょうか?」
「うーん。悪くはないんだけどときめかないんだよなあ。龍は俺にとって特別だったからさ」
「なるほど……」アリエッサは考え込んでいる。
「まあLV 10になったし、目標なくても忙しい日々は送れそうだけどさ。なんか飽きそうなんだよなあ」
「そうですね……。一つアイデアがあります」
「どんなアイデア?」
「また冒険者をやり直してみますか?」
ん?どういう意味だ?
「転生でもするということ?」
「いえ、そういう意味ではありません。私が保有する魔法の一つに『変身』があるのはご存知ですよね? 戦闘での使い道があまりないので使用機会はなかったですが、最近落ち着いてきたため活用方法を考えていました。今なら活用できるのではないかと考えています」
「そんな魔法あったな。なるほど、俺が変身して新人冒険者として登録するということか」
「はい、そうです。新人冒険者として新しくチームを作り、様々なクエストを受けるのはどうでしょう? 『変身』を利用した場合大幅にレベルと能力が下がります。マスターだとレベル3程度でしょうか。中堅冒険者として活動できると思いますよ。」
ピカン! それは面白そうだ。俺は直感的にそう思った。
「いいね、自分探しの旅ができそうだ」
「その中で新しい目標を探すのは良いですが、旅には出ないでくださいね。マスターとしての仕事を完全に放棄されると困ります」
「そうだね、ルールを決めようか」
アリエッサと二人でルールを決めた。まず、変身するのは毎日朝から夜まで。朝にアリエッサに変身の魔法をかけてもらう。夜は自由に解除できるらしいが、相談や話し合いをするために暗くなる頃には帰ってきて欲しいとのことだ。チームリーダーは忙しい。
次に、他のチームメンバーには事情を説明するが、それ以外の者には極力変身魔法の存在を隠すこと。変身という魔法は悪用するには大変便利であるため、出来るだけ隠しておきたいらしい。そりゃそうだ。どんな事件を起こしても赤の他人になりすませば絶対に捕まらないからな。
ちなみにアリエッサ曰く変身という魔法は極めてマイナーでほとんどの人が知らないらしい。まあ有名な魔法なら警察が大変そうだから安心した。
最後に、変身時は赤の他人の振りをすること。ヘッズオブドラゴンのチームメンバーと知り合いとなると無駄に目立ってしまう。大規模なチームであれば100人以上いるチームもあるが、俺のチームは少数精鋭。入りたい輩はたくさんいるため、仲がいいとなるだけで騒動になりかねない。
しかしそうなると、流石にチームの拠点に戻るのは危険だ。近くに家を借りて穴でも掘って裏道を作るか……
「変身時の見た目は私が設定できます。どんな見た目がいいでしょうか?」
「今が金髪金眼だから…… よくいる人間と同じように黒髪黒目がいいな。肌の色は同じでいいや。身長は少し小さくしよう」
「黒髪黒目なら私と同じですね」アリエッサはニコッと笑った。
「そうだな、よろしく頼む」
「承知しました。それでは早速明日の朝に魔法を発動できるよう準備しておきます。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
すっかり夜中になってしまったので俺もアリエッサも自室に戻る。明日からの新生活が楽しみだ。キャラクター設定を練り込んで明日アリエッサに披露しよう。俺はニヤニヤしながら眠りについた。
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アリエッサにとってハイエルフより全ての面で劣る人間の中で、いやその他全種族の中でカミトは唯一尊敬できる存在である。
「マスターがより輝けるよう私ができる限り精一杯サポートさせていただきます。そしていつかはマスターの妻として全てをサポートできる存在に……うふふ」
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