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全面戦争 序(五章)

209.王都決戦①

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6月6日、23時55分。
アルスは王城の内部に入っており、あることを考えていた。

「兄貴と和解できない訳じゃいよな…。」

記憶の喪失から約3ヶ月いつの間にか彼の記憶は少しづつであるか戻っていた。…古い記憶からどんどんと思い出していく中で、彼の中にはフロスとの思い出がこべりついていた。

「会わなきゃな…。」

そう考えながら、彼は時計を見た。
その時に刻まれた時刻は23時59分。秒針は9時の方向を示していた。あと15秒、それがたってしまえばもう…全面戦争は始まる。

その時!突如として、角笛の音が鳴った。
その頃ではフロスは…。

「開戦の合図だ…しっかり鳴らせよ。」

「はっ、はい!!」

近くにいた角笛を持った団員にフロスは圧をかけ、それを吹かせた。15秒、吹かせて…その笛の音が鳴り止んだあと…。

王国軍の最高戦力マーベインと、レジサイドの大将フロスは同じことを思っていた。

「「始まったぞ…。戦争が」」

レジサイド側の初手は、6月7日になった途端に住宅街に隠れていた全ての団員を使い、王城を囲い込むように包囲した。
団員たちの行進は、王城にいるアルスやマーベインにも地ならしとして伝わっていた。

一方でその頃、4番隊の精鋭部隊は未だに潜伏を続けていた。

「狙いはブァングラの本体、それとミシェルでいいんですよね、レイさん。」

「ああ、だがこの敵兵の量から二人を見つけ出すことは困難だ、ここは潜伏で行くぞ。」

「はい。」

と、まだまだ潜伏を続け、来る時に来るチャンスに1点がけをしていた。そしてそれと同時に、もう1つの話題を話していた。

「アルスを前線に配置したってまじですか?」

「ああ、本気だ。本人の希望だからな。」

「それにしても…さすがに危険です。大人として行かすべきでは無いと思います。」

「そんなことは分かっている…だが…」

「だが?」

「アルスがいればマーベインを、マーベインがいればアルスを助けれる。小耳に挟んだだけだが、フロスの狙いがアルスだ。私は彼にとってマーベインの近くは安全だと判断した。」

「なるほど、そこまで言うなら仕方ないですが…なら死んでも彼は守り抜かなきゃ…責任とれるんですか?」

「重々承知だ…それに、溜まり場の人達は全員、守り切るつもりだ。」

アルスの覚悟の上で、レイが判断を下したと知り彼女は少し安心した…。

そして…開戦から1分が経過した頃。
マーベインの元に一つの人影が、突如として空間の中から現れた。

「フロスっ!」
「よぉ、隊長さん。…来いよ?」

切り裂かれた空間の中から現れた…あれは奴の心物であろう。
…コルに聞いたところ、あの中に入れば幻覚を見る可能性がある。だがっ!

マーベインは奴が顔を出した瞬間、突進を初め《守護者の刃》でフロスを突き刺そうとした。

「こっんわ。」

フロスは空間の中に入り、出入り口を塞いだ。

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