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探索編(四章)
181.紡ぐ彼の意思①
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「えっ…いやないっすよ!」
「よく音を聞け!」
アルスの疑問に答えるべく、レイはもう一度王座の下の床と、その他の床を叩いた。
微かに、音の違いがあったのだ。
「下に空間がある…?」
「正解だ。」
そう言って、レイはビリッビリに超高級なカーペットを破りまくった。両手を使い乱暴に破った。
アルスもそれを見て、心物をナイフに変形させて破りさいた。
「ここ、掴めるぞ!」
早速レイは、地下の隠し部屋の入口であろう場所を発見した。
アルスとレイはその入口の握りを掴み、上へと開けた。
そこにあった空間は、地下へと続くロープ。
「行くぞ!」
「はい!」
2人は落ちるように地下に続く、ロープを使い落ちるように下へ下っていった。
アルスが足を着くと、横に続くドアがあった。
「開けますか?」
「当然。」
一応、レイに許可を取りアルスは《避役の長棒》を鍵に変形させ、ガチャン、という音と共に鍵は右に45度回った。
ギギギギギ………
古びたドアと老朽化した床が擦り合わさる。
重く開けにくいドアをゆっくり開け、その部屋の内部を見た…。
「んん……。なにか資料がありそうな、無さそうな。」
「だが、探す場所は少なそうだな。」
その部屋は、タンスが一つだけであった。
ただ一つだけ、手をかけられずにはいられなかった。
吸い込まれるようにそこに行くレイに、アルスは一つ提案を挙げた。
「慎重に…一応《避役の長棒》で調べておきますか?」
「ああ、そうさせてーーー」
レイが後ろを振り返った瞬間。背後からアルスに忍び寄る影があったのだ。小さな影…落下している。それがどんどんと大きくなり、アルスの後ろにぴたっと着いた。
「アルス!!後ろぉぉぉお!!」
彼の叫びは届かず、意味は虚空に消えた。
奴の片手に持ったハンマーから鈍い音を鳴らし、血が火花のように飛び散った。
「………あ…え?」
視界がぐにぁんと揺れる揺れる。
絵の具が混ぜられるように、アルスの目に映る空間が、ぐるぐると混ざって見えた。
「はい、一体目。」
アルスが倒れて、彼の向こうの人影がハッキリと見えた。
奴は間違えない…茶髪のロング、この国の兵士…それも隊長の1人。
「っ……やりやがったな、"メイソン"!?」
「お久しぶりぃ…。レイ隊長ぉ。」
ねっとりとした声で喋りながら、レイの退路を絶った。
血の着いた鈍器を振り回し、周辺に血を巻き散らかす。
レイに近ずきながら、メイソンはこう言った。
「2人で来られるとちょい、きちぃねぇ…。1人だけなら"アイツ"みたいに戦闘無しで出来るんだけどなぁ…。」
「…一つ、聞きたい。お前の言うアイツは…"ザーダ"って言う兵士か?」
メイソンはニチャアと笑い、元気よく歪んだ顔で言った。
「……うん!」
「よく音を聞け!」
アルスの疑問に答えるべく、レイはもう一度王座の下の床と、その他の床を叩いた。
微かに、音の違いがあったのだ。
「下に空間がある…?」
「正解だ。」
そう言って、レイはビリッビリに超高級なカーペットを破りまくった。両手を使い乱暴に破った。
アルスもそれを見て、心物をナイフに変形させて破りさいた。
「ここ、掴めるぞ!」
早速レイは、地下の隠し部屋の入口であろう場所を発見した。
アルスとレイはその入口の握りを掴み、上へと開けた。
そこにあった空間は、地下へと続くロープ。
「行くぞ!」
「はい!」
2人は落ちるように地下に続く、ロープを使い落ちるように下へ下っていった。
アルスが足を着くと、横に続くドアがあった。
「開けますか?」
「当然。」
一応、レイに許可を取りアルスは《避役の長棒》を鍵に変形させ、ガチャン、という音と共に鍵は右に45度回った。
ギギギギギ………
古びたドアと老朽化した床が擦り合わさる。
重く開けにくいドアをゆっくり開け、その部屋の内部を見た…。
「んん……。なにか資料がありそうな、無さそうな。」
「だが、探す場所は少なそうだな。」
その部屋は、タンスが一つだけであった。
ただ一つだけ、手をかけられずにはいられなかった。
吸い込まれるようにそこに行くレイに、アルスは一つ提案を挙げた。
「慎重に…一応《避役の長棒》で調べておきますか?」
「ああ、そうさせてーーー」
レイが後ろを振り返った瞬間。背後からアルスに忍び寄る影があったのだ。小さな影…落下している。それがどんどんと大きくなり、アルスの後ろにぴたっと着いた。
「アルス!!後ろぉぉぉお!!」
彼の叫びは届かず、意味は虚空に消えた。
奴の片手に持ったハンマーから鈍い音を鳴らし、血が火花のように飛び散った。
「………あ…え?」
視界がぐにぁんと揺れる揺れる。
絵の具が混ぜられるように、アルスの目に映る空間が、ぐるぐると混ざって見えた。
「はい、一体目。」
アルスが倒れて、彼の向こうの人影がハッキリと見えた。
奴は間違えない…茶髪のロング、この国の兵士…それも隊長の1人。
「っ……やりやがったな、"メイソン"!?」
「お久しぶりぃ…。レイ隊長ぉ。」
ねっとりとした声で喋りながら、レイの退路を絶った。
血の着いた鈍器を振り回し、周辺に血を巻き散らかす。
レイに近ずきながら、メイソンはこう言った。
「2人で来られるとちょい、きちぃねぇ…。1人だけなら"アイツ"みたいに戦闘無しで出来るんだけどなぁ…。」
「…一つ、聞きたい。お前の言うアイツは…"ザーダ"って言う兵士か?」
メイソンはニチャアと笑い、元気よく歪んだ顔で言った。
「……うん!」
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