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追求編(四章)
149.絶対的な王
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「……」
"グラギ"はこの国の王様を目の前にして立ち尽くした。
4段の階段の上、王座に座ったこの国の最高権力者は、肘掛けを使い、片手で顔を支えていた。
その傲慢かつ独尊的な態度は、不快感を圧倒的な存在感で消していた。
「良く来たな。下民よ。」
口を開けば罵詈雑言。
その王は不敵に笑いながら、グラギを見下ろして言った。
白い髪と白く長い髭を生やし、金と赤のマントと宝石を飾りに飾った服を身にまとっていた。…そして、不気味な王冠がやけに気になった。
「貴様の武力は話に聞いている。どうだ、私の奴隷にならないか?」
「"ディラノス王"…お前の権力がなんだか知らんが…。俺は面白い殺し合いがしてぇーだけだ。奴隷とかつまんねぇんだよ!!」
「そうか。我は貴様を滑稽と思うぞ、王に楯突くのだからな。」
ディラノスは立ち上がり、手を突き出した。
そして「やれ」という一言を放てば、奥から何人もの兵士が現れることとなった。
…右には2番隊の隊長、左には1番隊の隊長。
3番隊の隊長が今欠けている事は幸運だった、欠けていなければ俺を殺しにここにいるだろうからな。
そしてマーベインは居ない…なら勝算はある。
「いいか、生け捕りだ。」
王はそう兵士達に言った。
彼らは機械かのように動き始め、グラギを囲った。
しかし、グラギは囲まれたところで何も焦らず、手に《氷の独壇場》を付け、空気を凍させてクライミングのように、空を昇り始めた。
だが…
「お前が飛べ、2番隊隊長。」
ディラノスの命令の通り、囲っていた1人の隊長が盾をつけた手を上にあげてそれに引っ張られるように飛んだ。
クッソ!そういう心物もあったのかよ!
一瞬、グラギは反応が遅れた。
そして、空を飛んだ1番隊の隊長に足首を掴まれて、下に引きずり下ろされた。
そして、その後は何人もの兵士に殴られ蹴られ、集団リンチを受け続けた。1分ほどの時間が経つと、ディラノスが「もうよい」という命令が下され、兵士はグラギから身を引いた。
「つ…まんねぇ。」
血反吐と捨て台詞を吐きながら、王を睨みつけた。
しかし、ディラノスは全く気にせず、腰に添えた光輝く剣を抜いた。そしてそれをグラギの目の前に差し出した。
「死刑だ。」
そう言って、ディラノスは剣を振り上げ、グラギの首をはねようとした。彼は死を覚悟した、しかし…。
「…!?」
「完成だ。」
そうデイラノスは言った。最初、意味がわからなく困惑したグラギだが、その意味が一瞬でわかった。
「グラギ。我に平伏せよ。」
心では抵抗していたはずだ、しかし…体が恐怖を覚えていた。
気づけばディラノスに平伏していた。
あの王冠が、奴が王という事実を表していた。
「この王冠を被る我に恐怖を覚えたものは、二度と逆らうことは出来ない。」
と、心物の王冠を掲げながら、ディラノスは独り言を呟いた。
"グラギ"はこの国の王様を目の前にして立ち尽くした。
4段の階段の上、王座に座ったこの国の最高権力者は、肘掛けを使い、片手で顔を支えていた。
その傲慢かつ独尊的な態度は、不快感を圧倒的な存在感で消していた。
「良く来たな。下民よ。」
口を開けば罵詈雑言。
その王は不敵に笑いながら、グラギを見下ろして言った。
白い髪と白く長い髭を生やし、金と赤のマントと宝石を飾りに飾った服を身にまとっていた。…そして、不気味な王冠がやけに気になった。
「貴様の武力は話に聞いている。どうだ、私の奴隷にならないか?」
「"ディラノス王"…お前の権力がなんだか知らんが…。俺は面白い殺し合いがしてぇーだけだ。奴隷とかつまんねぇんだよ!!」
「そうか。我は貴様を滑稽と思うぞ、王に楯突くのだからな。」
ディラノスは立ち上がり、手を突き出した。
そして「やれ」という一言を放てば、奥から何人もの兵士が現れることとなった。
…右には2番隊の隊長、左には1番隊の隊長。
3番隊の隊長が今欠けている事は幸運だった、欠けていなければ俺を殺しにここにいるだろうからな。
そしてマーベインは居ない…なら勝算はある。
「いいか、生け捕りだ。」
王はそう兵士達に言った。
彼らは機械かのように動き始め、グラギを囲った。
しかし、グラギは囲まれたところで何も焦らず、手に《氷の独壇場》を付け、空気を凍させてクライミングのように、空を昇り始めた。
だが…
「お前が飛べ、2番隊隊長。」
ディラノスの命令の通り、囲っていた1人の隊長が盾をつけた手を上にあげてそれに引っ張られるように飛んだ。
クッソ!そういう心物もあったのかよ!
一瞬、グラギは反応が遅れた。
そして、空を飛んだ1番隊の隊長に足首を掴まれて、下に引きずり下ろされた。
そして、その後は何人もの兵士に殴られ蹴られ、集団リンチを受け続けた。1分ほどの時間が経つと、ディラノスが「もうよい」という命令が下され、兵士はグラギから身を引いた。
「つ…まんねぇ。」
血反吐と捨て台詞を吐きながら、王を睨みつけた。
しかし、ディラノスは全く気にせず、腰に添えた光輝く剣を抜いた。そしてそれをグラギの目の前に差し出した。
「死刑だ。」
そう言って、ディラノスは剣を振り上げ、グラギの首をはねようとした。彼は死を覚悟した、しかし…。
「…!?」
「完成だ。」
そうデイラノスは言った。最初、意味がわからなく困惑したグラギだが、その意味が一瞬でわかった。
「グラギ。我に平伏せよ。」
心では抵抗していたはずだ、しかし…体が恐怖を覚えていた。
気づけばディラノスに平伏していた。
あの王冠が、奴が王という事実を表していた。
「この王冠を被る我に恐怖を覚えたものは、二度と逆らうことは出来ない。」
と、心物の王冠を掲げながら、ディラノスは独り言を呟いた。
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