マインドファイターズ

2キセイセ

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指名手配編(三章)

97.炎と斬撃①

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あの制圧が起こる2日前のこと…。
事件というか…戦いはアルス達に隠して行われていた。

「ここが奴にいる場所であっているんだな?」

「はい!隊長!」

背中に長い剣を背負った腕組みをしてどんと構えた男がいた。
彼は先程、隊長と呼ばれた男だ。
長身で、灰色の髪をしたアクティブショートが特徴であった。

凛々しい目つきが、扉の向こうにいる奴の重厚感を吹き飛ばす。

そして、隊長は扉を蹴り開けた。

「おっと…物騒な入信希望者が来たと思えば。四番隊の野郎どもかァ…。」

目の前には真っ黒の紙にワンポイントで前髪に赤色。
神父服の男性。やつで間違えない。

「"ユーグワ"。貴様を逮捕する。」

そう言われるとユーグワはニヤリと大きく笑い、充血した目をかっぴらいて、こちらに近づいてきた。

「隊長の"マーベイン"さんまでお出ましと…。こっちも出すもん出さないとな…。」

ユーグワはそう言って、背中から《新しい炎》を取り出した。
黄緑色の炎が陽炎で空間を歪ませる。

その炎を見た信者は咄嗟にひれ伏した。
頭を地につけ、まさに神の降臨といった風に屈した。

「…下がれ。足でまといになる。」

加勢しようとした部下に片手を横にして止めた後。
マーベインはそう言って、黒いフードの小さい人だけを残してほか全員を下がらせた。

「…ここに、我が正義を実行する。」

マーベインは背中の剣を抜き、そう言った。
そして、ユーグワに向かって伸びるような剣の大振りをした。

煌めいた刀身の刃が、ユーグワに近づく。

「教会で暴れんじゃねえよォ…。神への侮辱じゃねえか!!!」

少し引いてかわした時、突如ユーグワは激昂した。
周りにいた信者達はすぐさまマーベインを押さえて、教会から放り出した。

それを追うように、黒フードの人も教会を出ていった。

「神の侮辱は死を意味する。神を崇拝しない奴は人では無い。害虫だ。殺してしまえ。」

ユーグワはそう言って、ポケットから取り出した金属の小さな球を《新たな炎》に入れた。

そして、炎は灰色となった。

「…神などという妄想に縋り、それを理由に虐殺をするなど…極悪人がッ!」

と言って、マーベインは突きの体制でユーグワの懐に飛び込んだ。しかし…向かう途中。

「んだと…神が妄想だとッッ!!」

ユーグワはそう眉間に皺を寄せ、顔を赤くした。
そして、《新たな炎》をマーベインに向かって突き出し、炎を太いビームのように解き放った!

「燃え尽きろォ!!」

しかし…マーベインは突っ立っていた。余裕かのように平然な顔をしていた。
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