マインドファイターズ

2キセイセ

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制圧編(ニ章)

94.制圧後…

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アルスに肩を貸して、《もう一対の手》でルーハーを持ち、玄関からラーラは出ていった。

「すっ…すまん…もう歩けそうにない。」

血だらけで体がピクピクしながら、限界を超えて動いているアルスの足が止まった。かすり声でそう言うと、ラーラも止まって、その場に座ったようだ。

「コルにメッセージだけ送っておこっ。」

ラーラはそう呟いて、いつの間にか着いて来た《次元の眼》に土に書いたメッセージを見せた。
《次元の眼》はコルの方向に全速力で向かったようだ。

「あー、つっかれた…。」

彼女はそう言って、転げ落ちるように床に背をつけた。
大の字を開いて、見上げる夜空に達成感を感じた。

大きな星が1つ、ぼやけたように見えてしまった。

そして…数分が経つと、ガタンゴトンと馬車が向かってきた。
その音を耳が感じると、ラーラは起き上がり、音の主を見た。
その後、近くに止まった馬車にアルス達は乗った。以外にも広い馬車だ。気づいた時には眠ってしまった。

そんな時、朝日が射す部屋に誰かの話し声が聞こえてきた。

「うげぇー、包帯ぐんるぐるじゃん。大丈夫なの?」

「大丈夫…だと思う。」

「不安なこと言うなよぉ……アルスの状態見たんだろ?断言してくれよぉ!!」

「…大丈夫」

「間がこええよぉ!」

…ナットとコルだわ。
俺はシャンデリアに潰されて、骨も何本か逝ってるだろう。
血だらけになってたことは覚えてる。
そんで…2人がこんな陽気ってことは、そっち側の任務は成功したってことか。

「コプラの方は?」

「大丈夫…めちゃくちゃ痛そうだけど。」

「あとは…アルスだよな…。大声出したら起きるかな?」

「確かに…」

よし、起きよう。
だるい体を無理やり起こして、怒りを込めたビックボイスをかましてやろう。

俺は実行に移した。

「うるせぇ…!朝から…ここ病室だろ?」

アルスがそう言って、ナットとコルを睨むと、ナットは一つ咳払いをして声を整えたあと、こう言った。

「いいですか、落ち着いて聞いてください。あなたが寝ている間に、今回の任務は成功しました。」

「いや知っとるわ。だいたい状況で分かるっつーの。あと医師になりきらんでも」

「いやぁー、制圧した第2拠点?調べたら、結構えっぐいもん出てきたよ。」

そうナットが言うと、アルスは首をかしげ、食い気味にその事について聞いた。

「そのやばいもんってなんだよ?」

「やベーモンったらやベーモンよ。レジサイドの情報、アルスの記憶に関するかもしれないこと。なんなら王国の情報まで出てきたってもんよ。」




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