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厄難編(二章)
50.《自動戦車》①
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一同は、言われた通りに準備に取り掛かった。
一見なんてことない、各々の私服に着替えた。
「よしっ、多分長期間の調査になるかもだから…金銭も持っていっておくか」
アルスがそうつぶやき、自分のヘソクリから1万ゴールド分取り出した。
そして、準備が完了した。
メンバー達は、溜まり場の人達に用意された、2つの馬車に乗って行くこととなった。
片方にはレイと、アルスと、コプラが乗り、もう片方にはコルとラーラが乗った。
足を馬車の中に踏み入れ、その中に入っていく。
全員が入り終わったあと、馬車は走り出した。
「なぁ、アルス。」
ボスがそう言った。
何やら、考え事をしている様子である。
続けて、こう尋ねた。
「この襲撃は…零事件に関係すると思うか?」
「わっかりません……けど、心物が狙われていたりと共通点は色々です……ですが、一つだけ言えるのは、そのスパイがレジサイドの団員だった場合。状況的に…"零事件の犯人は、レジサイドにいる"ということがわかりますね。」
「やはり…ウルフェンの手紙にあったFという人物か?」
「かもしれませんね…」
その後も、考察という話し合いを繰り返していたが、一向に話は進まなかった。
情報が欲しい…そう、両者が思っていた。
その後も、またそのあともずっと続けていた。
もうすぐ王都に着くといったある時、馬車に異変を感じた。
「なんか…地面揺れてる…」
なにかが、どこかの触覚を触るかのように、ピンとした直感で、コプラがそれに気がついた。
「そりゃそうだろ、だって、この量の馬が馬が走ってるんだぜ?」
「いや、なんか、違う」
違和感を感じたコプラは、不意と後ろを見た。
そうしたら、5台の馬車があった。
そう、1台多かった。
「やっぱ、1台…増えてる」
そう、何事もないように報告するコプラに、レイはすかさず、それに突っ込んだ。
「1台多いだと!?」
それにコプラが頷くと、レイは後ろを見て、コプラの言っていることが本当だということが分かった。
「……ありがとうコプラ、よく気づいてくれた。」
そうして、他の馬車となにかが違う1台だけ、レイは執着に見ることにした。
ずっと見ていると、こちらに近づいていることと、ある大事に気がついた。
「この馬車…いいや、戦車というべきか。馬がいないだと?!」
その戦車は、引く馬を必要とせず、平地をひとりでに動いていた。
砲台がついて、鉄で包まれた戦闘用の馬車という見た目であった。
「全員、戦闘態勢に入れ!!恐らく…"あの戦車は心物だ!"」
レイが、腹の底から叫んだ。
しかし、時すでに遅し。残虐な砲身が先頭のコル達が乗っている馬車に向けられた。
ドンッ!!
鉄の塊が、馬車に落下する。
そして、鳴ってしまった轟音が、爆風に乗って響く。
「…直撃じゃなくて助かった!乗せて!」
ラーラがコルを抱えて、叫んでいる。
それを聞いた、近くの馬車は掴んで走りながら、2人を乗せた。
その、砲台のある戦車から、独り言が呟かれた。
「うーむ…外してしまった。《自動戦車》(オート・チャリオット)の、砲撃の制度を上げたいものだ。」
一見なんてことない、各々の私服に着替えた。
「よしっ、多分長期間の調査になるかもだから…金銭も持っていっておくか」
アルスがそうつぶやき、自分のヘソクリから1万ゴールド分取り出した。
そして、準備が完了した。
メンバー達は、溜まり場の人達に用意された、2つの馬車に乗って行くこととなった。
片方にはレイと、アルスと、コプラが乗り、もう片方にはコルとラーラが乗った。
足を馬車の中に踏み入れ、その中に入っていく。
全員が入り終わったあと、馬車は走り出した。
「なぁ、アルス。」
ボスがそう言った。
何やら、考え事をしている様子である。
続けて、こう尋ねた。
「この襲撃は…零事件に関係すると思うか?」
「わっかりません……けど、心物が狙われていたりと共通点は色々です……ですが、一つだけ言えるのは、そのスパイがレジサイドの団員だった場合。状況的に…"零事件の犯人は、レジサイドにいる"ということがわかりますね。」
「やはり…ウルフェンの手紙にあったFという人物か?」
「かもしれませんね…」
その後も、考察という話し合いを繰り返していたが、一向に話は進まなかった。
情報が欲しい…そう、両者が思っていた。
その後も、またそのあともずっと続けていた。
もうすぐ王都に着くといったある時、馬車に異変を感じた。
「なんか…地面揺れてる…」
なにかが、どこかの触覚を触るかのように、ピンとした直感で、コプラがそれに気がついた。
「そりゃそうだろ、だって、この量の馬が馬が走ってるんだぜ?」
「いや、なんか、違う」
違和感を感じたコプラは、不意と後ろを見た。
そうしたら、5台の馬車があった。
そう、1台多かった。
「やっぱ、1台…増えてる」
そう、何事もないように報告するコプラに、レイはすかさず、それに突っ込んだ。
「1台多いだと!?」
それにコプラが頷くと、レイは後ろを見て、コプラの言っていることが本当だということが分かった。
「……ありがとうコプラ、よく気づいてくれた。」
そうして、他の馬車となにかが違う1台だけ、レイは執着に見ることにした。
ずっと見ていると、こちらに近づいていることと、ある大事に気がついた。
「この馬車…いいや、戦車というべきか。馬がいないだと?!」
その戦車は、引く馬を必要とせず、平地をひとりでに動いていた。
砲台がついて、鉄で包まれた戦闘用の馬車という見た目であった。
「全員、戦闘態勢に入れ!!恐らく…"あの戦車は心物だ!"」
レイが、腹の底から叫んだ。
しかし、時すでに遅し。残虐な砲身が先頭のコル達が乗っている馬車に向けられた。
ドンッ!!
鉄の塊が、馬車に落下する。
そして、鳴ってしまった轟音が、爆風に乗って響く。
「…直撃じゃなくて助かった!乗せて!」
ラーラがコルを抱えて、叫んでいる。
それを聞いた、近くの馬車は掴んで走りながら、2人を乗せた。
その、砲台のある戦車から、独り言が呟かれた。
「うーむ…外してしまった。《自動戦車》(オート・チャリオット)の、砲撃の制度を上げたいものだ。」
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